後見センターやすらぎ

私たちは「血縁による支えから地縁による支えへ」をキーワードに、血縁に頼ることができない…

後見センターやすらぎ

私たちは「血縁による支えから地縁による支えへ」をキーワードに、血縁に頼ることができない高齢者や障害のある方を、市民ボランティアが市民の目線で支え、後見活動を行っているNPO団体です。 ここでは、私たちの活動風景や日常風景を綴っていきたいです。

マガジン

  • 契約後見の事例紹介

    こちらでは契約後見に基づいた支援の事例をご紹介していきます。

  • やすらぎだより

    ここでは、私たちの活動風景や日常風景を綴っていきます。

  • 法定後見の事例紹介

    こちらでは法定後見に基づいた支援の事例を紹介していきます。

  • ボランティアに関わって

    やすらぎの支援員は、支援活動に関わった動機も持ち合わせている経験もさまざま。ここでは活動を通して得たこと、今の思いを聞いていきます。

最近の記事

ハーモニカ

永年 契約後見で支援を続けているSさん(90代)は、音楽がとても好きだ。数年前まで、琴の師範としてお弟子さんを持たれていた。地縁の碑が建立されたお祝いの集いで、妹さんとの琴の連弾(つれびき)で、「春」(春のうららの隅田川~)の調べが光則寺の境内に流れたのを思い出す。 最近は、お琴は仕舞われて、専ら身軽なハーモニカを楽しまれている。施設の新年会、節句のお祝い、暑気払いの集まり、クリスマス会などで、時節に因んだ曲を選び、ハーモニカ演奏用に編曲、披露し会場を盛り上げられている。時々

    • 3年ぶりの月例会

      10月14日の土曜日の午前中、福祉センターで3年ぶりの月例会を開きました。 やすらぎの月例会は、講師を招いて研修を受けたり支援員が抱える課題を話し合ったりする貴重な情報共有の場です。 久しぶりの月例会では顧問の弁護士に「成年後見制度の最近の流れ」についてお話いただき、20名ほどの会員が熱心に耳を傾けました。 施行以来20年以上が経過した成年後見制度は、民法の改正も視野に改革が進められようとしています。 改革の内容は、現場で活動している立場から納得できることもあれば、えっ?と思

      • やすらぎ支援日記

        グループホーム(GH)に入所している軽い知的障害と自閉症のTさん(被保佐人 男性)の趣味はクラシック音楽を聴くこと。私などは聞いたこともない曲や作曲家をたくさん知っている。通所作業所が休みの日には、図書館から借りてきたCDを聴くのが何よりの楽しみだが、もっと好きなのはコンサートで生演奏を聴くこと。でもそんなにお小遣いがないので、無料の演奏会などを探して聴きに行っている 先日、相談員から有料のコンサートチケットが2枚手に入ったのでとTさんにくださった。大きなホールなので一人で行

        • 今年の「地縁の碑」納骨式の日程が決まりました。

          「地縁の碑」とは、お墓を持たない被支援者の方が、やすらかに眠るための永代共同供養墓です。 今年の「地縁の碑」納骨式は、4月22日(土)の午後2時から、鎌倉市長谷にある日蓮宗光則寺にて開催されることになりました。 今年は、2名の方のご遺骨が納骨される予定です。 爽やかな薫風のなか、ご本人を偲び、こころを込めてお見送りしたいと思います。

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        • 契約後見の事例紹介
          5本
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          2本
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          4本
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          6本

        記事

          難題を抱える財産管理は弁護士と共同で〈法定後見〉

          Cさん 女性 鎌倉市在住 法定後見支援歴4年   享年89歳 地域包括支援センターからの相談   息子と2人で自営業を営んでいた女性。数年前からアルツハイマー認知症を発症し寝たきりだった。息子が心臓病で急死し、自宅にひとり取り残された。本人の施設入所、息子と本人が残した借財の整理、ゴミ屋敷状態の自宅の整理、亡くなった息子の相続など課題山積。関われる親族がいないので後見人についてもらわなければならない。        本人の状況 Cさんは要介護5。重度の認知症でコミュニケー

          難題を抱える財産管理は弁護士と共同で〈法定後見〉

          末期がんの最後の日々に寄り添う〈契約後見〉

          Eさん 女性 逗子市在住 委任契約支援歴 9か月  享年68歳 本人からの相談  末期の肺ガンで医師から余命半年と宣告されている。夫はすでに亡く、子どもはいない。夫婦で30年以上暮らした家に一人暮らし。唯一の身内の妹は遠方で病気がちなので頼ることはできない。残された最後の時間に寄り添い、死後の後始末をやってくれる人を探して地域包括に相談したところやすらぎを紹介された。 契約時の本人の希望 ホスピスか病院で最期を迎えることになるが、入院中の支援を希望。少しずつ家財を整理

          末期がんの最後の日々に寄り添う〈契約後見〉

          「障害があっても自分らしく好きなことをやり続ける」を支えて〈契約後見〉

          Cさん 女性 鎌倉市在住 委任契約支援歴 11年   享年87歳 本人からの相談  身体に障害がある。同居していた母が亡くなり、身近な親族がいないので、これからの生活が不安。  契約時の本人の希望 外出は車椅子で介助が必要。世話をしてくれていた母親が亡くなったため施設に入り介護を受けながら絵や俳句、旅行を楽しみ、友人との交流を続け、自宅にいたときと同じように生活したい。 遺言書は作成済みなので、遺った財産は遺言執行者に引き渡してほしい。 葬儀・埋葬はやすらぎにお願いし

