記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。

No.119 「ラグナクリムゾン」第65話備忘録

意外とこまい topics が満載でみかけ以上にボリューミーだった今月の「ラグナクリムゾン」の備忘録を, 各関連項目ごとにまとめる(なんか最近凄く重い. 備忘録をまとめるのも大変. ちょっと気合が入りすぎなんじゃない?).

1. あらすじ紹介の変更関連  --タイトルと誤植?--

 まず物語冒頭のあらすじ紹介が「翼の血族編」から「太陽神教編」に変わった. これは12巻の裏の煽りでも使われていたので, 「ラグナクリムゾン」第二部の正式名称はこれで決まりだろう. これについては私も第60話備忘録

の時点でちゃんと予想しているので, 一応予想が当たったことになる(まぁ, レオとギルゼアの件といい, たまには当てないとこっちも立つ瀬がないですから). ちなみに上述した時点での私の予想では「ラグナクリムゾン」は

第一部「翼の血族編」
第二部「太陽神教編」
第三部「旧世界編」
第四部「神狩り編」


の四部構成になっている(これは当たるだろうか). 

 で, 登場人物紹介の更新されているのだが, 言実竜が作中(12巻でも)では

「バグラム」

になっているのだが, ここでは

「バグナム」

になっている. 単行本も既に「バグラム」になっているから「バグナム」の方が誤植だとは思うのだが, 私は件の

「狩竜閃(がりゅうせん)」事件(初出時は``かりゅうせん''読みだったのに, 後に``がりゅうせん''読みに変更され著しい混乱をきたした大事件)

を忘れてはいないから次回修正されるまでは安心できない. そもそもこのあらすじに関しては恐らく小林大樹は感知しておらず, 編集部の方で勝手に作っているだろうから, こういう変な誤植があってもおかしくはない. まぁ, 私も似たようなことを某出版社の某編集部にヤられた経験もあるから, これに関しては素直に同情する. 

2. 銀気闘法関連 --基本性質とその変奏--

 いくつかあるが思いつくままに. まずは銀気闘法について. 今回のラプテリカ戦でのラグナの

「銀気闘法無しだと強過ぎるんだけど
有りだと殺しちゃいそうなんだよな…」

と以前の描写(特にウォルテカムイ戦)から明らかになったのは

「銀気闘法は単なる対魔力の抑止, 無効化の手段だけではなく, 界王拳や超化のように基礎戦闘力そのものをハネ上げる」

ということである. 無論これまでもそうだとは思っていたが, 何気にちゃんとした確証は取れていなかったのではないか(少なくとも私は断言はできなかった).
 
 これで銀気闘法の重要性が再認識されただけでなく武器の重要性もわかる. 喩えるならば聖闘士のクロスのようなもので, 使用する武器によっては, ブロンズよりシルバー, シルバーよりゴールド, ゴールドよりゴッドが強くなるということである. 更に言うならば, もしかしたら銀気闘法自体もそれに併せて呼称を変えてくる展開もありうるか. 流石に小林大樹が「聖闘士星矢」の安直なパクリみたいなクラスチェンジはさせないとは思うが, たとえば翼の血族(アルテマティア)の血が入っていることから,

『ラグナは銀気だけでなく, 実は魔力も扱えて, 銀気と魔力という相反する2つの力の同時使用(当然リスクも伴う)による限界突破をする(名付けるならば「銀魔闘法」といったところか)』

なんてな展開は, 対ギルゼア戦, 対神狩り戦ではあるかもしれない. というより(コウ・テンラン関連で)後述するように既に

「相反する2つの力の同時使用」

と思しき描写(?)はされているので, それに準ずる展開は予想をしておいて然るべきなのである.

