見出し画像

「障害があっても自分らしく好きなことをやり続ける」を支えて〈契約後見〉

Cさん 女性 鎌倉市在住
委任契約支援歴 11年  
享年87歳
 
本人からの相談 
身体に障害がある。同居していた母が亡くなり、身近な親族がいないので、これからの生活が不安。 
 
契約時の本人の希望
外出は車椅子で介助が必要。世話をしてくれていた母親が亡くなったため施設に入り介護を受けながら絵や俳句、旅行を楽しみ、友人との交流を続け、自宅にいたときと同じように生活したい。
遺言書は作成済みなので、遺った財産は遺言執行者に引き渡してほしい。
葬儀・埋葬はやすらぎにお願いしたい。
 
契約後の支援経過
・ 母親から相続した財産があり、本人の希望を考えると有料老人ホームが適当ということで、本人と一緒に老人ホーム探しをし、気に入ったホームが見つかったので契約に立ち会う。
・ 葬儀・埋葬の希望は「指示書」に書いてもらう。埋葬については本人とお寺の話し合いのサポートをし、納得のいく形で埋葬できることになる。
・ 本人の希望に対して施設が対応できることとできないことを話し合い、できないことは独自にヘルパーや介護タクシーなどを利用して外出できるよう、支援員が本人と相談しながら手配することにした。
・ 入所から数年間は元気でヘルパーの助けを借りながら趣味のための外出や旅行を思う存分楽しんだ。「ここで一番外出するのはCさんですよ」と施設で言われるほど。
・ しかし80代後半になると持病の心臓疾患で入退院することが増え、外出も難しくなる。支援員はできるだけ訪問し本人の話に耳を傾け、まだできることを探して支えてきたが、87歳、最後の入院で息を引き取られる
 
担当支援員の感想
猫が大好きで、自宅で飼っていた猫アニーを主人公にして、空想の世界を旅する猫アニーの物語をたくさん話してくださいました。猫の涙がキャッツアイになり、女王と猫ルビーが世界を飛び歩いて、猫を助けると言う物語の作者は、優しい心の持ち主でした。
また、外出して美味しいものを食べることもお好きで、特に鰻、サンマ、酢豚が好物でした。山梨の葡萄狩り、浅草、小田原のかまぼこ工場、苺狩りなど、日帰り旅行にでかけ満喫していました。あるとき、「かた焼きそば」が食べたいと話すので、できたての○○皿うどんをテイクアウトして、召し上がって頂いたこともありました。
「のんびりと句を考える春の午後」(Cさん作)
今でも、お部屋の椅子で句を考えてたたずむCさんの姿が、目に浮かびます。