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表現の不自由展判決、AV新法〜参院選2022「表現の自由」立候補者アンケート(2)

アンケート(5) アンケート(4) アンケート(3) アンケート(1)


「表現の不自由展」に関する訴訟について、表現の自由の観点から意見があればお願いします。



ふじすえ健三(自民、比例) 名古屋市も主体となって開催した芸術祭において、一部の展示の内容を理由に後から公金の支出を停止しようとすることは、表現の自由の阻害につながると考えます。

松浦大悟(維新、比例) 公費を支援する展示会は表現の自由に配慮しながら適切かつ安全が確保できるように運営する必要がある。

くりした善行(立憲、比例) 名古屋市が、展示の内容に踏み込んで補助金の不公布を決めたことは、自治体による検閲にあたり大きな問題がある。イベントが人権を明確に侵害していない以上、地方自治体や国を含む行政が、内容の良し悪しについて踏み込むことはあってはならない。賛否が分かれる内容であっても、発表の機会自体は確保されるべき。 大きな騒動のように伝わっているが、表現の不自由展にかかわるところは予算としては全体の中では小さく、それを全体のことのように取り上げたことにそもそも大きな問題があった。

赤松健(自民、比例) 「表現の自由」や「検閲の禁止」の趣旨から、文化芸術への補助金・負担金は、表現自体が違法ではない限り、表現内容を理由として決定したり・決定を取り消したりすべきではないと考えている。 一般の人が「好き」「嫌い」を言うのは表現の自由として問題ないが、公的機関が場を提供しているはずなので、その中で何が繰り広げられるかは寛容にならないといけない。ただし、例えば展示内容が主催者の企画テーマから外れていたら仕方ないこともありうる。


たるい良和(国民、比例) 公金の援助を受けないのであれば、自由であるべき。

村田しゅんいち(社民、比例) 権力による表現の自由に対する攻撃にNOが突きつけられた適切な判決だと思います。

にひそうへい(共産、比例) 表現の不自由展」には、日本軍「慰安婦」像を象徴する「平和の像」などが展示されましたが、これにたいし名古屋市側は、「日本人の心を踏みにじるもの」(河村たかし市長)などとして、公金支出を拒否しました。当該判決が、「芸術活動は多様な解釈が可能なうえ、ときには斬新な手法を用いるので、鑑賞者に不快感や嫌悪感を生じさせる場合があるのも、ある程度やむを得ない」とのべるとともに、「芸術活動の性質に鑑みれば、不快感や嫌悪感を生じさせるという理由で、ハラスメントなどとして芸術活動を違法だと軽々しく断言できない」として、「表現の自由」の観点から展示を擁護したことは、重要な判例になったと考えます。

要友紀子(立憲、比例) 河村市長は昔、盗聴法に反対していた方と記憶していますが、表現の自由に関しては寛容さを欠き、市長という権力によって「金を出さない」という裁判をしていることには納得がいきません。また、憲法21条の表現の自由には、ほかの人権や権利の行使に関してよく付け加えられる「公共の福祉」という言葉が一言も入っていません。つまり、憲法の言う表現の自由というのは、公共の福祉に反しようが、反しまいが、表現の自由が大切ということを謳っているのです。



荒木ちはる(ファーストの会、東京) 現在も係争中の事例であり直接的な言及は避けたいと考えますが、表現の自由の重要性からすれば、多種多様な表現活動が幅広く表現の自由によって保障されるべきと考えます。 行政が表現活動への支援を行う場合には、住民の理解が得られるテーマ設定や、特定のものだけでなく、様々な表現を認めることでの公平性の担保、独立性を持った専門的な評価機関の設置など、慎重な配慮が必要と考えます。

ふじすえ健三(自民、比例) 現状AVと呼ばれるものの中には、いわゆる適正AVもあるが、その枠外のものもあります。今回の新法は、業界努力を続けている適正AVに対して、その努力成果を正しく評価しているとは言えず、さらなる法的規制をかけるものである一方、適正AV以外のAVに対して効果的な対策であるとは言えないと考えます。