3. 竜の聖女関連  --ラプテリカの強さと竜化率100%の謎--


 他方, 以上の描写からラプテリカの強さも明らかになる. まずスターリアの銀剣に銀気を込めた状態だったとはいえ, 

a) 銀気闘法を封じ, かつアルテマティア戦明け, かつ完全には死神ラグナの力を取り戻してはいなかった状態のラグナ

が大体タラテクトラと互角(なんならラグナやや優勢)だった. ラプテリカ戦はスターリアの銀彗剣(不完全版? 「るろ剣」で言う銀彗剣影打といったとことか)の欠片に銀気を込めて, 

b) 銀気闘法を封じてはいるが, 完全に死神ラグナの力を取り戻して(未来の俺よりも強い!), 全快状態のラグナ

が「強過ぎる」と言っているのである. 無論, 狩る気で行くなら話は別かもしれないが, 少なくとも狩らずに(クリムゾンに「殺さない程度に遊んでやれ」と言われている)無力化するには銀気闘法無しでは厳しいくらいには強いのだ. ということは(流石に銀気闘法を解放したタラテクトラの最後の自爆のシーンは別にしても)

「ラプテリカ(竜化率40%)は少なくともタラテクトラと同等程度(以上)の力はある」

とみて良いと思う(ある意味ではフーの上位互換にあたる?). それでも(雷神戦)ウォルテカムイと何度も戦り合って

「いつもボロ負けだった」

というから同時に, 今のラグナとの戦闘力の差もわかるわけである.

 ちなみに

「ラプテリカが竜化率100%になれない」

のは「お約束」(元に戻れなくなる, 敵になる)ってことでいいのだろうか? 言い換えると将来的に100%になってしまうような悲劇的展開(「CLAYMORE」思い出すわ. アッチももう一回アニメリメイクして最後まで行ってくれないかな. ああ, もちろんクレアは桑島法子, テレサは朴璐美, プリシラは久川綾のままで)のフラグが立っているわけで,

「相変わらず小林大樹先生は容赦が無いな」

と思うが, 同時に「CLAYMORE」のアナロジーで推察するならば,

「実は竜王の起源の伏線」

でもあるような気がする(「CLAYMORE」では覚醒者や深淵の者). つまり

「かつてラプテリカのような高い魔力適正がある者が, 竜化率100%になって``覚醒''してしまった``なれの果て''が, 初代竜王達の起源(の一つ)ではないか」

ということである(その事情を恐らくは知らないラプテリカが, 彼女のその明るさと相俟って, こう「まどマギ」的な悲劇的展開を予感させる). この辺は第二部太陽神教編の後の第三部旧世界編(仮)で明かされるかもしれない. 

 更に言うとそも魔力や

「高い魔力適正のある者が竜化する」

という超常現象そのものについても考察ができるが, それは「ラグナクリムゾン」の世界の根幹に関わる事情なので, 機会があればまた稿を改めて論じたい. 

4. クリムゾン様関連  --誤植(?)とスマホ(?)と会談相手--


 こまいがクリムゾン様関連でいくつか. まずクリムゾン様の「名前」が

「クリシュ・ヴァイス」

から

「クリシュ・ウァイス」

に変わっている. これは誤植なのか, それとも別の偽名なのかどちらなのか? まぁ, これは次回以降にクリムゾン様が出てくれば, 判明するだろうからそんなに深刻に考えなくてもよいのかもしれない. 

 ついでに言っておくと, あの例のスマホ(?)みたいな奴が旧文明の遺産ではなく, 網の聖人ギュスター・ノアの能力だったことに驚いた. つまり技術が失われた分を異能で補っているということか. だとしたらそれは何の異能? 電波でやり取りするのではなく, 音波を直接送っている? 

 もう一つ, ラグナがこれに驚いているのも不思議といえば不思議である. 何故ならばゼーレでラジオとか無線とか拡声器の描写はあったからである. その延長だと思えば(少なくともスマホの通話機能だけならば), 彼にとってそれほど変な道具でもないだろう.

 それを言うのであれば, そもそも未来で使わなかったのか. だとすれば,

「前の世界ではラグナはギュスター・ノアに接触する機会が無かった(その前に太陽神教は滅んでしまい, ギュスターも既に死亡していた?)」

という描写と解釈すべきか? こまいようだが, 件の「太陽の聖人殺人事件」の推理材料としては, こういうところも無視できない伏線描写であることは留意すべきであろう. 

 話すとクリムゾン様に戻すと(盗聴防止, すなわちギュスター・ノアの能力に干渉する力の方も気にはなるが, それは判断材料が乏しいのでここではこれ以上考えない), ラグナと通話中のクリムゾン様は誰かと会っているが, これは一体誰か. 

1)「クリシュ・ヴァイス(ウァイス?)」の名を明かしている相手であること
2) 見えている背格好

から推察すると, なんとなく太陽神教に合流してきた銀装兵団, 特にアイクあたりに見えるのだがどうか?

