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澁澤塾とわたし #1(前編)

法学部:Y.T.

身もふたもないことから始めるが、澁澤塾の存在を知ったのは随分と昔のことだったと思う。田舎の高校に通っていたわたしがInstagramのアカウントを初めて作成したころ、そして、一橋大学を具体的な進路先の一つとして考え始めたころ、それは両方重なっているのだが、ちょうどその時に認知していたのだと思う。もっとも、当時の自分が本当にこの大学に来るとは想像できなかったし、澁澤塾の運営に加わるとも全く考えられはしなかった。

運よく一橋にやって来れたわたしは、何を考えていたのだろう。やりたいことはそれなりにあったはずだし、出逢う人には本当に恵まれてきたと思う。もちろん多くの失敗も重ねてきたけれど。最初に、高校の時からやっていたことを続けようと思った。それ以外にも、せっかく東京にやって来て、田舎にいたときよりは優秀な人に出会えるのだから、そういうチャンスを掴もうと思った。選択肢は十分にある。学内のとある部活と、東京の”東の方”に本拠地をおく学生団体に入った。2022年の、5月のことだった。

大学生活をうまくこなすことは難しい。耳に胼胝ができるほど聴く話として、典型的な大学生は、「勉強」「恋愛」「サークル」「バイト」の4つのうち、ふたつまでしか同時にこなす(一定の水準をもってコミットする・集中的に行う)ことができないと言われている。わたしはどうだったか。一橋に来ただけの普通の人だった。語学の対面授業に行き、法学の授業はオンデマンドで受講する、Zoomで学生団体の会議に出る、たまに連絡ツール(Slack)を覗いて、面白そうな情報だけをつまみ食いする、そして何か自分から積極的に動くことはない、今振り返ればだいぶつまらない生活を送っていた。しかし、それは現実なのである。自分が他人よりも秀でた何かをもっていないこと、一橋にたまたま来ただけの、どこにでもいるような普通の人であること。そんな現実を抱えながら生きていた。

もちろん、ここまで自分の生活を悲観的に書く必要はないだろう。でも、野心のない自分でいられたわけがなかった。かといって、勉強の才能があるわけでもないし、自分でビジネスの勉強をするわけでもない。時間に追われているから、というのを言い訳にしてアルバイトをしたこともなかった。わたしは、苦労して上京してきたのに、「トウキョウ」という街を行く人間のone of themに過ぎないのだ。痛すぎる現実に気付いたのが、大学1年生の夏頃だったというだけの話である。

転機が訪れたのは、前述の学生団体を辞めた後のことだった。界隈の人は知っていることであるが、ある種の学生団体は2年生の途中で引退するよりないのだ。その時期が自分にもやってきた。いろんな大学生や社会人と関わることができて、楽しかった。色々な思い出がある。特に最後の半年は朝早くから夜中の3時くらいまで作業することもザラであった。そういう資源の使い方を実現できる組織への愛着は相当に大きなものとなる。しかし今となってはもう自分が情熱をもてる何かが失われてしまった。そんなときに、何をすべきか。

次にわたしがしたいことを見つけ出すには、自分で動くしかなかった。名前だけは知っていたけど、中身はよく知らなかった「澁澤塾」。1on1の申し込みフォームをXかInstagramかで探し出し、提出した。

≪後編へ続く。≫

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あとがき 連載「澁澤塾とわたし」について

今までのnote記事にも書かれてあるように、澁澤塾は何をやっているのかよく分からない、いわゆる「意識の高い人」が集まるコミュニティだとされてきました。

しかし、わたしたちだって、大学に行って授業を受けて、澁澤塾以外にも活動場所を持ち、サークルやバイト・就職活動など、多くの大学生が経験することを毎日楽しみながらやっています。

でも、そんな日常に変化がないと、つまらないな、と感じることがあるのではないでしょうか。その「ツマラナサ」をどうすれば「楽しさ」とか「わくわく感」に変えることができるのか、を澁澤塾は考えています。

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運営理念を体現した、澁澤塾からのメッセージ《Let’s design your college life》全文。

大学1年の春、一橋に合格したあなたはこれから始まる大学生活にわくわくしていたはずだ。勉強して、サークルに入って、アルバイトをして、充実した生活にしよう。誰しもが理想の生活を思い描いていただろう。
しかしながら、あなたはうっすらと気づいていないか? 理想化された大学生活に届いていないかもしれない――届けない――自分がいることに。
降り注ぐ課題、サークルでの雑用、窮屈な人間関係、迫りくる就活。私たちを苦しめるモノ・コト・ヒトは生活の各方面にある。
澁澤塾はそのようなしがらみからあなたを解放してくれる場所だ。なぜなら、私たちのコミュニティの強さは、各人がやりたいことを突き詰めていることにあるからだ。
コミュニティに所属するだけでなく、運営メンバーとして参画する手ももちろんある。団体の将来を見据え、仲間と議論し、他者を巻き込んで現状を変えていく。広報でも渉外でもコミュニティ運営でも組織運営でも、他では得難い体験がまっているはずだ。
1年生に限らず、2年生以上の上級生ももちろん歓迎する。一橋にいるとはいえ、同じ大学生活を歩むものは一人としていない。ぜひコミュニティに入り、あなたの経験を他の人に共有してみてほしい。あなたの話を聞いてくれる人が必ず待っている。聞きたい人がいる。聞いてくれる人がいる。
そうして澁澤塾から生まれた新たなつながりが、次の遊びになったり、プロジェクトになったりしていく。こうして私たちは「一橋から社会を盛り上げたい」と思っている。

大学生活に飽き飽きしている人がいるならば、ぜひ澁澤塾の扉を叩いてほしい。
私たちと一緒に「大学生活をデザインしよう」。

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