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No.167 「ラグナクリムゾン」第72話備忘録

0. はじめに

 文字通り西へ東へ出張が続く今日この頃. ようやく家に帰ってきて

千年戦争アイギス公式生放送 11年目も全力SP!!

を観ながら, 「ラグナクリムゾン」第72話備忘録を書く(次のW魔神は酒呑童子×大嶽丸かぁ… どうしよう… いつぞやのゴローザエモンのようにやっぱり1万円の処刑人を買っとくべきかなぁ). 

1. 銀気闘法再び

 冒頭, 未来ルオシーとラグナの場面. ラグナはデフォルトで(体内で)銀気と人気を融合させていることが判明したが, これは新情報ではないか. 実際, 第1話の例の行:


そんな戦いを十年
いつしか銀剣はオレの一部であり オレこそが銀剣であるという認識が生まれる やがてそれは現実となった
腕と銀剣の境がなくなる 不気味な現象 でも竜を狩るのに不都合はない
身体が異常な激痛を訴えるが無視して戦い続ける

五年がたち銀剣と完全に融合 肉体そのものが銀器を発する武器となる

そこから三年 体内の銀気を増大させる術をあみ出し

四年 銀気を自在に操る術を身につける

人の領域を幾段も踏み越え さらなる高みへ
そして十年!
ついに最強の戦技が完成する

滅竜の極み 銀気闘法!

の中でも, 

「銀剣と完全に融合」

というフレーズはあっても,

「銀気と人気の融合」

というニュアンスは無かった. 

 またこれに併せて, 未来ルオシーは

「完成すれば
あなたの繰り出す
打撃の一発一発が
滅竜閃以上の威力を
持つはず」

と言っているので, いつも乱発している狩竜閃も未来ルオシーが放った滅竜閃以上の威力があるということか? でも描写的にそうは見えないんだよな(アバンストラッシュを乱発しすぎて必殺技じゃなくなっちゃった感じ?). 

 で, 狩竜重閃. 最近「わしゃがな」の武井宏之邸訪問があったから(その昔, スパイクタイヤに魅せられて, 一番最初に購入したミニ四駆シューティングスターのデザイナーが武井宏之と知って驚愕), 「狩竜重閃」は当然フツノミタマの「二段媒介(スピリットオブソード)」に見えました. ``メドローア'', ``アバンストラッシュクロス(アスタリスク?)に続いて, 結構ニヤつく(どこぞのパクリマンガと違って, 卑しさを感じないのが小林大樹のセンスだと思う).

 で, 機竜君にダメージは入っているのかいないのか… なんかこれでも皮一枚を焼いたくらいなのかな… これに更に陽気を上乗せして, 光速双閃でブチ込むくらいやらないとダメージが入んないのかな… 強すぎだろ, 機竜君(ギルゼア様なら件の``直死の魔眼''で切れるかもしれないが). 

 でも

狩竜双閃 = 海波斬
狩竜重閃 = 大地斬

とすると, 

(陽気要素の)狩竜陽閃(仮) = 空裂斬

で, この三つを滅竜瞬穿的に重ねたアバンストラッシュに相当する狩竜閃がそのうち出てくるはず. ワシにはわかる. わかるぞ, 小林大樹. だが, それでいい!!

2. 二割の損害より

 まず今回の一連の

『ルギア銀鉱襲撃戦』

太陽暦498年5月3日

であることが判明した. ラグナ達がアメンに到着したのが4月10日だったので, そこからまだ一か月は経ってない. ``死神''になってからも3ヶ月. 

 これだと以前

から問題にしている

「時間の制約(time limit)」

の正体はまだ見えてこない. 少なくとも長生きできないラグナの寿命が数ヶ月 order 以上であることは判明しているが, 半年以上持つかはまだわからない. 

 で, 犠牲者. 二等神民以上の犠牲者の数はわかるが(1593名であることはわかったが), 一等神民を含めそれ以外の何等神民がどれくらい犠牲になったのかの内訳がよくわからない. そもそも牢獄の聖女のように聖女 or 聖人はどういう扱いなのか(一等神民? あるいはそれ以上? 実際, 今回も檻の聖女の犠牲は二等神民以上とはカウントが別になっている感じがする). 単純な総数では20万以上ということだが, 翼の血族最終決戦前のレーゼでの犠牲者数は240万人だったので, 数だけでいえばその10分の1以下である. 