 実際, 展開的に考えるならば, ラグナやクリムゾン様がレオのその後の情報を得ようとすると, 必然ユゴさんあたりも合流してくる必要があるわけで, 銀装兵団との再会展開は今後十分あるだろう. 問題はそのタイミングだが, 結構最近の小林大樹はテンポがいいので今は出し惜しみせずにポンポン行く気がするのも, アイクと推察する理由である.

 もっとメタ的(漫画論的)に言えば, ここで既知のキャラ以外の未知のキャラを不用意に出すのは, テンポも悪くなるし, 最近の展開の情報処理的にもちょっと読み手の負荷が大きくなりすぎる. 小林大樹は恐らくそういう愚は犯すまい. 

5. コウ・テンラン関連  --令和530年と日本語と``テンランビーム''--


 以前第63話の備忘録

において

予想1:『太陽神教崩壊の原因となる太陽の聖人の殺害には, 眼の血族(シグマリオ)が絡んでくる. つまり「ラグナクリムゾン」第二部は

ゲヘナ攻略で咆哮の血族

と,

太陽の聖人殺害阻止で眼の血族

と戦うという二つの血族との戦いが同時並行する形になる.』

という予想を述べた. が, 思いがけずいきなりここに(しかもまだ眼の血族が出てきてないのに…)鱗の血族緊急参戦. マジかよ... まさか,

「テンラン様が暇潰しにテンランビーム一発だけブッ放って何の説明もなく終わり」

ってことはないだろうから, 次号以降, この事件にプラスして何某かの情報が open になるものと思う. 

 というより, もうすでに

「令和530年」

という驚愕の新情報が明らかになっているのである. この令和が我々の知っている令和と仮定するならば, 令和530年とはすなわち

西暦 2019 + 530 - 1 = 2548 年

なのである. 作中の太陽暦は今 498 年だから,

「令和は太陽暦も古いこと」

及び

西暦 2548 - 498 + 1 = 2051 年

あるいは

令和 2051 - 2019 + 1 = 33 年

が太陽暦元年であることもわかる.

 以上は, 令和についての仮定を除けば, 単純な算数なので事実である. それを踏まえた上で私の推察をまとめるとそれは以下のようになる. 

『太陽暦が太陽神教と何らかの関り(たとえば設立)があるとして, 旧世界の崩壊(ヨコオワールド(DOD)に倣って, この event を「大厄災」と呼称) は恐らくその前, 令和30年あたり(これも一応平成も30年までだったことに準拠している). 

 仮に一世一元制がその時代でも通じていたとすると, 令和30年までは比較的平穏無事. が, この辺りを境に「大厄災」が起きたが, 少なくとも日本は``見かけ''はそれを逃れた』

ここでいう``見かけ''とは

『実質はその頃を境に竜に支配されてしまっている(「大厄災」は起きている)のだが, 表面上はそれに気付いておらず, 社会崩壊は起きていない』

ということである. 根拠は現段階で二つ. 一つは令和という元号が残っている点. もう一つは日本の描写が「ラグナクリムゾン」の世界観ではかなり異質に思えるほどに我々の日常描写に近い点である.

 それと関連してもう一つ, これは非常にあいまいかつメタ的な話になるのだが, 「ラグナクリムゾン」の世界の言語に関してである. 実は私はずっと前から

『「ラグナクリムゾン」の世界の言語は何か?』

ということを疑問に思っていた. メタ的に「ラグナクリムゾン」は日本の漫画なので, 必然的にあの世界の言語が日本語に翻訳されて, 我々は読んでいるものだと無意識に思い込んでいるのだが, 実はそれでは説明がつかない場面や描写が存在するのである. 
 最初に疑問に思ったきっかけは

「スターリアの呼称」

である. 彼女には様々な呼称が存在する. 曰く

「銀器姫 または銀気姫 または銀輝姫」

と. これは第17話銀器姫におけるクリムゾンの独白なのだが, おわかりいただけるだろうか. 

