しがレポ2022@彦根レポート
今回の目的(知りたいこと、体験したいこと)を教えてください。
まずは行ってみることが目的でした。大阪での移住セミナーに参加して「しがレポ!」を知りましたが、滋賀を現地コーディネーターの方に案内していただくことで、一人で訪れるのとは違った視点でまちを歩くことができるのではないかと思い、参加しました。また、引越し先を探す中、範囲を拡大したことで意図せず遭遇した移住という言葉。移住ってどういうことだろう?と思い、移住者の方と交流できることも楽しみにしていました。
最も印象的な体験とその感想を教えて下さい。
事前ミーティングで図書館を見たいとお伝えしていました。長浜市のさざなみタウンは、2020年12月にオープンした図書館やまちづくりセンター、商工会議所などの機能を持つ産業文化交流拠点施設。館内には、学習室や会議室のほか、和室や調理室、工作室などがあり、多目的スペースでは体験当日、書道の催しで賑わっていました。また、複数の会議室では会議中の、フリースペースでは談笑中の市民の姿がありました。と言っても図書館スペースはもちろん静か。図書館の所蔵に関しては、物足りない部分もあるとの話もありましたが、県内の他館と相互利用が可能で、以前より使いやすくなったとのこと。公共の施設というと箱物行政と言われることも多い中、さざなみタウンでは市民が各々の目的で施設を共有している様子が印象的でした。さらに、学習室は勉強する学生たちでいっぱいになるらしく、それは大人たちの予想以上だったとのこと。勉強したくなる場所があるのが良いと思いました。
仕事見学・体験を通して感じた滋賀の「働く」魅力はどんなことだと思いましたか?見学の内容や感じたことを教えてください。
1日目は長浜。現地コーディネーターKさんと長浜駅で集合後、移住者Tさんと合流してお昼ご飯。「鯖そうめん」という郷土料理を知りました。長浜は湖北地方といい、滋賀の中では近畿というより北陸寄り。若狭湾に近く、昔から鯖を使った料理は身近であったとのこと。また、湖北にはお寺が多く、仏像好きの間では人気のエリアなのだとか。Tさんは東京出身で、以前から仏像が好きで移住前から長浜を訪れていたとのこと。現在は文化財・地域文化に関する執筆や講演会などをされている。後日調べで、長浜には「観音の里」と呼ばれる地域があり、住民が地元の仏像を守り継いでいるとのこと。仏像はもちろんのこと、それを守る地域の人々の気風、歴史こそが「観音の里」と呼ばれる所以だとか。冬の気候に関しては、長浜は多雪地域。道路には消雪パイプが整備されていました。関東圏出身のKさんもTさんも、靴と防寒着は持ってきたものでは十分でなく、移住後に買い直したとのこと。なお、長浜は食べ物が美味しいとTさん。それが移住の決め手の一つというのは納得。Tさんは仕事柄、特定の地域に密に入るというよりは、外から来た者として地域の人々と広く交流しているとのこと。移住者と言っても仕事やパーソナリティは様々で、必ずしも地域に溶け込まなければならぬと気負う感じではないらしい。それぞれのやり方で接することが受け入れられているというのは、暮らしやすく働きやすい場所なのかもしれない。
交流を通して感じた滋賀で「暮らす」魅力はどんなことだと思いましたか?
2日目は彦根〜近江八幡。あしがるノイエは、足軽組屋敷が残るエリアにあるコミュニティスペース。クリスマスイベントに向けて準備が行われていました。コーディネーターKさん行きつけの喫茶店で昼食。移住以来、マスターと仲良くしてもらっているという。馴染みのお店を見つけられるとほっとできる。Kさんは移住して3年間車なしで生活されているが、彦根は坂が少なくて自転車移動がしやすいとのこと。その後彦根市立図書館へ。こちらは老朽化が否めませんでしたが、整備を検討中とのことで今後に期待。電車で近江八幡へ。移住者Aさんと合流して八幡堀を散策。撮影によく使われるとのことで、まさに時代劇で目にする景色。近江八幡は近江商人発祥の町で知られ、土蔵や旧家が多く、長浜や彦根とはまた違った雰囲気。Aさんの勤務先のボーダレスアートミュージアムNO-MAは、昭和初期の町屋をリノベーションして開館した美術館。落ち着く雰囲気。Aさんは関東出身で長年勤めたお仕事を辞めて転職し、移住された。職場には県外から越してきた方も多いのとこと。体験最後には琵琶湖へ。暗くなってきていたが、静けさが心地よい。やはり近くに琵琶湖があるというのは魅力。近江八幡駅で解散。
(参加目的に対して)得られた気付きや学びを教えてください。
移住と一言で言っても、その内容は千差万別。移住者の方々それぞれにきっかけがあり、縁あって現在滋賀に住んでいるということ。移住といえば古民家で田舎暮らしという事例で取り上げられることが多いけれど、実際には様々な理由があり、第一理由が移住ではない場合は別の言葉で語られるのかもしれない。個人の内側と外側には流れがあり、生活環境は移り変わって行く。移住者としてお会いしたお二人は、それまでの経験を基に現地でできることをしながら地域と関わりを深めていかれているように感じました。そこには、移住という括りで語られる以上に、もっと興味深い話があるように思いました。
プランを通して気付いた滋賀の魅力を教えてください
「今ここにあるものを大事にすること」を滋賀に暮らす人は実践しているように思いました。ここにある自然、ここに住む人、その人々が築いてきたものが文化になり歴史になる。長浜市の図書館では、滋賀の郷土資料が広くスペースを設けて保管されており、自分たちが暮らす土地で生まれたものを大事にしていることが伝わってきました。
全体を通した感想を教えて下さい。
一人で訪れるよりも記憶に残る経験になりました。「しがレポ!」体験当日(12月12日)は快晴で暖かかったけれども、来週には雪が降るだろうという話をしていて、正にこのレポートを書いている今、ニュースで湖北地方の積雪情報が流れている。現地で暮らす人と交流することで、これまでもおそらく耳にしていたであろう「コホク」という音が、現実の場所として感じ取ることのできる言葉に変わったように思います。とても良い経験でした。(40代・女性)
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