企業CMから企業の本質は見えてこない

炎上しているCMと時代についていけないおっさん体質

最近、炎上するCMが多いですね。最近では牛乳石鹸のCMが炎上しました。

牛乳石鹸のCMは、昭和の父親の元で育ち父親に憧れを持っていて、男性も育児をするような今の時代についていけない男性の葛藤を描いています。

人間誰しも完璧ではないわけですから、そうして悩むことは悪いことではないし、似たような立場のおっさんたちには共感を生むだろうとは思います。

なぜそれが、「さ、洗い流そ」という結論になってしまうのか?向き合って考えなきゃダメだろというツッコミが入る、炎上以前にいまいち伝えたいことがよくわからない、謎なCMとなっています。

ほかにも、サントリーの「絶頂うまい」など、炎上するのはいずれも前時代的なおっさんの視点で作られて、それが今の男女平等を目指す社会の中で受け入れられなくなっているというパターンです。


AmazonのCMが感動的!

それとは対照的に、最近のアマゾンプライムのCMは素敵です。

たった30秒で超感動的、メッセージもしっかり伝わってきます。

スマホでワンタップするだけで、おばあちゃんをこんなに笑顔にできる、アマゾンプライムを使いたくなってしまいますね。

Amazonの経営は、完璧すぎるほどに戦略的で、計算尽くされているイメージがあります。このCMにもそうしたマネジメントがあらわれていると思っていて、まるでUXデザイン(顧客体験のデザイン)の教科書にのっとって考えられているようです。

UXデザインとは、お客さんは商品を欲しいわけではなくて、商品を買った後の幸せな体験が欲しいのだということですね。それがおばあちゃんの笑顔です。


はたして、Amazonは牛乳石鹸共進社よりもクリーンな企業なのか?

(ここから根拠に基づかない印象で話が展開されます)

ではAmazonがこのCMのようなクリーンな企業かと言えば、まったくそんなことはないと思います。このアマゾンプライムのワンタップで荷物が翌日に届くためには、大量に素早く荷物を配達しなくてはいけないブラックな労働状況によって支えられているわけですね。

Amazon社は個人主義、成果主義で弱音を吐かず、完璧なロボットのような社員たちを求めているらしいです。(http://www.gizmodo.jp/2015/08/post_18006.htmlとか)

もし仮に、男女差別や人種差別の分子があったとしても、企業イメージを保つために表向きはクリーンです。

それは皮肉にも、最近の炎上動画を批判しているような人たちが望んでいるような社会の行き着く先なのです。

では、それで良いのかと言えば、疑問を持ってしまいます。


CMはイメージづくり。CMから企業の本当のことはわからないんじゃない?

結論としては、結論は出せません笑

ともかく、CMが良かろうが悪かろうが、企業の本質はあまり見えてこないと思うんですよね。牛乳石鹸だって、広告の作り手と石鹸の作り手は別だろうし、どういう思いで職人たちが石鹸を作っているのかなんてわかりません。心を込めて作っているのかもしれません。

Amazonだってこれだけ完璧なCMを作ってマネジメントが行き届いているということは、逆にとても全体主義的な会社だとも言えるわけで、本当はいろいろな人たちがいるんでしょう。

牛乳石鹸とアマゾンプライムどっちの方が地球に優しいのかと考えたら、響き的には牛乳石鹸の方が優しそうです笑

つまるところ、多くの企業はたくさんの色々な考えの人たちが集まっている以上、社会にどう思われるかという見せ方の部分に気を使っているかいないかだけで、本質的にはそんなに変わらないんじゃないかと思います。

企業がイメージを守るためには、あえてリスクをとってセンシティブな話題に触れることはしない、というのが一番賢い手段かと思います。牛乳石鹸共進社は、わざわざ自分で踏み絵を踏みにきて叩かれてるあたり、マネジメントのアホさが感じられます。でも、その人間らしさがAmazonと比較するとまだ可愛く見えたりもします。

結局のところ、顧客はCMなんかに振り回されないで、プロダクトをみて自分で良いものを考えて選ぶべきなんじゃないかと思います。便利なのでアマゾンプライムも時々使いますよ。

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