【感想】ナースの卯月に視えるもの
noteでフォローさせていただいている、秋谷りんこさんがとうとう商業デビューされましたね。去年作品を読ませていただいたときから「これが選ばれなきゃおかしい!」と思うくらい素敵な作品だったので、とにかくうれしくて仕方がないです。
↑書籍の紹介はこちらから。
↑YOUTUBEのイベント。これ、書くことを仕事にしたいと思っている人にはぜひ聞いていただきたい。参考になりすぎる。純粋に受賞から書籍化までのリアルも聞けるので、そこも参考になります。
選ばれしものになるにも試練があるのがわかります。
感想は極力ネタバレを避けるように書きます。でも人によってネタバレのラインが違うかもしれないので、その辺が違った場合はご勘弁くださいませ。
<感想>
読後感はほんのりじんわり心の奥が温かくなるような感じでした。
生きているうちに、自分で意思表示できるうちに、やり切ることの大切さが描かれていると思いました。大人はもちろん、学生さんに読んでほしい作品だなと思いました。
死ぬ前にやり残したことは何ですか?と聞かれたら、私なら何と答えるだろうか。やり残したことは何だろうか?
私なら時間があれば家族へのメッセージをいたるところに残すだろう。
だけど事故で急に意識が無くなったとしたら……夫のそばにいるか、疎遠になった友人に一言感謝したいと思うだろうなと。
他人の思い残しと、主人公ーー卯月の思い残し。(そして卯月のルームメイトの思い残し)それらが交錯しあって、私たち読者に生きることの意味と、伝えることやり切ることの大切さを教えてくれる良作品。
看護師の仕事モノとしても面白いのだけど、それだけじゃない人と人とのつながり方とか、マイノリティとしての愛情表現とか。
第六章(最終章)で胸が詰まってしまいました。
薄っぺらい「泣かせる」作品に辟易している人にこそおすすめします。
重版出来となったのも頷けるお話なので、気になる方は是非読んでほしいですね。
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