寄付文化

東京新聞2023年11月11日「大谷翔平選手はグローブ6万個!アメリカで寄付文化が根付く理由 でも日本で人気のふるさと納税って…」


1998年、神奈川県が「NGO研修派遣」という事業を開始しました。
これは県内のNGOの若手スタッフをアメリカのNGOにインターンとして派遣し、広報やファンドレイジングについて体験するというものでした。私はこの事業の1期生として選抜されました。渡航費、滞在費などが「奨学金」として支給してもらいました。

私はメリーランド州のInternational Eye Foundationで、広報・ファンドレイジング担当(Public Officer というタイトルでした)の下、会報の記事の執筆、小学校での講演活動の手伝い、イベントでの展示品の作成作業にたずさわりました。

その時期に、アメリカの寄付文化について話をうかがい、それには以下のような背景があるとのことでした。

●税制上の優遇(寄付金控除)
●キリスト教の考え方(奉仕)
●自治意識(西部開拓の経験)

またアメリカのNGOの決算書を見て気づいたのですが、支出の部で「管理運営費」、「事業費」と並んで、「ファンドレイジング費」が独立した項目として区分けされていました。私は、広報とファンドレイジングは公益団体の運営にとって当然必要なものだという考えが浸透しているのかな、などと思ったものでした。また私のボスは、「寄付者は寄付するにあたって、この3つのバランスを見ているんだ」とも言っておりました。

神奈川県によるこの事業はその後、廃止となりました。

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