Shigaku

岡山に生まれ、大学まで「なんとなく」生きていた。「なんとなく」の度が過ぎて、麻雀ばっか…

Shigaku

岡山に生まれ、大学まで「なんとなく」生きていた。「なんとなく」の度が過ぎて、麻雀ばっかりやってた学生時代。こんな人生ダメだ!と思い、中高生・大学生が多様な生き方に出会える地域づくりやってます。最後尾の僕が、どこまでいけるか。NPO法人だっぴ 代表理事

マガジン

  • やおよろずの学び帳

    岡山の様々な教育に関する取り組みなどを個人的にレポートしていきます。僕の周辺にある、まだ見えにくいステキを僕の言語でお伝えできれば。

  • こんなマンガ、読みました。

    ただただ、自分が読んだ漫画について、感じたことを綴ります。

  • フィンランド教育紀行

    内閣府の青年国際交流事業にて、フィンランドのユースワーク視察の旅をnoteにまとめました。(気ままに随時更新中)

最近の記事

ワークショップデザイナーへの道Ⅴ

デザインは学習目標から始まる ワークショップデザインを考えるうえで、学習目標をないがしろにしてはいけません。学習目標の構文は です。成果物となる●●●を最終ゴールとしながら、そこに至るプロセスをデザインします。プロセスのデザインにおいては、成果物●●●の構成要素を因数分解し、それらをワーク工程に散りばめます。 今回、倉敷市の水島地区における公共施設再編整備の住民ワークショップを担当させてもらったので、そちらを事例に振り返ります。このワークショップは、水島地区にある公民館

    • コミュニティスクール/地域連携は、共助の世界で成立可能か

      先日、地域連携に関する教員研修を受けたので、そこからの私見を整理してみます。 地域コミュニティは衰退している 地域と学校の連携・協働に注目がされてから久しい。教育=学校という認識は、多忙によるコミュニティの衰退、その衰退による個人化が、教育機会・機能を学校に求めざるを得ない状況と捉えられます。 コミュニティスクール構想や地域連携は、学校だけでは実現が難しいことを地域と一緒になって解決していこうとするものです。しかし、コミュニティが衰退した状況を前提にしたとき、共助の文脈

      • 探究学習は、ファシリテーションの熟達で発展可能か【vol.2】

        今年度、県内4校(公立2校・私立2校)の高校において、探究学習のコーディネーターをさせてもらっていまして、タイトルの問いについて私見をまとめたいと思います。 ▽【vol.1】はこちら 学習者の影響を質量あるもので捕捉する 学習を始める動機(きっかけ)は、自分の課題を解決したいだったとして、学習を継続する動機は何でしょうか。僕は「積み上げたものの手ざわり」なんじゃないかと思っています。 従来の座学で考えてみます。僕は中学生の頃、学校の中では勉強ができる方でした。毎回、テ

        • 探究学習は、ファシリテーションの熟達で発展可能か【vol.1】

          今年度、県内4校(公立2校・私立2校)の高校において、探究学習のコーディネーターをさせてもらっていまして、タイトルの問いについて私見をまとめたいと思います。 一昨年度から高校で始まった「総合的な探究の時間」ですが、まだまだ学校内外への浸透が不十分で、担当教員や先頭に立つ役割の人が孤軍奮闘しているようです。 という再現性の課題について、「学校主導になっていない(コーディネーターにフリーライドしている)」「校内の先生の理解が得られない」などの問題に焦点が当てられることがままあ

        ワークショップデザイナーへの道Ⅴ

        • コミュニティスクール/地域連携は、共助の世界で成立可能か

        • 探究学習は、ファシリテーションの熟達で発展可能か【vol.2】

        • 探究学習は、ファシリテーションの熟達で発展可能か【vol.1】

        マガジン

        • やおよろずの学び帳
          9本
        • こんなマンガ、読みました。
          16本
        • フィンランド教育紀行
          11本

        記事

          だっぴに関わり、卒業する学生の皆さんへ

          卒業生のみなさん、ご卒業おめでとうございます! このnoteは、NPOだっぴの活動に関わってくれた卒業生の皆さんへの祝辞として受け取っていただければ幸いです。 大学生の力は偉大である 中学生・高校生だっぴ後の、学校との振り返りや大人の方からのアンケートを見ると、「グループの大学生がよいファシリテーションをしてくれた」という感想が多々あります。 積極的に中高生に話しかけながら元気に場を回したり、中高生が話す言葉を丁寧に聴き、自分の中だけで解釈せずに受け取るだったり、「中高

          だっぴに関わり、卒業する学生の皆さんへ

          パネルディスカッションの工学

          聴衆としても、司会者・登壇者としても、パネルディスカッションって難しいなと毎回思うわけです。パネルディスカッションを工学的に捉えることで、この足踏み状態から少しでも前進できるのではないかと思い、「高梁川流域連盟70周年記念講演」のパネルディスカッションから省察を行います。 省察のポイント 当日の司会者としてのファシリテーションを振り返り、パネルディスカッションを工学的に探究できるよう、アベプラの平石さんを参考に整理しようと思います。 『超ファシリテーション力』では、平石

          パネルディスカッションの工学

          地域社会の未来を考えるという行為

          倉敷市で開催された「高梁川流域連盟70周年記念講演」にて、パネルディスカッションのモデレーターを担当し、高校生・大学生が考える高梁川流域の未来について意見を聞きました。 パネルディスカッションの概要 ディスカッションを貫く全体の問いは としました。大原あかねさんと問いを考えるなかで、イメージというものを言語のアウトプットではなく、視覚や触覚で未来を捉えたときに、それは「イメージ」が限りなくそのまま表現されるのではないかという仮説に至りました。 パネリストの高校生・大学

