記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。

No.148 「ラグナクリムゾン」13巻備忘録

1. はじめに

 第69話の備忘録の Appendix に書くつもりだったが, 別件(件の重力3000倍の大気圏の高さの計算. 真偽は別に, 計算自体は simple だが結構面白かったのでまとめてみた)でそちらの Appendix が長くなってしまったので, 13巻の備忘録は別にまとめる.

2. 表紙裏話より

 まずテンラン様. 

「いつからこのマンガが1つにつき10巻以上かけて6つの血族を順番に潰していく構成だと錯覚していた?」

いや, 私は「錯覚」してないよ, 小林大樹. 嘘だと思うなら, たとえば1年半前に私が書いた, ギルゼア様が初登場した第53話備忘録の Section 4「ギルゼアから予想する今後の展開」

に目を通して欲しい. それ以後も何度も書いているが, 漫画的テンポや小林大樹の設計思想を考えれば, そんな「出来損ないのワンピース」(念のために申し添えるが, 「ワンピース」そのものを「出来損ない」と言っているわけではない)のような構成には絶対にしないと思っていた. 

 また, 細かいことだが, 愛染構文の使い方が間違っている. あれは否定の錯覚(「使っていない」と錯覚していた?)なので, この場合に使うなら, たとえば

「いつからこのマンガが6つの血族が順番通りにしか出てこないと錯覚していた?」

といった具合になる. 

 まぁ, これらは些末なことで, 重要なのは

「超初期の段階だとこのテンランが最初のボスのはずだった」

の方. 確かにアルテマティア様みたいなタイプは一番手に持ってきたというのも珍しいとは思っていたのだが, こういう事情があったとは.

 名前は以前にも言ったように, 太陽神教(アメン, アテン, アマテラス)に対して, (月鱗竜だし)ツクヨミ的な意味があると思っていたのだが, そんなに意味はないのかな. あと, ホアンさんって誰だ? まぁ, 黄の Chinese 読みなんだろうが, 銀英伝のホアン・ルイ(ホワン・ルイ)が思い浮かんだ(ホアンって最後どうなったんだっけ?). 

 また

『作中の「強さに拘りがないくせに強いキャラランキング」1位』

とのことだが, これはどうなのか. たとえばラグナやウォルテカムイは強さに凄くこだわりがありそうだけど, ギルゼア様はどうなのか? 拘りがありそうな気もするし, そうでない気もする. 仮に後者だとすると, テンラン様はギルゼア様より強いことになるが, 流石にそれはないだろうから, 逆説的にギルゼア様は「強さに拘りがある」ことがわかる. 実際, 遠距離戦はともかくある程度の近接戦になったらやはりギルゼア様の方が強そうな気がする(``桐生君''とはどちらが強いんだろう). 

 次いで妻子捨太郎. 表紙裏の小林大樹は, ヒラコーというか, ヨコオタロウというか, 「計算された道化」として振舞っている感じがするから, サラッと重要情報を open にすることが間々あるように思う. 実際, ネビュリムについてはそうだった. だから, 志熊理央が「自分の血族も捨ててる」というのは恐らく本当なのだろう. 最悪, コイツはテンラン様や世界魔法にさえ, 執着の無い麻婆神父系竜王な気がする. ただ, どこぞの愉悦部神父は

「う~ん, 殴りたい」

とは思わない不思議. 確かに彼は「助けた者が女ならば殺すな. 目の前で死なれるのは, 中々に応えるぞ」とも言っているから, 妻子捨太郎とは違うのだろう. 

 で, 中間管理職バグラム. 彼も『太陽神教編』じゃなく『咆哮の血族編』だったら, 中間管理職ではなく, 王で居られたのだろうか. 実際, 複数の血族を動かそうとすると, 彼が王ではなく中間管理職が居てくれた方が動かしやすいことは容易に想像できる. 

