ワークショップデザイナーへの道Ⅱ
Ⅰに続いて、WSDでの学びについて、自分の脳内整理を言語化・書き出していきたいと思います。
自己原因性感覚
自分が思いをもってはじめることが外部に変化を及ぼすという発見と、自己を出発点とした行動を心理学者のリチャード・ドシャームは「自己原因性」と呼びます。
ワークショップにおいて、この自己原因性感覚は必須の要素です。
そんな感覚だと僕は理解しています。その日その瞬間の学び、自分だけの学びが生まれることは、学びの内容もさることながら、学びの創出そのものにも喜びが持てるような気がします。
参加の保証と参加の増幅
参加の保証とは、参加者にとっての安心安全を形成することです。自己開示しやすいようお互いの相互理解を促したり、モデリングを通してワーク中での立ち居振る舞いを伝えたりすることで、参加者の懸念を排除していきます。
参加の増幅とは、参加者がワークに夢中になったり、面白がったりしていく、参加態度の変容のことです。「創造的な営みの5つのステージ」によると、創造的な場のプロセスは共有から始まります。参加の保証によって、参加者の安心安全が形成されていることで、共有しやすい空間になっています。
加えて、参加の増幅には、ワークに良い制約を設けることが重要です。「自由に話してください」でももちろん悪くはないのですが、自由度が高すぎるため、目標としている方向にワークが到達しない可能性もありますし、参加者が自由過ぎて困惑することも考えられます。
反対に、どう考えても答えがみんな似たようなものになってしまう制約では、「そうですよねぇ」としかなりません。「うーん。どうだろう。」とみんなで頭を悩ませながら考える創造的混沌を通過して、自分たちのグループなりの解に到達することに、参加の増幅があります。
良い制約とは何か
適切な制約があることで、拡げる・創造的混沌・収束というプロセスが具現化されます。しかし、この制約の設定が難しいのです。ざっくり言うなら、ついつい考えたくなる問いづくりです。
例えば、「人生2周目なら何する?」と「みなさんはAさんの脳内会議を行う、異なるAさんたちです。Aさんの人生2周目のプランを考えてください。」とでは、思考の自由度が異なります。それだけでなく、前者は問いをおそらく個人で考えると思いますが、後者はみんなで考える仕掛けになります。制約を設けることは、個人の思考だけでなく、グループの協働性にも影響を及ぼすのです。
ワークショップの構成要素
WSDのなかでワークショップの構成要素として学んだことは
という視点です。参加の保証と参加の増幅を担保できるプログラムデザインを考えるにあたって、これらの要素がどのように満たされているかをチェックしながらワーク構築できるようになったと思います。
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