No.160 「ラグナクリムゾン」第70話備忘録

0. はじめに

 気付けば年を越えてしまった… とりあえず第71話が出る前に片す. ただし, 今回は情報量の多さも然りながら, まとめ方(区切り方)が難しい(書くのに手間取った(書く踏ん切りがなかなかつかなかった)大きな要因はコレ). 正直, 色々 limit は過ぎてしまったので, 作中の時系列と topics のバランスを適当に考えて, もうエイヤッでまとめる. 

1. 陽気と滅竜瞬穿

 太陽光と竜についての情報が開示されたようなので, それについていくつか. これについてはこれまでも何度も取り上げてきた. たとえば前回の備忘録

の「4. ルオシーの武」でも触れている. 要するに「気」の一種で, 「銀気」の変奏(?)のようなものだから, 竜にも何らかの効力があるという理屈のようである. ただ「銀気」は「外」から来たのに対し, 恐らく「陽気」は(それが太陽光に由来する「気」の類であると了解するならば)元から世界に存在していたものだと思われる.

 残りの「人気」はちょっと微妙な気がする. 元からあったような「気」(!?)もするが, ことによると「魔力」や「銀気」の発生以後に生れた可能性もあるかもしれない. 現段階では良くわからないが, ナニカの由来がある可能性については留意しておいた方がいいだろう. たとえば, 13巻の備忘録

https://note.com/shibushibuyanyan/n/ndc5030b4bbcd

で述べた「『』の閉じられていない聖典の記述」もそれに何か関係しているかもしれない(聖典の「銀気」についての記述の続きに「人気」や「陽気」の記述もあるのかもしれない). 

 で, 滅竜瞬穿ね. 要するに

「三相交流(!?)のメドローア」

という理解でいいのかな? 少なくとも描写は完全に某大賢者達のメドローアそのものである. ちなみに若干ゃこまいが, 未来ルオシーの滅竜瞬穿は天輪剣の輪っか(教えはどうなってんだ! 教えは!)の個数は6個なのに対し, ルオシーの滅竜瞬穿は(確認できる限りでは)4個なのはまだ未完成だからか? しかし, 未完成にも関わらず, バンコの永属不滅楽土をブチ抜いた上に, 3000倍狩竜閃以上の威力でティーナを消し飛ばしたわけなので, 威力は折り紙付きである. 

 ラグナはこれを使えるのだろうか. 「銀気」と「人気」は最初から融合してそうだから(でも狩竜閃は「銀気」を放出してぶつけるだけなんだよな. アレは「人気」は混ぜていない? 逆に混ぜていなくてあの威力?), あとは天輪剣みたいに使用する武器の属性, 性能次第ってこと? そうだとして, 仮に未来ラグナが滅竜瞬穿を使っていたとすると, その武器の詳細もそのうち出てくるかもしれない. 

2. 銀気全開とバンコ

 「もう加減する必要はないな」リベンジ. これをアルテマティア様にブチ込むつもりだったのか(あるいは世界を巻き戻す前に本当にブチ込んでいた?)… で, 永属不滅楽土を完全に停止させたら不意に骨の王バンコ(?)登場. ラグナは即座に迎撃態勢を取り, 狩竜双閃の構え. ここで気になるのは二つ. 一つはバンコのビジュアルが明らかになったこと. これで消去法で, 例の第17話以降ちょくちょくクリムゾンの回想に出てくるのが, (初代咆哮の王?)レクスでほぼ確定だろう. とすると, 第60話の回想と併せるとレクスを狩ったのはクリムゾンということになる(レクスとの関連で行くと, バンコはレクスの恋人(?)のようでもあるが…).

 もう一つはラグナがバンコの顔を知っていたこと. ということは前の世界でも似たような状況(遭遇した or 実際に狩った)が発生した, つまり大征伐はバンコまでは行けた(?)可能性が高いと思われる. 

3. ルオシーの家族

 もったいぶらずに単刀直入に. 前回の note でも触れたように, 「アリア(愛理亜)」つながりでルオシーがシグマリオ(志熊理央)の娘である可能性が浮上していたが, ``きりゅうくん''繋がりでほぼ確定であろう. 更に言うと, 親子のシルエット的にどうもルオシーの母親(つまりシグマリオの妻)がナサレナの可能性も出てきた(回想に出てくるちびルオシーのまる子的なおかっぱ頭もなんとなく愛理亜に似ているし, テンラン様に食べられてしまった志熊理央の奥さんも黒髪で少しナサレナに似ている気がする).

 というのも, 第64話の備忘録

https://note.com/shibushibuyanyan/n/n412846e19415?magazine_key=mebcebc981e06

の最後にハクレンについて

『もしかすると, ナサレナの暗殺術の師匠の可能性もあるかもしれない.』

と書いたように, ナサレナとハクレンには何らかの関係がありそうな気は以前からしていた. 加えて, ナサレナのスターリアへの接する態度も, 彼女が(同年代の娘持ちの)母親だと思うと得心がいく場面があったように思う. というわけで, 今回のシルエットの件を併せると, ナサレナがルオシーの母親である可能性はそれなりにあると思う(あとこまいがもう一点. ナサレナとルオシーは共に, ラグナが銀気創剣で投げた剣を掴むという描写の共通点もある).