          地域社会の未来を考えるという行為

          ワークショップデザイナーへの道Ⅳ

          ワークショップとはいち手法に過ぎないことを常に念頭に置いておきたいと思います。今回は、研修にワークショップを取り入れることについて整理・省察します。 研修にワークショップを取り入れるときの留意事項 研修にワークショップを用いる際、「参加者主体と組織満足のバランスをとる」ことがキーポイントの1つです。楽しいワークショップであると同時に、研修としての機能を果たしていることが求められます。 発注側が「楽しいワーク=ただ遊んでいるだけではないか」という懸念をもつ場合もあると思い

          ワークショップデザイナーへの道Ⅳ

          現代社会の「自治」を考え始める

          私のいるNPO業界でも「自治」がキーワードとして再燃?しているように感じます。自助・公助・共助のなかでも、相互扶助力が瘦せ細ってしまい、地域における共助の機能は低下していると言われて久しいです。 そのような状況において、現代社会が自治の力を取り戻すことができるのか、『コモンの「自治」論』を参考に、自分たちの活動の省察につなげていきたいと思います。 「構想」と「実行」の分離 斎藤幸平さんは自治の弱体化を「構想」と「実行」の分離と捉えています。まず、資本主義社会のもとでは資

          現代社会の「自治」を考え始める

          ワークショップデザイナーへの道Ⅲ

          ワークショップの目標設定 ただ漠然とワークショップを行うのではなく、目標を意識することは重要です。以下の構文に整理するイメージで、目標を言語化していきます。 ワークショップデザインを考えるなかで、迷走したり、ついあれこれと足し算してしまうことがあります。そんなときに目標に立ち返って、デザインをスリム化したりすることで、目標に向けて一気通貫された活動に洗練していきます。 省察的実践家 ワークショップでは、複雑なコミュニケーションが行われており、その場1回限りの限定的・一

          ワークショップデザイナーへの道Ⅲ

          青少年の越境機会のデザインを考え始める

          越境とは そもそも越境とは何か。越境学習は、教育や企業の人材育成の文脈でよく聞くようになりました。 『社員の放浪、歓迎 なぜ越境が人を鍛え、組織を強くするのか』では、職場の内外を行き来する越境にある学習論や越境の現象を俯瞰的に整理されています。 これまでは長期雇用を前提とした「組織社会化」で、垂直学習で熟達を進めることで、社内のキャリアを積んでいました。ゆえにOJTがずっと機能していましたが、組織社会化ではなく個人の社会化として、キャリアが個人に解き放たれたとき、学習機

          青少年の越境機会のデザインを考え始める

          高校の地域連携におけるコーディネーターの機能

          2023年度から、いくつかの高校にて「総合的な探究の時間」のコーディネーターの役割を拝命しています。 先日は、別件で複数の高校の管理職の先生に向けて、地域連携をテーマに県外の高校の事例をいくつか話題させてもらいました。 ということで、地域連携におけるコーディネーターについて、現在の知見を整理していきたいと思います。 主な出典として、文部科学省の「地域との協働による高等学校教育改革推進事業」PDCAサイクル構築のための調査研究「高校と地域をつなぐ人材の在り方に関する研究会」

          高校の地域連携におけるコーディネーターの機能

          オンラインツールを活用した大人数の講師登壇型ワークショップの実践

          岡山県立大学の先生から「SDGsに関する若者の活動について学生たちに伝えてほしい。彼らが今後の学生生活でNPOやボランティア活動に参加するきっかけになったら尚良い。」というご要望をいただき、2023年7月19日に約400名に大学1年生に向けて、授業をさせてもらいました。 会場は大人数を収容できるホールで、講師は壇上から話をします。90分授業において、僕の話芸だけでは学生の学習ニーズを満たすことは難しいので、ワークショップ形式で行いました。 このnoteでは、そのときのワー

          オンラインツールを活用した大人数の講師登壇型ワークショップの実践

          令和のキャリア教育を考えよう

          令和のキャリア教育について探究を進めるべく、noteに整理していきたいと思います。 キャリア教育のはじまり キャリア教育という用語は、1999年の中央教育審議会答申「初等中等教育と高等教育の接続の改善について」で初めて登場したとされています。 その後、ニート・フリーター問題の顕在化によって、早い段階から職業観や勤労観を培う必要性が指摘され、2003年に「若者自立・挑戦プラン」が取りまとめられました。 雇用問題を背景として、学校教育にキャリア教育が浸透していくわけですが

          令和のキャリア教育を考えよう

          社会教育の変遷

          社会教育は、以下3つの機能をもつものとして発展してきました。 本noteでは、社会教育行政の変遷をいくつかの参考文献から整理していきたいと思います。 かつては「通俗教育」と呼ばれていた 学制(1872年)による学校政策を展開するとともに、同年、文部省博物局観覧所・書籍館など社会教育施設を設置。「文明開化」の方策として、博物館や図書館が設置されます。 明治10年代(1877年~)、民間で「社会教育」という言葉が使われるようになります。かの福沢諭吉が「人間社会教育」という

          社会教育の変遷

          ワークショップデザイナーへの道Ⅱ

          Ⅰに続いて、WSDでの学びについて、自分の脳内整理を言語化・書き出していきたいと思います。 自己原因性感覚 自分が思いをもってはじめることが外部に変化を及ぼすという発見と、自己を出発点とした行動を心理学者のリチャード・ドシャームは「自己原因性」と呼びます。 ワークショップにおいて、この自己原因性感覚は必須の要素です。 そんな感覚だと僕は理解しています。その日その瞬間の学び、自分だけの学びが生まれることは、学びの内容もさることながら、学びの創出そのものにも喜びが持てるよ

          ワークショップデザイナーへの道Ⅱ