 「来ちゃった☆」骨の王はシカトして, エアメガネくいっについて触れるが, これも既に第65話備忘録 Section 4 「クリムゾン様関連 --誤植(?)とスマホ(?)と会談相手--」

でアイクだと予言し, その理由も

『もっとメタ的(漫画論的)に言えば, ここで既知のキャラ以外の未知のキャラを不用意に出すのは, テンポも悪くなるし, 最近の展開の情報処理的にもちょっと読み手の負荷が大きくなりすぎる. 小林大樹は恐らくそういう愚は犯すまい.』

と述べていて, その通りであるという裏付けが取れたということになる.

 最後にニム・ハムニム. イェイ(遺影)! この初期の「我間乱」の如き, サッと現れてサッと消えていく, この感じがいいんだ. やはりよくわかってるな, 小林大樹は. 逆に最近の中丸ぁぁぁぁんんに正にこの初心を思い出して欲しいんだけど…

3. 直っていない誤植(?)より

 第65話と第68話の備忘録で2つ誤植に言及した. 一つは第65話のラグナがクリムゾンを「クリシュ・ヴァイス」ではなく, 「クリシュ・ウァイス」と呼んでいた点. これはたとえば

『銀装兵団の前で名乗った名が「ヴァイス」で, 太陽神教で動くときはそこから足が付かないように「ウァイス」と名乗っている』

という解釈なのかもしれない. この解釈で何が問題なのかというと, この時クリムゾン様は恐らくアイクと面談中だったことである. つまり

『アイクの前では以前名乗った「クリシュ・ヴァイス」でないとマズイのではないか?』

ということである. これはスマホ(?)の通話のラグナの声がアイクに届いていないから問題ないということなのだろうか. 

 もう一つは前回第68話の備忘録で言及した


聖典にはこう記されています
『遥か昔 偉大なる主が竜を滅ぼすために宙より銀の星を降らせた』
『輝く奇跡 銀彗星』
『翼の王・咆哮の王が滅せられ 骨の王が封じられた』
『それより以降 世界各地より竜を凍らせる気を発する金属が出土するようになった
これすなわち神銀(しんぎん)
主が人にお与えになった滅竜の武器である
(注:ここの括弧』が閉じられていないのは誤植? それとも誤植ではなく, 聖典にまだこの節の続きが何かあるということを示す伏線? 後で単行本収録時の修正状況により判断すべし)

の注で述べたことである. 結果, 単行本収録時でもこの括弧』は閉じられていなかった. ということは私が述べたように

聖典にまだこの節の続きが何かあるということを示す伏線?

と解釈すべきか? まだなんとも判断ができない. 

4. 愛理亜とアリアについて

 これは第69話にも関係することではあるが, 気になるのでここで簡単に触れる. それは件の妻子捨太郎の娘の名が愛理亜であり, 第69話でラピが口にした名もアリアなのである. これらには何か関係はあるのか?  とすると, ルオシーとシグマリオに何か関係があることになるが, どうなるのか? まさか父親なのか? とすると, リ・ハクレンの娘が母親ってこと? この辺, どうなんだろう.

5. その他

 以前の備忘録を書いて時点では気付かなかったことを一つ述べる. それは第65話のマリオネッタとスライムのやりとり

「あなたがワタクシと同じ高度なテクノロジーで生み出された存在だということが!」

における

「ワタクシと同じ高度なテクノロジー」

である. これは旧文明のロストテクノロジーだと思っていたのだが, その後のスライムの

「たしかにボクは人も竜もこえし超生命体でしゅ」

と併せて考えると, この「同じ」というのは単に旧文明のロストテクノロジーではなく

「クリムゾン様と同じ竜王の技術」

ということではないか? そもそもマリオネッタがロボット( or 機械生命体?) だったとして, それを誰が作ったか(メンテしているか)については何も明らかになっていない. 私は名前の類似性からマリオネッタとシグマリオの関連を考えているが(安直すぎて流石にない気もするのだが), その一つの傍証になるかもしれない.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?