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紅白/視聴率ばかり気にした無神経な演出でKpopダンスのBGM にされ、世界観が壊れたYOASOBIの『アイドル』

 年末に、一年を振り返る充実した音楽番組を作ることを放棄し、以前はジャニーズ依存、最近はKpop依存を続けてきた紅白だが、視聴率は良くならなかった。
 当然である。今や「止めることができず、戦力の逐次投入を続けながらボロボ
ロになって続けてきた太平洋戦争」末期のようになっているだから。もはやジャニーズやKpopを出そうが出すまいが同じことだ。
 
 それだけに、なりふり構わずKpopに依存した今年の惨状は象徴的だった。視聴率にばかりこだわるから、おかしなことになるのである。あんなにKpopグループを出すなら、もっと出てほしい日本人ミュージシャンがたくさんいる。

 後半に女性グループを録画で出したのも笑えたが、一番酷かったのはYOASOBIの『アイドル』だ。この歌はビルボードの世界チャートで1位になり、アメリカを含むチャートでも6位になった。Jpopにとって大切なヒット曲である。それをコラボの名の下に、KpopダンスのBGMにしてしまったのだから。

 映像と歌唱で作り上げた唯一無二の世界観を破壊し、いわばこの曲のアイデンティティそのものを無視したのである。がっかりした。公共放送なのに、日本のエンタメを大切にしようという気持ちがない。気にしているのは視聴率だけ。

 男女に分かれた歌合戦という形自体が化石だし、思い切った改革をするか、番組自体を終了させることを望む。上層部が昭和的な発想しかできなくて、ダラダラと続けているのかもしれないが、海外にいる日本人や二世三世もがっかりしているだろう。とても外国人には見せられない。恥ずかしくて。

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