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中高生のための就職ガイダンス「物をつくり人をつくる会社」

物をつくり人をつくる会社

「物をつくる前に人をつくる」
松下電器(現在のパナソニック)を創業した松下幸之助氏が残した、有名な言葉です。
いわゆる「松下幸之助語録」を紹介する書籍やサイトは多々ありますが、それらによると真意はこうです。
「松下電器は何をつくるところかと尋ねられたら、松下電器は人をつくるところです。併せて電気器具もつくっております。こうお答えしなさい」
事あるごとに、従業員にそう話していたそうです。

話しは変わります。
私が「ヤングキャリアセンター埼玉」勤務時(2010年代)に、求職者対象の高等技術専門校説明会を実施していました。
そのなかで、一つの中小企業の存在を参考にさせていただき、紹介しました。
その時の資料が残っていましたので、今回は、その資料から以下に展開します。
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その会社は、愛知県豊橋市にある、株式会社樹研工業。
社長は、松浦元男氏
 
テレピ東京「カンプリア宮殿」や、坂元光司氏の著書「日本で一番大切にしたい会社」第2巻(あさ出版)で紹介されるなど、その名が知れている会社。
 
この会社、世界最小1 0 0万分の1グラムのプラスチックキヤを開発。
でも、小さすぎて使い道がないのが大きな課題とのことだが、その加工技術は世界的に注目されている。
 
そのギャを作る工作機械も自作したという、すごい会社。
自動車用スピードメーターキヤでは、1か月280万台分の実績があり、すでに世界一のシェアとのこと。
 
松浦社長もユニークな人。
 5分や10分の面接では、人となりは分からない。
 だから採用は先着順。
 履歴書は見てもしようがないからいらない。
 
 人はだれでも優れたものを持っている。
 それを見つけてチャンスを作ってやる。
 その仕事がどれだけ役に立つか教えてやる。
 それが人を育てること。
 それが私の仕事。
 そんなやり方で、これまで裏切られたことはない。

こんな具合で、社員を大切にする、日本で一番うらやましい会社。
松浦氏の主張はシンプルで明快。
成功の秘訣は「人つくり」に尽きるということ。
まさに、松下幸之助氏の「物をつくる前に人をつくる」のお手本です。
 
1 0 0万分の1グラムのギヤも、松浦氏の提案1 0 0万分の5グラムを越えて、社員の発案によるもの。
その意気に応えるため予定外の設備投資をした。
世界一の加工技術を開発したことによって、開発者の能力も高まり、会社の市場価値も高まり、業績にリターンしてくるという。

日本のものづくりはこんな中小企業が支えていることを、世界的先端技術を持つことで中小企業でも世界に通用することを、改めて知らしめる会社。

あなたも日本を支える「ものつくり」の世界に仲間入りしませんか?
「ものつくり」を学びながら「自分つくり」をするために、あなたの人生の一部を、高等技術専門校に預けてみませんか?
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とまあ、説明会でこのような話をしていました。
日本の中小企業の中には、こんな素晴らしい力を持った会社があるのです。
「日本でいちばん大切にしたい会社」には、同様の会社がいくつも紹介されています。
参考になれば幸いです。

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