見出し画像

「仕事を通じた関係性って、どうすればできるの?」―関係人口に期待したこと

竹内義晴の「これからの働き方」――この番組は、これからの働き方、組織作り、地域づくりの実務家、竹内義晴が「楽しく働く」をテーマに、組織づくりやコミュニケーション、マーケティング、キャリアデザイン、複業、テレワーク、ワーケーションなどの視点でゆるゆるとお話をしていく番組です。

いま、noteさんの #創作大賞2024 #ビジネス部門 という企画に参加しています。『「仕事っぽいシゴト」が社会の課題を解決する』というタイトルの本を作るイメージで毎日お話しています。1本目、目次はこちらです。

昨日は、「観光は自転車操業?「人との関係性」を構築するために」というお話をしました。

今日は、「「関係人口」に期待したこと」というお話をしていきます。

音声はこちらです。

これからは、関係人口だな

人口減少社会・少子高齢化に関心を持ち出して、移住はハードルが高い。そして、観光は自転車操業だなと思っていたとき、2017年に『関係人口をつくるー定住でも交流でもないローカルイノベーション』という本を読みました。このとき僕は、新たに知った「関係人口」という言葉に、とても期待をしました。なんとなく「これだな!」って思ったんですよね。

移住について、僕らのような地域側の人間は、実際に移住してくださる方の気持ちや立場、生活を、もっと考えるべきじゃないかと思うんですよね。

地方の人は、「移住しましょう!」「移住してください!」と、簡単に言いますが、実際に移住してくださる方にとっては、いまの生活とか、子どもの学校とか、仕事の問題とかもあるわけで、「そんなに簡単なことじゃないよな」って、僕は思っています。

また、僕は新潟県妙高市というところに住んでいて。地域活性化に関する取り組みにも、少し関わっているのですが、移住に期待する方が多いように感じていて。

少しでも関係性ができると「いつ移住するんですか?」みたいな言葉を発する人が「意外と多いな」と思っています。もちろん、地元の人たちは何の悪気もないし、地方にとっては人が増えてくれた方がいいし、特に、これから子どもを産むような若い世代の人たちが移住してくれたら、それはありがたいんだと思います。

ですが、「そんなに簡単じゃないぞ!」って思っています。

一方で、観光は人の関係性という意味では濃い関係性ができない。訪れては、すぐ去っていくから、ずっとお客さまを誘客し続けなければならない、自転車を漕ぎ続けなければならない。

その実情を考えたとき、関係人口の考え方、つまり、「関係性をいかに構築するか?」という考え方は、すごく重要だと思いました。

関係人口の「何が重要か」

関係人口の重要なポイントは「移住しなくてもいい」ということです。

わたしたちのこと、わたしたちの地域のことを「好きになってください!」って言うんですかね。

もっとも、人を好きになるときがそうであるように、「好きになる」というのはお願いしてなるようなものではありません。その地域に、何らかの魅力があるから好きになるのでしょう。好きだから「もう1回行こう」って思う。

それが、移住ではなく、観光でもなく、「人と人との関係性がある」ということ。この、新たな考え方に「それはいいよな」って、僕は思ったんです。

そこで、2017年ごろから「いかに関係人口を増やすか」みたいなことに、興味を持っていました。

サイボウズで複業をしはじめて

ちょうどそのころ、新潟を拠点に、東京のサイボウズという会社で複業をはじめていました。

フルリモートで働き始めましたが、働き始めて、比較的早い段階で、「僕の働き方の逆ができたらいいな」って思いました。「僕の働き方の逆」というのは、「地方の企業に、都市部の人たちが、複業のような形で、仕事を通じて行ったり来たりできる関係ができる」ということです。

もしも、こうした形が実現できたら「仕事を通じた関係性の構築ができるな」って思ったんです。僕自身、そういう働き方をし始めていたこともあるし、自分の体験から「この逆ができないかな」って、2018年ごろにすごく思ったんです。

ですが、当時まだ、複業という考え方自体が全然浸透していませんでしたし、働く側の人たちも、複業できる人はまだまだ少なかったのですが、「この形は、何とか実現できないかな」と思って、少しずつ動き始めました。

できることは限られましたし、どうやったら実現できるのかもわかりません。複業って、働く場所があってこそ、初めて成り立つものですから。「どうしたらいいのかな?」って、ずっと思っていました。

でも、「複業という考え方があって」「仕事を通じた接点ができると、いいと思うんですよね」のように、いろんな人に話すことから始めていました。

そういうことをしていると、似たようなことを考える人はいるんですね。岩手県で、遠恋複業課という取り組みがあることを知りました。

遠恋複業課の「遠恋」は、遠距離恋愛の遠恋ですね。「複業」は、本業を持ちながらも、地域と仕事を通じて関わりませんか? という取り組みです。この取り組みを始めている人を知った時「やられた!」って思いました。

と同時に、うれしくもありました。「そうそう! これこれ! やりたいの、これ!」と思って。それをすぐにブログに書いたりとかもしましたね。

こういったことをしながら、「どうしたら、仕事を通じた関係性が構築できるのかな?」と思い、考え始めてた時期です。

まあ、だからといってすぐに、地元新潟で、複業が仕組みを構築できたわけではなかったのですが。

それでも、ほかの地域で始まっている、いろんな取り組みを横目に見ながら「何か、実現できないかな」と、考え始めていましたし、そういった取り組みをしている人たちに連絡をして、いろいろと話を聞いたりしながら、「関係人口って、どうやって構築していけばいいんだろう?」ということに、興味を持ち始めたんです。

今日の話はここで終わりにしたいと思います。

次の記事:仕事を通じた関係人口の創出「地域複業の理想と現実」

#創作大賞2024 #ビジネス部門

この記事が参加している募集

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?