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#149 シンプルだけど、めっちゃ効果的な傾聴スキル「バックトラッキング」

竹内義晴です。この番組は、組織づくりやコミュニケーション、キャリアデザインなどの人材育成、複業やテレワーク、多拠点ワークといった「これからの働き方」についてゆるゆるとお話をしている番組です。この番組が面白かった、あるいは参考になったらフォロー・コメントなどいただけると嬉しいです。


組織づくりやコミュニケーションのお話をしています

いまですね、組織づくりやコミュニケーションに関するお話をしております。

その中でも、周囲との関係性を構築する方法。たとえば1on1ミーティングとか、お客さんと話をするときとか。そういったときにもっとも大事なことがあるとしたら、傾聴だ……という話をしてきました。

傾聴のスキルの中で、「バックトラッキング」というスキルがあるので、今日はバックトラッキングについてお話をしたいと思います。

バックトラッキングは、「相手の話を要約しながら、確認する」というスキル

傾聴のスキルというと、一般的にあいづちとかうなずきとかですよね。そういったことももちろん大事です。

それに加えて、このバックトラッキングをうまく使えるようになると、相手にとってみると「この人はちゃんと話を聞いてくれる」とか、「この人はわたしのことを理解しようとしてくれている」という感じになるスキルです。

バックトラッキングは、昨日、一昨日もちょっと話したんですけど、一言で言えば「相手の話を要約しながら、確認する」というスキルです。

どういうスキルかというと……人が、何か話をするとき、ある程度の長さで話をすると思うんですよね。

たとえば、「実は、〇〇のことがあって、いま、□□の状況なんですよね。それで、△△になっているんですけど、いま●●なんですよ」みたいな感じで。会話には、ある程度の長さがあると思います。

その、ある程度の長さの会話に対して、「つまり、それを一言で言うと、こういうことですよね」とか、あるいは、「わたしはこういうふうに受け取りましたけど、合ってますか?」っていうニュアンスで、一言で要約して返すのが、バックトラッキングです。

つまり、相手が言わんとしていることを汲み取って、「つまり、こういうことですよね?」。あるいは「こういうことですか?」と疑問形にしても大丈夫ですが、バックトラッキングというのは、相手が話した、ある程度の長さの内容を要約して、「わたしはこのように理解しましたが、合ってますか?」と確認しながら話を聞く傾聴のスキルです。

「この人、すごく聞き上手だな」とか、「よく理解してくれているな」って思う人や、プロのカウンセラーは、間違いなくこの話の聞き方をしています。

具体的な事例でお話します

もうちょっと、具体的にお示しできればと思うので、いまから、何の脈略もない雑談をしたいと思うんですよ。

これからお話する内容を、「つまり、竹内は何を言いたいのかな?」というのを気にしながら、話を聴いてほしいんです。

「つまり……」とか、「一言で言うと……」みたいな枕言葉を使うと、比較的考えやすいです。「一言で言うと、こういうことですか?」って確認するような感じで、これからお話する僕の話に耳を傾けてください。

いいですか? 本当に、いま、何の脈略もなく、ノープランで話しますね。何の話しようかな。本当にたわいもない雑談ですけど……。

今日収録してるのは、2023年8月27日ですね。日曜日に収録してますが、今日、畑仕事をしようと思ったんですよ。日曜日なのもあって。ちょうどいまですね、秋に収穫する野菜ですね。大根とか、人参とか、白菜とか、キャベツとか。そういった野菜を植える時期なんですよ。

で、今日「やろうかな~」って思ってたんですけど、今日はもう、暑くて。外に出て作業はしようと思って、ちょっとはしたんですけど、途中で暑くて、嫌になっちゃって、結局できなかったんですよね。

はい。ここまでにしますが、ここまで、僕が話したことについて、一言で要約して確認するとしたら、どんな風に確認しますか? 

いまの話を、バックトラッキングするとしたら?

バックトラッキングは「わたしには、こういうふうに伝わってますが、つまりこういうことですか?」って、確認する感じです。

じゃあ、先ほどの例で、僕が話した話を要約して確認するとしたならば、どんな感じになるでしょうか。あなたなら、どのように確認しますか?

たとえば、僕がバックトラッキングするならば、こんな感じになるかなと思うんですよ。

「つまり、畑仕事を本当はしたかったのに、できなかったんですね」

という感じでしょうか。あるいは……

「暑かったから、やりたいことが予定通りできなかったんですね」

でもいいかもしれません。

バックトラッキングは、聴き手に、どのように伝わっているかにもよるんですけど、相手が言わんとしていることを汲み取って、「この人は、つまりこういうことを言いたかったんじゃないかな?」ということを、要約して確認する感じです。

バックトラッキングの効果

バックトラッキングすると、どんなことが起きるかというと、相手にとっては、話した内容を確認されるから、「そうなんですよ! それでね……」って、次の話にまた話したくなるっていうメリットもあるし、バックトラッキングは、相手の話を聞いて、理解して、咀嚼してからでないとうまくできないんですよ。

なので、「つまり、こういうことですか?」と確認されると、相手は「そうなんです!」って思うし、「あ、理解してもらっているな」って思うんです。

バックトラッキングには「自分の考えを、自分で再認識する」効果も

もう1つは、バックトラッキングされると、話し手自身が、自分の考えや話した内容を、自己認識する効果があります。

話し手が、自分の考えを言葉にするとき、自分の考えをそれほど意識せずに話すケースが多いと思うんですよね。たとえば、先ほどの、僕の畑の話はほんと雑談なので、何にも意識しないで話しました。

同様に、部下の困りごとの相談にのる場合を想定したとき、「いまから、これを話します」みたいに明確な目的を持って話す人もいれば、話す内容をそれほど決めていない人もたくさんいると思うんですよ。

だから、なんとなく話し始めたことに対して、自分自身が自覚してないことも多いわけですよね。

その、意識せずに話し始めたことに対して「つまり、こういうことですか?」って質問、あるいは確認されると、「あ、そうか!」と。「僕は、そういうことを話したかったんだ」のように、話し手自身が、自分の考えを理解していく……ということがあるんです。

なので、バックトラッキングされると「あ、そうそう! そういうことを言いたかったんですよ!」って感じになるんです。

ですから、バックトラッキングの聞き方ができるようになると、相手と深い関係性を構築しながら、話を聴けるようになる……ということなんですね。

シンプルだけど、トレーニングは必要

バックトラッキングは、とてもシンプルなスキルなんですけど、意識的に話を聞くというトレーニングは必要です。

だけど、できるようになると、すごく聞き上手になるので、この番組でも何回か練習できたらいいなと思います。

なので、明日もバックトラッキングに関連した話をしてみようかなと思います。というわけで、今日の話はこれで終わりにしますね。じゃあね。バイバ~イ!

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