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腸で綱引き「昭和極道怪異聞ジンガイラ 仁我狗螺」【ホラー映画を毎日観る人】(339日目)

「昭和極道怪異聞ジンガイラ 仁我狗螺」(2014)
近藤啓二監督

◆あらすじ
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時は昭和の中頃。ある森の中、香具師•梓黒組の組員たちの元へ盃を交わした江州梅本一家のジントウと呪術師のサブロウタが訪れる。その森には今は無き梓黒組の親分が張った結界があり、ジントウたちはそれを解きに来たのだった。だが結界に足を踏み入れた瞬間、ジントウと梓黒組の組員二人が別次元に飛ばされてしまう。サブロウタ指示の元、ジントウは結界とパズルを解こうと奮闘する。しかしそこには侵入者を排除するために作られた人形“箱入り娘”がいたのだった。
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極道✖呪術✖謎解き

というニッチな層には思いっきり突き刺さるであろうぶっ飛んだ設定が非常に面白かったです。

映像を16ミリフィルムのように古めかしく加工したり、撮影場所を森の中だけにすることで低予算をカバーしているのも素晴らしいなと思いました。

あと呪術師のサブロウタが非常に印象的でした。

高東楓さんという方が演じていらっしゃいます。

コメディリリーフかつストーリーの進行においても重要なポジションを担っており、顔を布で隠しているため表情は見えないのになぜか表情豊かに思えるユーモラスたっぷりな動きや演技も作品にマッチしていました。

そして侵入者を排除する人形“箱入り娘”もすごく良いアイデアだなと思いました。

喋らないし無感情、そしてべらぼうに強い

というシンプルな設定なのですんなり入ってきます。

腸で綱引きをするシーンは必見です。

後半の“人形対人形”のカオスな展開もシュールで面白かったです。

ぶっ飛んだ設定には非常に好感が持てましたが説明不足で分からない部分も多々あり、作中に登場する名前や用語もクセが強すぎて覚えづらいです。
そもそもジンガイラって何なのかもよく分かりませんでした。

意図してやっているんだとは思いますが、別次元に飛ばされる時の金属音のような音が非常に不快でした。

飛ばされたジントウたちが頭痛や嘔吐するレベルなのでそれぐらいの不快音が鳴るのは仕方ないとは思いますが作中で何度も流れる音だったので正直すごいストレスになります。

何度も別次元に飛ばされたり、何も起こらないカットが多々あったりと少し尺稼ぎに見えてしまう部分も見受けられ、いっそのこと30分くらいの中編にしたほうがより作品の面白さが伝わるように感じました。

ところどころ粗が目立つ部分もありましたが斬新な設定とサブロウタや箱入り娘のキャラは魅力的でした。

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