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#102 複業を導入する企業のメリット――2拠点×パラレルワークでボクに起こった創造性

竹内義晴です。この番組は組織作りやコミュニケーション、キャリアデザインなどの人材育成、複業やテレワーク、多拠点ワークといった「これからの働き方」についてゆるゆるとお話をしていく番組です。この番組が面白かった、あるいは参考になったらフォロー、コメントなどいただけると嬉しいです。


複業の導入を検討している企業に向けてお話しています

いまですね、複業に関するお話をしています。特に複業を社員に薦めようとしている企業に対するお話です。

複業って、企業にとってはこれまでの価値観に従うと、「稼働時間外に複業するってなんだよ」って話とか、社外で活動していると、なんとなく情報漏洩みたいな話とか、そういったことの不安で、なかなか「複業OK」にはなっていない企業が多いと思います。

複業は、2018年ぐらいから政府が推進し始めて、一般的に広がり始めました。とはいえ、企業側からしてみたら、複業を導入するって、結構勇気がいることだと思うんですよね。

だから、もしも複業を導入しようとするのであれば、何かしらのメリットを、企業側の人事や制度設計する人たちがわからなければ、薦めるに薦められないと思います。

なので、複業を導入したい……いや、そもそも「導入したい」と思っているのかどうかは、わからないんですけど、何かしら、複業に対して「どんなメリットがあるのかな?」とか、何かしら関心を持っている方に対してお話をしています。

2拠点×パラレルワークで得られたこと

今日はですね、ボクが複業人材として、いままで働いてきた経験から、「2拠点×パラレルワークで得られたこと」についてお話をしたいと思います。

実はいま、あるスライドを見ながらお話しているんですよ。2020年に日本経済新聞社さんのイベント『日経ワーケーション会議in妙高』というイベントがあったんですよね。その時のスライドをみています。2拠点×パラレルワークで得られたことについてお話をしていきます。

これまで、越境学習についてお話してきました

ここ何回か、ワーケーションの文脈で越境学習の話をしてきました。

で、「2拠点×パラレルワーク」で何が得られるかっていうと……

いまボクは、新潟県妙高市にいます。「妙高市にいるわたし」と「東京にいるわたし」は、実は、結構違うんですよね。

何が違うのかと言えば……たとえば、周囲に話す話の内容も違うし、言葉遣いもひょっとしたら違うかもしれない、あとは触れる人もまったく違いますよね。

また、仕事の内容も、新潟にいる時の内容と、サイボウズで働いている内容はまったく違うので、仕事の環境もまったく異なります。

あと、「組織で働いている」のと、「自分で経営している」のとでは、自分が置かれている立場ってまったく違うので、「妙高にいるわたし」と、「東京にいるわたし」はまったく違うんですよね。

異なる環境に入ることで「価値観の揺らぎ」が起きる

で、異なる環境に入ることで、何が起きるかっていうと、いい意味での「価値観の揺らぎ」が起こる。これは、「バランスが崩れる」みたいな言い方でもいいと思うんですけど、新潟にいるだけでは到底気づかなかったようなことが、都市部の、異なる環境に身を置くことで、気づくことがあります。

逆もあって、都市部の仕事の言葉遣いを地域の中ですると、なかなか伝わらないから、噛み砕いて、咀嚼して伝えるとか、あるいは、分かりやすいように伝えても、伝わらないみたいなことも起きるんですよね。

こういった、異なる環境に身を置くことによって何が起きるかっていうと、「このような場合は、こういう伝え方をした方がいいな」みたいに考えることがよくあります。

新たな気づきや発見――クリエイティビティが発動される

あと、いまお話している複業の話自体がそうなんですけど、ボクがサイボウズで複業をはじめて、1ヵ月ぐらいのとき、「もしも、自分の働き方の逆――都市部の方々が、地方の企業で複業する――ができたら……」みたいな気づきや発見が起こりました。これって、サイボウズで複業しなければ、多分起こっていないんですよね。

それがいまでは、ライフワークのようになっています。

つまり、何が言いたいのかというと、異なる環境に身を置くと、自分の「当たり前」が崩れて、価値観が揺らぐので、そこに新たな気づきとか、発見とか、成長が起こるということなんです。

これって、ちょっと見方を変えると、新たなビジネスのチャンスに気がついたり、「〇〇をやっていけば、今後、こうなっていくな」みたいな、未来を推測する、みたいな力が身につくということなんです。

イノベーションやクリエイティビティは、どういうときに起こるのか?

最近、流行り言葉のように「イノベーション」とか、「クリエイティブ」とかって言うじゃないですか。だけど、それって「どうやって起こすの?」って言った時に、説明できる人ってあまりいないと思います。

ましてや、いつもいる日常の中で、机に向かって、紙と鉛筆を用意して、「よし、オレはこれからクリエイティブなアイデアを思いつこう!」と思ったって、普通は思いつかないと思うんですよね。

なぜならば、日常の中にいるから。

なので、何かしらの新しいアイデアだったり、「こういうふうにしていくと、世の中の役に立つかもしれない」みたいな気づきは、「他日常」に身を置くことが大切なんですよね。

このような、環境を変えることによって起こる「自分の経験を生かすと、こんな役に立てるかもしれない」とか、「これは、ひょっとしたら会社で取り組むと新たなビジネスになるかもしれない」みたいな、気づきや発見、成長みたいなことって、企業にとって、すごいメリットなのではないかと、ボクは思ってるんですよね。

実務の視点、企業の視点で、新しいアイデアを起こすためには、いままで自分がいた日常を超えた越境が必要なんです。その環境として、ボク自身がそうだったように、複業ってすごくいいなって思っています。

……というわけで今日は、複業を企業に導入しようとするときのメリットの1つ「価値観の揺らぎが起こる」をお話ししました。

明日は、もう少し具体的に、「2拠点×パラレルワークでどんなことが得られたのか」についてお話ししていきたいと思います。じゃあ、バイバイ!

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