 そうすると当然

「何故ナサレナがシグマリオの妻になっていたのか」

という疑問が浮かぶ. もしかしたら, それがレーゼに潜入する前の彼女の任務だったのかもしれない. つまり``妻子捨太朗''との婚姻関係まで含めた太陽神教のスパイである. ハクレンの娘, ないしは親族であれば実際そういった文字通りの決死の極秘重要任務(かの有名な漢の張騫をはじめ, そういうインテリジェンスも実在している)が任されていても不思議ではない. それが二重スパイ化してしまっている可能性も否定はできず, 更に太陽の聖人殺人事件にそれが絡んでいるかもしれない. そうだとすると未来ルオシーが, 重責を背負いながら, 『人類最後の英雄』であり続けたのもまた別の意味(贖罪)が出てくることになる. 

 そして第63話の時点

https://note.com/shibushibuyanyan/n/n0f34e6e8f019?magazine_key=mebcebc981e06

で予想していたとはいえ, ラグナの回想からやはり未来ルオシーも死亡していたことが判明した. 同時に未来ルオシーが未来ラグナにとっての「大切な人」だったことも(年齢的にレオに近いので「もしレオが生きていれば…」と重ねる部分もあったかもしれない)... あとやっぱりハクレンは(ラグナの強さをみたルオシーが「あなたにだって負けないくらい…」と言うほどに)強いらしい. 滅竜瞬穿も使えない(?)はずなのに, ちょっと信じられないが…

4. ``きりゅうくん''

 で, ``きりゅうくん''. いや, そりゃ「9秒の死闘」があったから当然予測してましたよ, 「ラグナクリムゾン」(自称)専門家の私は「``きりゅうくん''乱入展開」を. でも, その展開が私の想像より1, 2話はやい. というか, 最近小林大樹のテンポがめっちゃはやい. 4年前にオルトタラ戦でやきもきしていた頃がウソのようにはやい. はやすぎて, ``きりゅうくん''のシルエットの伏線を次話に跨がず回収されてしまい, 考察したり, 反応する暇さえ与えてもらえない. ああ, でもそういえば「9秒の死闘」でウォルテカムイが乱入してきたときも確か2話掲載の不意打ちかましてきたよな, 彼は. 今回もボリュームが多かったし, あえてテンポというか, 間を外されて不意打ちをかまされた感じがする(おのれ! 小林大樹!!). 

 で, ``きりゅうくん''. 想像通りめっちゃ強い. いや, もちろんラグナも十二分に強いですよ. 直前までルオシーを抱きかかえていながら, 咄嗟に左手で``きりゅうくん''の攻撃を防御して, 右手のカウンターで刺しに行ってるわけだから(多分, ルオシーを抱いていなければ, ``きりゅうくん''の不意打ちに対しても, 完璧なカウンターで迎撃できただろう. それが有効打になったか否かは別にしても). で, 吹っ飛ばされた直後即反転攻勢し, ルオシーに気を取られていたとはいえ, ヒットするまで``きりゅうくん''に気配を悟られることなく, ドロップキックをブチかまして吹っ飛びかえしている. 

 「ラグナクリムゾン」だけでなく, 最近の「はじめの一歩」理論や, 「我間乱」理論的基準でも十分強い. 強いのだが, ``きりゅうくん''がそれ以上にバケモノ的に強い. 少なくともこの時点でウォルテカムイより強い, というか硬い(雷神闘法と比べるとわからんけど). 多分, ウォルテカムイだったら, 今のラグナのドロップキックを喰らった時点で体が消し飛んでいるが, ``きりゅうくん''は顔が少し顔が凍っただけ.

 こりゃあ… マズイねぇ… ラグナも最初から「時間を稼ぐ」と言っている(「狩る」とは言っていない)ように, もしかしたら未来ラグナも``きりゅうくん''には勝てなかった可能性も十分ある. それこそ「狩竜双閃」で光の速度の連撃を叩きこんでも, 武器が不完全な今のラグナではダメかもしれない. 

5. 今後の予測

 小林大樹のテンポがはやいので, こちらもそれに併せて予測のテンポをあげる. 下手にフライングすると, アッサリ外れるからこういうのは割と慎重にした方がいいと思うが, 今はそれでは1話先でも間に合わなさそうなので, とりあえずこちらも少し無理して先読みをしてみる. 

 端的に言えば, 今のラグナに``きりゅうくん''はどうにもできない. で, その危機を脱する鍵は, 恐らくこれまで何も仕事をしていないキメラもといフェルビゴートである(その他に現状打開できるコマがない). もちろんこれは``きりゅうくん''やシグマリオにクリムゾンの暗躍を悟られてしまうかなりの悪手であるが, 今回の``きりゅうくん''の乱入はクリムゾンがその悪手の決断を迫られるほどの危機的状況になると予想する. つまりクリムゾンが自身の秘匿の優位性を捨ててまで, ラグナを助けることに価値を見出すか否かが物語の焦点になると思われる. 一応, アメン or 太陽神教の適当な管轄域まで何らかの方法で逃げられれば, 世界魔法の手順の都合で``きりゅうくん''が手出しできなくなる(つまり``きりゅうくん''を倒す必要はない)というわかりやすいミッションクリアの規準があるので, そこまでの時間をなんとか稼ぐ感じか. 

 実際メタ的に考えれば, 物語のどこかの段階でシグマリオやテンラン達がクリムゾンの存在に気付くだろうから, それがどのタイミングになるかというだけの問題である. そういったメタ的事情と今後の物語の展開のしやすさ等を併せて考えると, 今このタイミングでクリムゾンの存在が open になるのはそう悪くはないだろう(そちらの方が今後世界観や設定の説明が色々しやすくなる). 

この記事が参加している募集

#マンガ感想文

20,138件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?