松浦大悟(維新、比例) 引き続き適正業者や当事者に十分な調査をしながら改善を重ねていく必要がある。

くりした善行(立憲、比例) AV新法の施行が決まった後、予定されていた仕事(撮影)がキャンセルされるなどの問題が実際に起こっている。また守るべきとされた撮影対象の方々からも多くの異論が出ている。性被害防止は重要だが、その具体的内容について問題があるのではないかという認識。 そもそも、そこで働く人たちへの意見聴取の機会が乏しい形での法規制は拙速だったのではないかと考える。当事者の意見を聞きながら課題を洗い出したい。

赤松健(自民、比例) AVが表現の自由かどうかというと、AVも間違いなく表現の一つ。 重要なのは、本人の選択肢として、本人の意思でその仕事をやっているかどうか。本人の意思であれば問題ないが、強制されているなら犯罪になる。 人間の判断なので、説得されてなんとなく勢いで出演してしまうということもあるので慎重にならないといけない。 AVがその他の表現と違うのは、性行為映像制作物がずっと残ってしまうという重さがあること。一生抱えることになるかもしれない問題なので、本当に自分の選択肢としてこれで良いのかと問う時間が必要だと思う。 一方で、撮影から公表まで4ヶ月という期間が長すぎるという声も確かにある。仕事としてどんどん作品を作っていきたい人にとっては長すぎるし、制作会社等が潰れてしまうこともあるかもしれない。 最初に述べたように、本人の選択肢の問題ではあるが、だからこそ当事者から丁寧に話を聞かねばならないAV新法の成立にあたっては当時者から話を聞いていなかったようだが、そうであれば非常に問題がある。 私が2020年に静止画DL違法化を止めた時が似たケースで、当時も私がロビイングしなければ当事者の声は政治に届かず、そのまま成立していただろう。

たるい良和(国民、比例) それを生業としている方に打撃、一見まともに見えるが、禁酒法のように結果うまくいかない。

村田しゅんいち(社民、比例) AV業界の実態把握が不十分なことに起因して、新法により仕事に支障が出ている事業者・出演者がいることが問題です。当事者の声をより拾い上げた上での法改正が必要です。

にひそうへい(共産、比例) 日本共産党は、この法律は、現に生じているAV被害の救済と防止のために役立つものと考え、賛成しました。 AVへの出演は、現実に多くの出演者の心身に深刻な被害を与えています。私たちは、性の商品化、性的搾取は、人間の尊厳と価値、男女平等の権利を侵害するものだと考えています。とりわけAV撮影の現場では、実態として対価を払って実際に性交させることが行われてきましたが、個人の尊厳を傷つけるものであり、性交を伴うAV撮影は禁止されるべきだと考えます。今回の新法でも、審議の過程で日本共産党をはじめとする野党が修正を求めてきましたが、その点での不十分さを残しました。今後は、付帯決議にもとづく2年後の見直しに向けて、実際の性交を伴うAVを正面から規制する法改正を求めていきます。 憲法の「表現の自由」は、当然、尊重されなければなりません。同時に、「表現の自由」の名で、憲法が保障する基本的人権を踏みにじることは許されません。また、民法で無効とされる公序良俗違反の契約や、刑法や売春防止法に違反するような行為は、そもそも現在でも違法であり、この新法によっても合法化されないことは当然です。AV出演契約には、売春防止法が禁止する「売春」に当たるものや、労働者派遣法や職業安定法で「有害業務」とされる形態のことも多く、こうした罰則に基づく取り締まりを強化し、違法なAV撮影をなくしていく対策を求めていきます。

要友紀子(立憲、比例) AV新法は基本的な骨組みのところしか考えられておらず、AV業界で働く現場の人々から、具体的な疑問や心配、現場の窮状の訴えが殺到しているのはそのためです。商業ベースのAVだけでなくインディーズの性表現に携わる人々も様々な被害から守るためには、女優やプレイヤーの表現の自由と偏見の問題は避けて通れないはずです。つまり、労働者の意思が尊重されていなければ、保護されない労働環境が蔓延り、労働条件が悪くなります。このような問題意識が共有されなければいけません。


荒木ちはる(ファーストの会、東京) 女性の貧困対策等も含めた総合的な観点から不当な性暴力・性被害への対策は必要であると考えます。 他方、今回の法整備にあたっては関連業界・当事者等の多様な意見が十分に反映されていないとの声もあり、関連業界・当事者等の意見を丁寧に聴取しながら検討すべきです。被害者の保護とともに、実際の運用、新法で示された契約の形が実態に合っているのかを洗い出し、法律の運用に対して注視していきます。

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