「してほしいことを支え、してほしくないことは無理強いしない」支援
Dさん 男性 鎌倉市在住
契約後見支援歴 10年
現在92歳
本人からの相談
妻は10年前に死亡。子どもはいない。親族に頼るつもりもない。5年前にやすらぎのことを知って、いずれはお願いしたいと思っていた。自分のことは全部自分でやれるが、役所も銀行も自分のような年寄りが一人で手続きしようとすると不安そうな顔をされる。そろそろ手伝ってもらうほうがいいと思うようになった。
契約時の本人の希望
糖尿病でインスリン療法を自宅で行っている。できれば最期まで自宅で暮らしたい。独り暮らしの自宅に通帳や大事な書類を置いておくことが心配なので預かってほしい。銀行にいくときや病院にいくとき同行してほしい。葬儀、埋葬をお願いしたい。墓のあるお寺にやすらぎと契約したことを伝えてほしい。
契約後の支援経過
・ 契約後すぐに支援員2人で自宅訪問。生活状況を見て、室内の清掃、買い物支援など介護保険のサービスを利用して生活支援をしてもらうことで暮らしやすくなると提案するが、本人は必要ないの一点張り。
・ 本人の話にしっかり耳を傾けること、本人がしてほしいことの中で、契約後見でできることできないことをきちんと説明すること、生活改善の余地に目が行き「こうしたら、ああしたら」とすぐに提案したくなるが、本人が望まないことには手出しをしないことなどを支援員同士で話し合う。
・ 体調が不安定で、かかりつけ医の説明を一緒に聞いてほしいと言われることが増えた。本人の了解を得て、医師の面談や入退院にも何度か立ち会う。
担当支援員の感想
本人は自立心がとても強い方で、ダイレクトに提案すると拒否されることが多い。良くお話を聞き、本人の口から要望されるのをじっと待つくらいが信頼関係もできる。ご自身が環境や身体のことを理解され、自己管理がしっかりできているため、支援者も学ぶことが多い。