「これは言語が日本語でなければ成立しない呼称」

なのだ. 同じ漢字を使う Chinese でも, 恐らく漢字の音と読みが異なるので無理であろう. では, 一体彼らは何語を使い, 何の文字を使っているのか? 言語については確認しようがないのだが, ここでもう一つ不思議なことに気付く. すなわち

「これまで「ラグナクリムゾン」の世界で使われている文字の描写が一切ない」

のである. 殆ど唯一と言ってよい文字の描写が正に呼称で, スターリア(ぎんきひめ)もそうなのだが, 竜王の呼称に関しても

天翼竜, 不滅竜, 盲目竜, 月鱗竜

あたりは良いとしても(たとえば英訳可能であってとしても)

言実竜(げんじつりゅう), 殺尽竜(さつじんりゅう)

のように, どう考えても文字が日本語でないと説明がつかない(翻訳不可能)ケースがある. 更に言実竜に関してはその能力(消えてナくなれ)も, 言語が日本語でないと説明できないのではないか. 

 これが今まで大きな謎だったのだが, 今回のコウ・テンランの令和530年の描写で, この事象に関する以下の仮説が立てられた. 

『日本だけが, みかけ「大厄災」を逃れ, 文明を維持することに成功した. それ以外の旧文明は令和30年前後に全て滅んでしまい, 世界の文化, 文明は一度リセットされ, 日本語が共通言語として使われている』

つまり

『「文字が作中に現れない」ということ自体が「ラグナクリムゾン」の世界観に関わる重要な伏線で, 今まではそれが「呼称」という形で断片的に提示されるのみであったのだが, コウ・テンラン関連の情報としていよいよ open になる段階にきた』

ということである. ここはアニメ化の際の一つの注目点で, もしアニメ化されても文字(つまり日本語)が現れる描写を注意深く避けているようならば(そのような指示が制作陣になされているならば), この仮説の信憑性は高まるだろう. 

 これはなんというか如何にも小林大樹が好きそうな伏線の張り方であるが, もしこの仮説で彼に読み勝てたなら,

「小林大樹に一矢以上報いた」

と言い張っても流石に文句はあるまい. 

 日本関連の topics にいささか紙数を割きすぎたので, テンラン様自身に話を戻す. まず性別は女性. これも以前から言っているように私は「竜王は基本全て女性」という予想(この予想の根拠は, 私の想像する小林大樹の「趣味」及び「CLAYMORE」との類似性, あとは「まどマギ」で魔法少女, 魔女しか出ない理由といったもの. つまり女性の方が男性より竜王適性が高いということ)を立てているので, その意味ではちゃんと当たっているのだが, そうすると「言実竜バグラムもやはり女性なのではないか」という気がしてくる. となるとCV. 緒方恵美か, 皆川純子か…(セーラーウラヌスかな?).
 雰囲気としては「物語シリーズ」の「忍野忍」(もといハートアンダーブレード)っぽい感じはする(そうなると必然 CV. 坂本真綾になる)のだが, あの

「片足だけ履いている」

という特徴的なビジュアルは何か見覚えがあるのだが, どうしても思い出せない. ああいう極端な非対称な感じは「禁書」の神裂火織も連想したが(つまり CV. 伊藤静もいい), もっと何かドンピシャリなキャラが10年か, 20年前に居たような気がするのだが, 思い出せない. 歳は取りたくないものである. 

 まぁ, それは余り本質的ではないので措くとして, 問題は件のテンランビーム(仮)である. 疑問なのはラグナ(?)の

「これは… 太陽光!?」

というセリフ. まずこれはテンランビームに対して言ったのか, それともそれを防いだ太陽の聖者のバリア(?)の方に対して言ったのか? その後に陽気壁陣でテンランビームを吸収しているような描写(集光・貯蓄量100%超)と太陽の聖者の「こちらを利する」発言からわかるように多分, テンランビームが太陽光なのだと思われる. だとすると, テンラン様は本来竜の弱点であるはずの太陽光を扱えることになる(まぁ, わかってはいたよ. いつかはそういうカーズ様タイプの敵も出てくるって). 

 というより,

「銀気は凍らせ, 太陽光は焼く」

という事実は述べられていても, 魔力を凍らせる銀気に対し, そもそも

「何故太陽光が竜の弱点なのか」

ということに対しては説明がなされていない点も改めて気になってくる. 太陽光も, 銀気と同様に魔力に対して何か作用するのか? それとも魔力以外に竜特有の何かに対して作用するのか? 前者は多分ない. そうであるとすれば, 同じく魔力持ちの魔法士やそれこそラプテリカが太陽光の下で活動できることが説明できない. となると後者だが, そのうまい説明は今のところ思いつかない. 