 でもこれで機竜君は

「太陽神教の勢力の2割」

と判断したので, そこから逆算すればやはり結構な損害である.

 ただ, 細かいことではあるが, 「勢力」を「兵力」と解釈するか, 「戦力」と解釈するかで計算が変わってくる. とりあえず有名な

Lanchester's laws (戦力は兵力の平方に比例)

で換算してみると, 「勢力」を「兵力」と解釈すれば二等神民以上の総数は

$$
1593 \cdot \frac{10}{2} = 7965 \text{ [人] }.
$$

他方, 「勢力」を「戦力」と解釈すれば

$$
\frac{x^{2}}{(x - 1593)^{2}} = \frac{5}{4}
$$

を解いて

$$
x = 7965 + 3186 \sqrt{5} = 15089.11 \text{ [人] }
$$

ということになる.

 まぁ, バカ正直に上述の二次方程式を解かずとも

$$
(1 - 0.1)^2 = 0.9^{2} = 0.81
$$

に注意すれば, 大体「兵力」を1割削れれば, 「戦力」が2割減ることがわかるので, 「戦力」換算からの計算だと大体1593の10倍が太陽神教の二等神民以上の総数ということになる. 今回の聖女, 聖人の犠牲者(牢獄の聖女だけ)のパーセンテージ的にはこちらの計算の方が合っている気がする. 

 次いで「二等神民以上」をどう解釈するかが問題になるわけだが, 一つの目安としてはたとえば

二等神民以上 ~ 銀装兵団1人

というのが考えられる(一つの根拠としてはゴーレムもといジャック・ジャンが特別二等神民待遇のオファーを受けていたこと). 実際はどうなのかはともかくとして, 色々実感することができ, これが千 order だと確かに聖女, 聖人複数人分の損害と言っても過言ではないだろう. 

 で, これだけの損害を出している(表紙にいるニム・ハムニム…)も, 私が以前予想したような

フェルビゴート参戦からのクリムゾンの暗躍バレ展開は無かった(避けられた). これが何と言っても鍵だろう. 

 そもそも今回の結末に関してはクリムゾンも, 恐らくはこれまでの未来に存在しなかった(『この時期にあの場所から銀彗星の破片が見つかったことなどない』)と思われるので, 予測は出来なかったと思われる. ただ

『「世界魔法の制約(?)」上, 咆哮の血族以外の血族の介入があったとしても, そこまで深刻な介入はない』

と踏んでいたフシはあるのではないか. つまり

『ある程度まとまった戦力をデコイにしたり, 機竜君の元に送り込めば返り討ちにあうのではなく, 逆に適当な段階で撤退する』

という展開もクリムゾンの予測の範疇だったのかもしれない(更にはどこぞの未来で裏切っていた可能性がある太陽神教の勢力を優先的にデコイにしていたかもしれない). 

 で, 太陽神教の2割の損害と引き換えに隠しおおした, クリムゾンの存在と新滅竜部隊 or 銀剣の聖人部隊(彼らはクリムゾンの月面基地で訓練していたので, 機竜君達の襲撃を受けていないはずである)がその分をどう cover するのかは間違いなく今後の注目ポイント(鍵)である.

 まず「勢力を2割削っている」と相手が思い込んでいる状況そのものが, 大きな advantage になる. あの``悪魔''がそんなおいしい状況を見逃すはずがない. ただ, 間違いなく太陽神教内に裏切り者や工作員がいると思うので, この advantage を活かしたダマシ討ちをするには, あくまで

「(オルゴールではなく)クリムゾンとして暗躍する」

という前提が必要になる. 

