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ストックオプション注記をグロース銘柄の株式投資に活かす話

さて、以前、注記について連続してnoteをUPしていたのですが、

今日は、「ストックオプション注記の楽しみ方(ストックオプション注記をグロース銘柄の株式投資に活かす話)」、をお話してみたいと思います。

ストックオプション注記を作ったことある方、監査している方はわかると思うのですが、量が多くて注記作るのも、監査するのも大変、面倒でうんざりしてしまうのですよね。
多分ですが、本記事を読むと、その気持ちは少し晴れると思いますよ。


ストックオプション会計基準による開示規則

SO基準では、こんな感じで注記項目が定められています。

これだけだとわかりにくいのですが、貴重な情報がたくさん開示されているので、サラリーマン会計士的な注記の読み解き方をお話します。

事例:note

1️⃣まず、今の株価を調べます。:2023年8月18日の終値で457円でした。

2️⃣次に、EDINETで有価証券報告書>ストックオプション等注記を確認して、誰に、いくらの権利行使価格で新株予約権を発行しているか、見ます。

直近では、note社は第10回新株予約権として、取締役2名、従業員104名に、権利行使価格558円で新株予約権を付与されていることがわかります。

この意味は、株価がいくらに値上がりしても、第10回新株予約権をお持ちの役員の方や従業員の方は、558円で、noteの株式を取得できることを、注記が表しています。
普通に考えますと、第10回新株予約権をお持ちの役員の方や従業員の方は、現状の株価(457円)には全く満足しておらず、558円よりnoteの株価が高くなることを強く望まれている、強いインセンティブがある、と考えられます。

3️⃣投資するか決める。
ここで、1️⃣より、2023年8月18日の終値は、457円でした。
仮に今、note株を取得するとしますと、第10回新株予約権の権利行使価格より、安く株式を取得することができている、と考えることができます。
だから何だ、という話なのですが、本来はnote社とはあまり関係のない、自分も新株予約権を保有して、noteの役員や従業員の皆様と同じポジションをとっているような気持ち、会社を応援するような気持ち(例えば、みんなで頑張って、早く558円を超えてくれ~みたいな気持ち)、で株式投資をすることができます。決算説明会もより、食い入るように見るようになるのではないでしょうか。それって素晴らしいことではないでしょうか。

まとめ

話は変わりますが、岸田政権が打ち出した、スタートアップ育成5カ年計画というものがありますよね。

ユニコーン100社とか、5年後(今からですと4年後)にスタートアップ投資額を10兆円規模にするとか、大きくぶち上げてはいるのですが、日本においては、グロース市場、特にIPO後のセカンダリーマーケットが低調である、という点が大きな課題であると私個人は考えております(あとは、スタートアップがお付き合いできる監査法人がいない、とかかな・・・)。

私見ですが、IPO前後で、お祭りのように、わ~っと一瞬だけ盛り上がっているだけでは、スタートアップ5カ年計画というのは、完全に絵に書いた餅になってしまうのではないでしょうか。

中長期的な視点で、自分の好きなスタートアップや企業、業界を応援したいと思う方が増え、グロース市場、特にIPO後のセカンダリーマーケットで資金の好循環が発生すれば、そのような機運が高まれば、自然とスタートアップ5カ年計画が目指す姿に、日本もなれているのではないでしょうか。
そんなことを考えつつ、一つのグロース銘柄投資の楽しみ方として、「ストックオプション注記の楽しみ方(ストックオプション注記をグロース銘柄の株式投資に活かす話)」のお話を書いてみました。
いかがでしたでしょうか。
なお、あくまで株式投資は自己責任でお願い致します。

本記事が、少しでも、個人投資家の皆様にとって、決算書を読むときの参考になりましたら、大変嬉しいですし、普段ストックオプション注記って大変だなと思いながら、作成されている方、監査されている方へ興味を持っていただける記事となっていましたら、望外の喜びでございます。

PS、noteの株価は、将来どうなりますかね。自分は本記事執筆に当たり、少しではありますが、このnote社の株式投資をしております。
1年後?数年後?答え合わせができたら嬉しいですね。
では、また!残暑が大変厳しいですので、どうか、ご自愛ください。

2023年12月30日追記

note株ですが、年末に利確させました。
1単元のみ買っていたのですが、11,012円の評価益でした。

なお、同様のSO権利行使価格(特に2021年SO)を見ながら、1単元だけ仕込んでいたものでSansan㈱があったのですが(※Sansan㈱はプライム銘柄です)、

こちらも利確させてしまいました。

ただ、この考えが当てはまらない事象も、グロース市場で確認しています(銘柄を記載するのは差し控えますが、あわてて売却して事なきを得ました)。
特に、売買代金や出来高があまりないものについては、SO権利行使価格より、株価が下回っていたとしても、株価推移が沈み続けるケースがあり、注意が必要かと思います。

2024年は新NISA元年ですね。
どんな相場になるのか、今から2024年がとても楽しみです。
個人的には、2024年は是非とも、平成最初の「大納会」(株式市場の年内最終取引日)1989年12月 29日につけた、日経平均株価の史上最高値3万8915円 87銭を超えてほしいと思っております。
この数値を一度でも超えることができるのであれば、日経平均の長期的な上昇トレンドもあるのではないか、日本において貯蓄から投資への流れが本格化するのではないか、と思っております。

もう2023年も終わりですね。
2023年は大変お世話になりました。
皆様、良いお年をお迎えください。

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