          「障害があっても自分らしく好きなことをやり続ける」を支えて〈契約後見〉

          本人の希望を聞き、一緒に考える支援をしたい。

          医療関係の仕事をしている時に、患者さんが自分の生活に戻る準備をする際、多少の工夫や支援により家庭(社会)復帰が十分可能であるにもかかわらず、それがかなわず、ご本人共々、残念に思うことが多くありました。要因は色々あると思いますが、その中で、判断する事とそれを遂行する支援があれば、もっと自分らしい生活を送れるのでは、とも思いました。生活していると毎日、何らかの判断が必要になります。そこで、ご本人の希望を聞き、一緒に考え、その人らしい生活を安心して送れるよう支援していく後見という活

          本人の希望を聞き、一緒に考える支援をしたい。

          入会のキッカケあるいは今も続けている理由

          会社に勤めている時から定年後はボランティアをすると決めていました。 退職後、いろいろなボランティアを経験しました。お子さんの送迎・お年寄りの傾聴・町内会のお手伝い等。その中でも長く続いたのは傾聴でした。 やすらぎを知ったのは社協との共催の講演会に参加した時でした。募集があったので余り迷わず入会しました。夫婦二人で子供のいない自分にとってやすらぎの仕事は重い部分もありますが大変役立っていると感じています。また、会員が素晴らしい人ばかりなので気に入っています。(男性 75歳 会員

          入会のキッカケあるいは今も続けている理由

          福祉職の仕事を卒業して参加しました。

          福祉職をしていました。特に在宅支援が長く、色々な場面を経験し、利用者さんからも沢山のことを教えてもらいました。子供のいない私にとって将来の自分を見るようなこともありました。ある人から「誰かの為にすることは、いつか誰かがあなたにしてくれる」と教えてもらいました。60歳を迎え仕事を卒業することになり、これから何をしようかと思っていた時、「そうだ、先にしておこう!」と思い、やすらぎの活動に参加させていただきました。(女性 65歳 会員歴5年)

          福祉職の仕事を卒業して参加しました。

          40年の技術者生活の先に

          40年の技術者生活を終え、自分達の老後の準備や、社会との繋がりの維持、全く新しい経験や、社会へ恩返しをしたいとの思いから、やすらぎへ応募しました。会社時代の同世代の仲間は完全リタイヤした人が多いですが、やすらぎは高齢の方や女性の方が元気に活躍されていて、気分が若返ります。私も80才近くまで活動出来るのではないかと期待して、後見人の勉強を進めているこの頃です。(男性 65歳 会員歴1年)

          40年の技術者生活の先に

          実際の活動を通して多くを学ぶ

          介護保険事業所で事務をしていましたが、介護保険関係だけでなく、広い知識の必要を感じ、社会福祉士の資格を取得しました。資格を取得後もどのように生かしていくか迷っている時に、知人からやすらぎを紹介されました。当時は後見制度が動き出したばかりの頃で、社会福祉士の授業においても後見制度の運用について多くに時間を割いて説明がされていましたが、実際に支援員となって、施設に訪問に行くようになると、いろいろな認知症状の方がおり、どのように支援していくか戸惑うことも多々ありました。そんな時、や

          実際の活動を通して多くを学ぶ

          仕事の空き時間を活用して活動しています。

          仕事が週2,3日の短時間勤務になったので、地域で活動していたいと思っていた折、やすらぎのパンフレットを目にして入会を決めました。最初に支援を担当した方は、母親が亡くなって、今まで住んでいたアパートで一人暮らしをしたいとの希望を持つ障害のある男性でした。一人暮らしは2年ほど続きましたが、「電話魔」のためお巡りさんに注意をうけたり、部屋がゴミ屋敷状態になったりして一人暮らしに限界が見え始めたとき、あらためて本人とよく話し合って、グループホームに入居することになりました。今では、食

          仕事の空き時間を活用して活動しています。

          「立つ鳥あとを濁さず」にするのも後見人の役目

          Dさん 男性 鎌倉市在住 法定後見支援歴6か月   享年85歳 鎌倉市高齢者いきいき課かからの相談   アル中から発症した認知症の男性。ゴミ屋敷状態のアパートに独り暮し。歩行困難。まともに食事もせずヘルパーに無理矢理酒を買わせて飲んでいる。高齢者いきいき課職員の関わりも拒否したが、発熱で倒れ緊急入院。自宅アパートには戻れない。特別養護老人ホーム入所のためには後見人の選任が必要。 本人の状況 本人は認知症で病識もない。自宅にいるときは介護拒否が強かったが入院後は拒否する

          「立つ鳥あとを濁さず」にするのも後見人の役目

          「してほしいことを支え、してほしくないことは無理強いしない」支援

          Dさん 男性 鎌倉市在住 契約後見支援歴 10年   現在92歳 本人からの相談  妻は10年前に死亡。子どもはいない。親族に頼るつもりもない。5年前にやすらぎのことを知って、いずれはお願いしたいと思っていた。自分のことは全部自分でやれるが、役所も銀行も自分のような年寄りが一人で手続きしようとすると不安そうな顔をされる。そろそろ手伝ってもらうほうがいいと思うようになった。 契約時の本人の希望 糖尿病でインスリン療法を自宅で行っている。できれば最期まで自宅で暮らしたい。

          「してほしいことを支え、してほしくないことは無理強いしない」支援

          親族と二人三脚で支える

          Eさん 女性 逗子市在住 法定後見支援歴5年   享年93歳 長女からの相談   アルツハイマー認知症の母親。父親は2年前に死去。独身の長女が母親と暮らしてきたが、仕事をしながらの介護に限界を感じ、地域包括支援センターに相談し、やすらぎを紹介された。 他県に住む兄と弟の理解を得るために、長女としては母親の財産管理を第三者に任せたいと思っている。また、施設に入所しても娘として母親の介護にはできるだけ関わっていきたいとのこと。 本人の状況 重度の認知症で長女の顔もわからな

          親族と二人三脚で支える