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No.107 「ラグナクリムゾン」第64話備忘録

 意外と盛沢山だったが, 今回はルオシー関連を中心に手短に(とか言って, 書いてみたら, 例によって今月もフツーに長くなっちゃった. 最近はコレばっかで困る). 

1. アニメ関連の情報について

 まず「AnimeJapan 2023」で出たらしい, アニメの続報関連で少し.

やっぱキャラデザのコレジャナイ感が消えないなぁ. レオやクリムゾン様もそうだが, アルテマティア様がすっげえむっちむっちに見えるのが気になる… こういうのが好きな人もいるのかもしれないけど, 作品的にはこうじゃないんだよなぁ… つまりアルテマティア様にエロスが出てはいけないんだよ. ある意味その対極で, どこまでも純白, 純粋で, どこまでも狂っていなければならない(キャラデザまでも清楚で清純であるがゆえに, その狂気がより際立つ)んだよ.

 まぁ, それだけ小林大樹のキャラデザが秀逸ってことなんだけどさ. 個人的には, 葦原大介もそうだが,

「女性キャラのデザインが物凄く綺麗 or かわいいのに, エロスを (なんなら色気さえも!) 感じさせない」

というのは, 非常に完成度が高いと感じる. 実際, 漫画を情報処理媒体としてみる時に, それらの要素は大体ノイズ(不要な情報, 無論例外もある)にしかならない(ある層の読者を釣るのには役に立っても, 作品そのものの展開に関してはむしろ足かせになる)ので, 作品に自信があるならば, 最初からない方がよいのである.

 また

『真の意味でのエロスというのは静的(性的)な状態ではなく, 変化の動態』

なのでこれは多分, 漫画よりもアニメの方がより重要なことだと思う(たとえば普段は何でもない女性キャラが, ふとしたワンカットだけさり気無く唇を艶やかに描く, とかそんな感じ). そこらの「ゴミなろう」のアニメじゃあるまいし, まさかそんな「基本の基」もわかっとらん筈がないんだけど, なんか不安になってしまう.

 あとアニメ化の情報が出てから, 1年以上も経って, もう夏クールのアニメのラインナップも出そろおうか, というこの時期に至ってなお

「TVアニメ2023年放送予定!!」

とか言っちゃってる時点で「大丈夫かなぁ」と思う.

 いや, 「2023年放送予定!!」じゃないんだよ. もう夏か, 秋かあたりの放送の時期まで宣言できなきゃならん時期なんだよ. それがこの時期になって「2023年放送決定」どころか, まだ「2023年放送予定」(つまり状況によっては放送が来年以降になる可能性もある)ってヤバすぎるだろ. なんか, SILVER LINK. が巷間に伝わっている以上にヤバい気がして, 凄く不安になった.

 ぶっちゃけていえば, 私はこのままアニメがお蔵入りしてしまっても『一向に構わんッッ!!』のだが, せめて「地雷」にならないこと, 炎上しないこと(原作にとってマイナスにならないこと), ただそれだけを期待する. 

2. ラグナ関連の時系列とルオシー

 今月は表紙から飛ばしていて, ここで第33話「同類の匂い」の

『昔 誰かが言っていた 誰だったか クリムゾン? 違ったような』

の伏線を思いがけず回収. 思わず,

「ああッーー!! (そ….ッッ そうきたかァ~~~ッッッ, 小林大樹ッ!)」

と叫んでしまった. タネを明かされれば, 既に先月の時点で読めていなければいけない要素だった. 残念 (まだまだ「修行」が足らん).

 そして気になるのは未来ルオシーとラグナ関連の時系列, 具体的には銀気闘法の形成過程, との対応である. まず銀気闘法の形成過程を振り返ると, 以下のようになっている(ちなみにこの第1話「死神が生まれた日」のモノローグのシーンで既にルオシーのルーチンの描写がされているから, 最初期段階からルオシーの構想はあったものだと思われる) : 


そんな戦いを十年
いつしか銀剣はオレの一部であり オレこそが銀剣であるという認識が生まれる やがてそれは現実となった
腕と銀剣の境がなくなる 不気味な現象 でも竜を狩るのに不都合はない
身体が異常な激痛を訴えるが無視して戦い続ける

五年がたち銀剣と完全に融合 肉体そのものが銀器を発する武器となる

そこから三年 体内の銀気を増大させる術をあみ出し

四年 銀気を自在に操る術を身につける

人の領域を幾段も踏み越え さらなる高みへ
そして十年!
ついに最強の戦技が完成する

滅竜の極み 銀気闘法!

 ラグナの年数のカウントが厳密だと仮定すると, レオが死んだ太陽暦498年から出発して, 銀気闘法の完成の年月を計算すると

$$
\text{太陽暦} \quad 498 + 10 + 5 + 3 + 4 + 10 = 530 \quad \text{(年)}
$$

となる. 未来ルオシーとの描写は, そのやりとりをみるに, 今月の描写は既に銀剣との完全な融合を果たした後だが, 銀気闘法の完成前の模様である. 

 加えて,

1) 第63話ではラグナは『教わったのは主に気の扱い方だから…』と言っていた
2) 今月クリムゾンは『お前の言うリ・ルオシーが神教崩壊後に残存兵力をまとめあげた 『人類最後の英雄』であるならあの少女で合っている』と言っていた

といった情報を加味すると, 

一. 未来ルオシーのエピソードはラグナの銀剣融合後, すなわち

$$
\text{太陽暦} \quad 498 + 10 + 5 = 513 \quad \text{(年)}
$$

の後であり, 銀気のコントロールを身に着けた

$$
3 + 4 = 7 \quad \text{(年)}
$$

の間, つまり

$$
\text{太陽暦} \quad 513 \leq n \leq 520 \quad \text{(年)}
$$

とみるのが妥当である. 

