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吉村 昭 著「わたしの流儀 」(新潮文庫) 2009年10月16日

 おはようございます。自称「ついていきたい女」神垣です。

 私が上司になってほしいと思う作家ナンバーワンは
 
 吉村昭氏。

 「わたしの流儀」という随筆集を読んで
 そう思いました。

 「戦艦武蔵」「ポーツマスの旗」などの作品で知られる
 吉村さんですが、重厚な作風と強面な風貌から
 とっても硬派な人という印象を持っていました(会ったこともないに…)。

 でも、本書には
 行きつけの飲み屋の店主に
 配管屋さんや八百屋の主人と思いこまれていたり
 子どもに「こわい顔の人がくる」とおびえられたりして
 落胆する様子など
 数々のお茶目なエピソードも。

 吉村さんの穏やかで温厚な人柄、風情が伝わってきて
 読んでいてほほえましくさえあるのです。

 「流儀」にもいろいろありますが
 私は淡々として控えめで
 ユーモアのある吉村さんの流儀が好きだなぁ
 と思いました。

  小説を書く
  言葉を選ぶ
  人と出会う
  酒肴を愉しむ
  旅に出る
  歳を重ねる

 の6章からなり、さらに短編の随筆で構成され
 読みやすいのもいいです。

 こういう上司についていきたい!
 と思わずにいられなかった一冊です。

 吉村 昭 著「わたしの流儀 」(新潮文庫)

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 酒好きなのに、彼が最後の晩餐に選んだものは…
 これがまた意外でいいんだな~。

(VOL.1143 2009年10月16日配信 メールマガジン あとがきより)

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