 あとこまいようだが, テンラン様は月鱗竜なので, 

「竜は太陽光ではなく月光(太陽の反射光)はどうなのか」

も気になる. これは以前にトロワ君達が月光下で活動できていたので恐らく平気なのだと思うが, もしかしたらテンラン様が太陽光を扱える(?)理由もこの辺かもしれない. たとえば

「太陽光ではなく月光を増幅して使っている」

あるいは

「月光を太陽光に変換している」

あたりが妥当かな. そのプロセスで魔力を使っているのか, 否かも気になる. 

 またジョジョ流な解釈で行けばオーバードライブだから, 銀気とは別に, 「波紋」に相当するような竜に対抗する力, 手段があることを意味する. この場合, テンラン様は魔力と「波紋」の両方を使える可能性があるわけで, ラグナ側も銀気と「波紋」か, もしくは前述したような銀気と魔力の併せ技(銀魔闘法)の出番もあるかもしれない. 

 あとテンランビームに関して言うと, テンラン様が日本からどっち向きにビームを打ったのかも気になった. 作中では太陽神教側から遡って行ってテンラン様側に遡るとすると, アメリカ側, つまり東側に打ったように思えたのだが合ってるだろうか? 人工衛星もそうだが地球の自転(西から東)的には東向きに打つのが正解で, テンランビームもそれ準拠なので得心がいく(逆に西向きだと変な気がする). 逆にこれから「大厄災」後も地球の自転には変化がないことが推察できる.
 尤も, これについては以前ギルゼア様が

「太陽が東から昇り 西へ沈むかの如く 絶対」

とおっしゃっていたので, その時点でわかっていたといえばわかっていたのだが, 地球の自転に拘るのは, たとえば「NieR」の世界のように未来の地球が舞台でも, 自転もおかしくなっているケースもあるからである.  

 ちなみにマジメな話, 実際の太陽光と月光ってどれくらいスペクトルが違うのか私は知らない. 当たり前だが, 月光もスペクトル分解すると虹は出る(見られる)から非常に似てることは間違いないが, 多分適当な励起(冷気!!)の輝線(Hαとか)は消えちゃいそうな気がする(実際, 同じく太陽光を反射している惑星のスペクトルには現れないし). 

6. 小林大樹関連  --最近の傾向--

 最近の「ラグナクリムゾン」の傾向として, 見かけはテンポよく, サッサッと進んでいるように見えて(実際量的にも, 秋のアニメ放映に併せて13巻を発売するペースの仕事をしている), その実, 物凄く重い. これは最近の私の「ラグナクリムゾン」備忘録を眺めても, 文字通り一目瞭然なのだが, こっちも軽く書き上げているつもりが思いがけず物凄く重く, 長くなることがあって, (嬉しい?)悲鳴を上げることが多い. 
 勿論, 読みごたえがあって誠に結構なことではあるのだが, なんというかそれだけでなく, 単に重いだけではなく, 物凄く気合が入っている気がする. 恐らくこれも理由はいくつかある. 一つは無論秋からのアニメ化なのだろうが, 物語の phase 的にも小林大樹の気合が入る時期なのだと思う. たとえば前から何遍も強調して書いているが, 小林大樹は派手なバトル描写がクローズアップされがちだが, 私は寧ろ彼の世界観の構築や物語の展開の仕方の方にこそ, 真骨頂を感じている. だから, ド派手な最終決戦的な場面よりも, 今のような新章序盤で物語を広げていく段階の方が描きやすいのだ(向いているのだ)と思う.

 まぁ,

「話は広げるよりも, 畳む方が遥かに難しい」

ワケなので, 小林大樹に限らず, 「須らく漫画家は序盤の展開の方が活き活きしている」というのはある種の一般論だが, それでも今の「ラグナクリムゾン」のように「未来に過去に, バトルにミステリーに」と, 文字通り縦横無尽に読者を``揺さぶってくる''手腕は一等見事というべきであろう.

 「翼の血族編」は広げて畳むのに延べ5年はかかったが, それでも綺麗に畳めた. 「太陽神教編」もできれば, 「翼の血族編」をアニメで放送して, その熱が冷めないうちに(綺麗に)完結できるペースを期待したいところだが, 流石に厳しいかな…


この記事が参加している募集

#マンガ感想文

20,138件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?