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「ゆっくり茶番劇」問題〜参院選2022「表現の自由」立候補者アンケート(4)

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6月22日公示、7月10日投開票の参議院選挙で立候補予定者のうち、「表現の自由」について主要政策で掲げたり、訴えの中で取り上げている方々に向けてのアンケートです。東京都選挙区の有権者が投票できる東京選挙区と、全国比例区の立候補者に限定したものです。アンケートの責任は、渋井哲也(フリーライター)。6月30日のオンラインイベントでも使用させていただきました。

ふじすえ健三(自民、比例) 「ゆっくり茶番劇」の商標登録が認められたことは適当ではなかった可能性があるが、それに対しての議論が活発に行われ、取り下げに至ったことは評価できる。また議論によって解決できなかった場合にも無効審判という方法もあり、現行法の枠内で対応が可能であると考えます。

松浦大悟(維新、比例) 
商標権の濫用は創作活動を阻害する。問題解消の議論を始めるべきである。

くりした善行(立憲、比例) ゆっくりの商標登録で問題になったのは、特許庁の審査基準が俗人的であり、特にネット分野においては十分に機能していなかったこと。異議申し立てのシステムもあるが時間がかかることも問題。しかしこれらを法整備で解決することは困難。第一に審査官による審査をより正確なものにしていくための環境整備が必要。話題になったことを機に運用、管理などについて見直していくよう働きかけていく。

赤松健(自民、比例) 現行の商標権制度では、二次創作文化へのリスクがどうしても拭えない。二次創作文化の適切かつ正当な保護のためには、法改正等の対応が必要だと考える。 著作権は著作物を創作した時点で何らの手続を要せず著作者に発生し、かつ、二次創作については親告罪であるため、著作権者が二次創作を問題視しない以上は寛容な著作物の利用が可能。私も、同人マークを作って寛容な利用を促進してきた。 しかし、商標権は登録主義であり、自らが現に使用していなくとも、他者が登録していなければ商標を登録することができるので、広く二次創作で利用されている文字商標であっても、悪意の商標出願がされてしまえば、非親告罪であるということもあり、今回の「ゆっくり茶番劇」のように一気に二次創作が萎縮してしまうおそれがある。 商標権制度自体は、ブランド等の保護のために必要な制度であるため、具体的にどうバランスを取っていくのか検討が必要だが、これまで二次創作を守ってきた私自身も全く新たな局面であるため、最善の方法を模索をしていき、二次創作文化を守り育んでいきたいと考えている。

たるい良和(国民、比例) 法的には問題ないが、みんなが使っているものを発案者でもないのに商標登録することが人道的に許せない。

村田しゅんいち(社民、比例) 芸名などと同じように、一定期間以上使用されていることが明らかで名称と対象物(人物・コンテンツを含む)について、第三者が商標登録できないようにする法整備は必要だと考えます。

にひそうへい(共産、比例) 「二次創作」については、ネット上で独自の文化が発展しており、そのような創作物が適正に保護されることは大切だと考えます。「ゆっくり茶番劇」の場合、「東方Project」の作者であるZUNさんや上海アリス幻樂団が「二次創作」を容認しており、多くのユーザーが楽しむ大切な場となっていたのにたいして、第三者が商標登録を出願しそれを特許庁が一旦認めたことは「表現の自由」の観点から見て問題をはらんでいたと考えます。法整備が必要かどうかはよく検討する必要がありますが、当面、審査の的確性の向上のために、特許庁の「情報提供制度」などを広く知らせることが求められます。

要友紀子(立憲、比例) 二次創作というものを広い意味で考えれば、メディアやマスコミをはじめとして、何かを発信、表現する多くの人は、すでに発表されたものをもとに、何かを作り上げ、創作し、発表していると私は考えます。したがって、二次創作を否定的にするのは、多くの矛盾を抱えるものと考えますので、二次創作がのびのびとできる社会でなければおかしいのではないかと思います


荒木ちはる(ファーストの会、東京) 現在の商標登録制度は、本家よりも先に商標を登録し、本家に対して利用料等の金銭を請求するという不当なビジネスモデルを生み出しています。濫用的な特許・商標等の申請を行う者への対策は重要と考えます。どのような対策が重要か、検討を重ねていきます。

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