 次いで

「件の銀器鎧が実際どこまで使えるのか」

である. 恐らく, 疑似的に銀気闘法を再現する武具の類だと予想しているが, でも流石に今回未来ルオシーが語っていたような銀気と人気の融合とその蓄積までは再現できないのではないか. あるいは本当にそこまでを目指しているのか. 実際, 10人に満たない2流狩人に即席でトロワ狩りをさせた実績があるので, ゲヘナに引きこもられることなく, 打って出てくるのであれば, 銀器鎧の性能如何に関わらず(無論それは非常に重要ではあるが), 最低限の戦果は期待できるかもしれない(そうしないと話が面白くないというか, 我らがクリムゾン様の出番がない).

3. 一区切りと今後の展開

 第67話 or 第68話から始まった『ルギア銀鉱襲撃戦』がなんと半年で完結してしまった. このハイペース, ハイテンポは真に驚くべきことである. 無論, 素晴らしい事ではあるのだが, 正直こちらの予想を超えるペースだったので, やはり今の小林大樹は非常に調子が良いのだと思う(今の多くの漫画たちは是非, 今の彼を見倣っていただきたい). 

 で, 今後の展開だが, 私個人の見立てではこれで第二部太陽神教編の半分までは行かずとも1/3は終わったとみている. 今後の大筋としては残りの1/3で

「ゲヘナから打って出た咆哮の血族との戦いが一戦」

最後の1/3で

「太陽の聖者暗殺事件と絡めた咆哮の血族との最終決戦が一戦」

といった塩梅だろうか. あるいはこの二つを同時並行にやってトータルで2年くらいの目安だろうか.

 既に骸の聖人ガインが, ミスリードとさえ感じる, あからさまに不穏なムーブをして終わっているので, 色々同時並行に進んでいく可能性は高いと感じる. また同時並行で言えば, 今回出番がありそうでなかったハクレンがこれ見よがしに爪牙の血族であることをアピールしていたので, もしかしたら今回話が一区切りついた幕間で, ギルゼアサイドの物語もちょこっと描くかもしれない. 

Appendix. 例の``円盤商法''について

 これまで知りつつも触れたくなかったこの話題について触れる. 以前も書いたように

私はアニメに関しては否定派で, この半年近く前(もう半年前!!)の note 以後, アニメに関しては一切言及していない. が, 流石にこればかりは触れざるを得ない. 何故ならば

『こういうラグナクリムゾン研究の一次資料である重要文献が全く accessible ではない』

ということはかなり深刻な問題だからである. 

 尤も, 小林大樹だから,

「特典サイドの情報として本質的な情報を open にする」

というような無作法はしないと信じるが, それでもよく読み解けば何某かのこと(たとえば今回であれば, 今後の展開でも鍵になりそうなスターリアや銀装兵団の秘密)を見抜ける可能性も十分にあるからである. 

 だが, 私は円盤商法を蛇蝎の如く忌み嫌っているので(その理由を書き出すともう一本 note が必要になるのでここには書かない), 正に

『バカな! 円盤商法など! そんな罪深い堕落に手を染めろと言うのか!』

という心境である. しかし割とマジな話, 研究資料として必要だから, 今回の特典マンガだけ売り出して欲しい. 10万円くらいまでなら買っていい. ともかく, いくら「のんのんびより」や「雪下の誓い」を作った SILVER LINK. とはいえ, 金を出す価値の無いものに金を出すのは私の信条として無理なのである.

 だが, 如何に今回のアニメが嫌いな私でも流石に転売ヤーから特典マンガだけを購入するのは, それはそれで心が痛む. ある意味究極の二択. 

 ただ個人的に今回は, ``円盤商法''で小林大樹を休載させた(あるいは休んだところに仕事を入れさせた?)制作陣への怒りの方が遥かに強い. こんなピンポイントな転売ヤーが存在するとはとても思えんが, 存在するならば, そちらから買ってしまいたいのが正直な気持ちである.

 だが現実的には(そんなピンポイントなバイヤーは存在しないだろうし)``円盤商法''に屈し, 買って特典マンガだけ抜いてディスクの方は即売りか. ただディスクを捨てずに中古市場にそのまま流せば幾分値崩れに貢献できるから, ``円盤商法''に一矢くらいは報いることはできる気がする. そう考えるとこちらの方が転売ヤーから買うよりは幾分マシか.  

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