見出し画像

読書日記 『ここじゃない世界に行きたかった』

本の感想を書くのは苦手だったのだが、書き残さないことには読んだそばから中身を忘れてしまっている。
ということで、2021年は読書日記をつけることにした。日記を書くにあたって、とりあえず決まりを2つ設けてみる。印象に残った文章をメモすること、そして何故印象に残ったのかを記録しておくこと。

日記をつけようと思い立ってまず読んだのは、塩谷舞さんのエッセイ集『ここじゃない世界に行きたかった』。

同じ種類のさみしさを抱いてきた誰かと、やっと出会えたのであれば、相手と惹かれ合うのは当然のことだろう。そうして満たされていく感情が恋と名づけられることもあるし、友情と呼ばれることもある。  p.26 『SNS時代の求愛方法』

この文章を読みながら、2017年に乃木坂46を卒業した橋本奈々未さんが最後のラジオで語った「人は必要な時に必要な人と出会う」という言葉を思い出した。

時間の変化と人間の変化は連動するので、少しでもタイミングがずれてしまうと親しくなれないこともあるし、その逆もあるのだろう。橋本さんの言葉が、この文章を読んでいて4年越しに腑に落ちた気がした。

毎日ころころと変わる、つかみどころのない自分の状態を確かめていく行為は、正解もないし、終わりもないし。お茶を飲みつつ文章を書いて、自分の内側を確認してやるといった"ご自愛"を、おばあちゃんになるまで続けてみたい。p.120-121『先に答えを知ると、本質に辿り着きにくくなる』

自分のことは自分が一番わかっているはずなのに、結局自分が一番わからないような気もする。
自分の状態を把握する方法を近年模索していたのだが、塩谷さんはそれを「ご自愛」と表現されていて、なんだかとても優しい言葉だなと思った。

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?