二. ルオシーが『人類最後の英雄』になっているので, 既に

$$
\text{太陽暦} \quad 513 \leq n \leq 520 \quad \text{(年)}
$$

までの間に太陽神教は崩壊している.

ということは読み取れる. 無論, 実際にはそれより前の段階で既に崩壊していた(更に太陽の聖者はその前に暗殺されていた)かもしれない(一つ前の世界では銀装兵団はドルニーアに敗れ, レオも存在せず, 翼の血族も健在だから, 太陽神教にとっては良くない要素がより多いからである). 

 つまりルオシーが今 10 歳だとすると, あの白髪交じりの未来ルオシーは, 既に太陽神教が無くなった後の, 

$$
25 \leq n \leq 32 \quad \text{(歳)}
$$

ということになる(歳以上に老けて見えるようだから, 随分苦労したのだろう). これで前回の備忘録

のルオシー関連で述べた謎は解けたことになる.

3. 幼女ルオシーと未来ルオシーの描写より

 ラグナの時系列とは独立に, 幼女ルオシーと未来ルオシーの対照的な描写から読み取れることを述べる. まず幼女ルオシーは不老剣士リ・ハクレンの孫である. 実際, 単なる「師父」ではなく, 「おじいさま」とも呼んでいる. となるとその他の家族構成も気になるところである. それと関連してリ・ハクレンの「不老性」が遺伝的なものなのか(つまりルオシーにも受け継がれるものなのか), なんらかの後天的なものかも気になるが, これに関しては現段階では何も言えない. 

 次いで幼女ルオシーは太陽神教の敬虔な信者である. 他方, 未来ルオシーは, ラグナも気付かなかったように, 幼女ルオシーとは単に年齢以上に様々な点で異なっている. たとえば, 「酒」の扱い一つとっても, 決定的に異なっている. これは恐らく未来ルオシーが太陽神教とどこかで失望し, 決別したという間接描写でもあるのだろう. 未来ラグナとシンパシーを感じたのはそういう点もあったのだと思う. 

 最後に冒頭でも述べた

『昔 誰かが言っていた 誰だったか クリムゾン? 違ったような』

の行である. アレが未来ルオシーの発言であることは判明したが, 同時に

『未来ルオシーはどこでその情報を知ったのか』

という疑問が浮かぶ. というのも幼女ルオシーがどうもそのテのことを知っている気配が, 少なくとも今のところは, ないからである. 太陽神教の知識なのか? それとも未来ルオシーがまた別のナニカのルートから独自に仕入れたものなのか? その辺も「ラグナクリムゾン」の世界の根幹(太陽神教ともクリムゾンとも違うナニモノかが存在し, 介入している可能性?)と関連しているような気がするので, 注視しておいた方が良いと思う.

4. 牢獄, 機械, 竜の聖女達の能力

 おまけに最後に出てきた牢獄, 機械, 竜の聖女達の能力について一言ずつ. 

 まず牢獄の聖女 ニム・ハムニム (既に初出よりも影がなく, 綺麗に描写されている感じがする). これはわかりやすく

オリオリの実 + オペオペの実

であろう. つまり「空間置換の領域を檻を生成して指定する」という点では, 白井黒子やトラファルガー・ローよりも上位の能力である. ただ彼女は

『私が触れても死なないような殿方ならいいのだけど…』

とも言っていたので, 更に別の能力を持っている(あるいは空間置換や檻の生成能力よりも根源的なナニカを持っていて, 前者はその副産物?)といった可能性もある. 

 次いで機械の聖女 マリオネッタ. これは今のところよくわからん. 凄く素早く動けるところと, なんとなくラグナとの鬼ごっこを考えるとドラゴンボールの人造人間17号18号のような永久エネルギー炉内臓(スタミナ無尽蔵)系な気がする. 

 最後に竜の聖女 ラプテリカ. これは次号で色々明かされると思うが, こちらはなんとなくウォルテカムイ的な電撃系な感じはする. それ + 何らかの(合気的?)武技といった感じか. ただそれだとウォルテカムイの下位互換なだけで余り面白くないので, 小林大樹はもうちょい捻りを加えてくると思う. 

5. その他

 一応, ルオシーにも言及しておくと, 彼女はサウスポーという特色があり(リ・ハクレンは剣を左に差しているので恐らく右利き), 滅竜剣撃「滅竜閃」から推察するに

・ラグナの「狩竜閃」をはじめとした滅竜剣撃はルオシーから習ったもの?
・「滅竜閃」はサウスポーのアバンストラッシュ (呼称は飛天御剣流. 内実はアバン流刀殺法). より厳密には下から切り上げるギガストラッシュ? これに右利きのラグナがアバンストラッシュクロスを混ぜたのが, 件の「狩竜双閃」か?

といったことを思いつく. 

 ハクレンの方はよくわからんが, 滅竜の威力を限界まで上げていったラグナに対し, 気配を絶つ技巧派に振り切ったのがハクレンだろうか(だからラグナに難なく一撃(?)入れられた). もしかすると, ナサレナの暗殺術の師匠の可能性もあるかもしれない. 

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