【ライブ日記】Nothing's Carved In Stone "Wonderer Tour "@梅田CLUB QUATTRO 2021.7.5
ついにナッシングスのライブレポを書く!
1.前書き
Nothing's Carved In StoneのライブはゲストにAge Factoryを迎えた2019年11月の"By Your Side Tour"(@神戸VARIT)以来。
ワンマンライブに限ればなんと2018年の"Live on November 15th"まで遡る。
ずいぶん遠ざかってしまっただけに、配信じゃない生のナッシングを観れる喜びはひとしおだ。気合十分で挑んだ。
本公演は元々5月に開催予定だった分の振替日程で、さらに言うと私はチケットを確保していなかった。(先が読めない状況だったため)
6月に開催予定だったなんばハッチ公演の方は早々に購入済で、最後にワンマンに行った場所で再会なんてドラマチックだなぁなんて個人的に考えていた。
しかしこちらも延期・振替となり当初の思惑は外れることなる。
あと一歩のところで再度お預けを食らう形になり、これはもう行ける時に行っておかないと思い立ち、当初予定になかった梅田公演の方もチケット追加販売に飛びついた。
そんなわけで振替で予定が合わなくなった人には申し訳ないが、有難いことに大阪2公演に参加できることになった。
2.ライブ開始まで
当日は雨予報だったが曇りのまま降ることはなかった。
流石の晴れバンド。
梅田CLUB QUATTROはテナントビルの10階に位置しており、大阪駅からのアクセスは10分程度。
以前も訪れたライブハウスだが、改めて入場まで周囲をうろつくと、すぐ近くにコンビニや地下の飲食店街・トイレなどがあり買い足しや開演までの待機には事足りない場所だと感じた。(通行人の邪魔にならないよう配慮は必要)
これも開場30分前には到着していて、さらに分散入場でプラス30分も待つことになったため、あちこち見て回る他なかったためわかったことだったりする。
ビルに入れてからもフロアにたどり着くまでさらに時間を要し、だいたい開演10分ほど前に着席できた。
開演に間に合わなくなることはないとしても、待っている間はどうしても不安な気持ちになる。
(スタッフの文句とかでは一切ない。むしろ私がチケット確認でモタモタしてしまい申し訳なかった。)
整理番号は最後の方だったし、チケット再販にありつけただけで充分。
それでもPAブース横、ステージが十分見渡せる席(ギターのウブさん側)を確保できたのはライブ満足度を語る上で非常に大きかった。
椅子はカフェなんかにある足が長い、ちょっとした荷物なら下に潜り込ませておけるタイプ。
荷物とドリンクの位置をライブ中邪魔にならないようセットして開演を待つ。
♪Nothing’s Carved In Stone『Bloom in the Rain』
https://youtu.be/bgCnCn1Yzpw
3.セットリスト
4.本編メモ・感想など
定番のオープニングSE”Material Echo”で4人が登場する。
2階席だったが表情まで伺える距離。
本当に久しぶりに、一番大好きなバンドが目の前に現れてなんとも現実感がない。
拓さんは最近メイン格のレスポールカスタム、ウブさんはファイヤーバードを持ち、”Around the Clock”からスタート。中々珍しい一曲目ではないだろうか。
ファイヤーバードのアタック感でアラクロはたまらない。
以前行ったライブでは意識していなかったが、梅田クワトロの音場は空間に反響してリバーブがかかるというより、ドライな原音がダイレクトに客席に届く印象だった。どの音も非常にクリアに聴こえる。
小規模ライブハウスや大型ホールにはない魅力だろう。
好きなライブハウスがまた増えた。
楽器は持ち換えず2曲目の”Bloom in the Rain”へ。
去年から今年にかけてリリースされた最新4曲の内、個人的に唯一配信でも聴いていなかった曲だ。(Wondererはビバラロック配信で視聴)
4曲の中でも抜群の疾走感。生のライブまで我慢した甲斐があった。
そこからもMCは手短に、完成度の高い研ぎ澄まされた演奏のライブが続く。
ハンドクラップを要求する場面があっても、大音量ですぐかき消されてしまうのはある意味このバンドらしい光景。
ライブハウスで重低音の厚みを楽しみたかった”NEW HORIZON”は中々の破壊力だった。
次回のなんばハッチならどう違って聴こえるだろうか。
”Direction We Know”は思い切りジャンプできて楽しんだし、”Words That Bind Us”はテクニカルで緊張感のある演奏に聴き入った。
ツアーの他公演のセットリストを見ていないが、他に行った人からすると中々羨ましい攻めたセトリだったらしい。
見返すとたしかに濃い曲の連続だが、ライブはあっという間に過ぎていった感覚で、どんな激しい曲でももっと来いもっと来い!くらいの気分だった。
ツアータイトル曲の”Wonderer”や、”Mirror Ocean”のようにミドルテンポでじわじわ攻めてくる曲が多かったのも嬉しい限り。
こういう曲はナッシングス中期以降で強いジャンルだよね。
今夜のハイライトを一つ決めるなら、11曲目の”村雨の中で”。
興奮した序盤から気持ち的に少し落ち着いて、今日一日や日常のことなどが頭をよぎっていた時、ウブさんのアルペジオに乗せた拓さんの力強い歌声が染みた。
まだまだこれから、気持ち新たに頑張ろうと思えた。
♪Nothing’s Carved In Stone『Mirror Ocean』
https://youtu.be/jOkYZNGHKms
位置取りやメンバー4人についてだが、ウブさんの姿が常時ばっちり見える場所だったのは本当に幸運だった。
バッキングの力加減からソロの指運びまで鮮明に追うことが出来たのは初めての経験。
ステージ前方に出てくる回数も多く気合が入っていたように感じた。
使用ギターはメインのES-355の他、SGの登場頻度も高かった。
SGは単音で歪みやモジュレーション系エフェクターをかませた攻撃的でえぐみのあるサウンドが格好良かった。
レスポールカスタムを使用した”Mirror Ocean”のスライドギターも艶があって印象的に残っている。
拓さんは客席のことをよく見ていて、数回目が合ったような気がする。
(ファン特有の勘違いとかではなく。ライブ行った人なら覚えがあると思う。)
声の調子はすこぶる良かったように思う。
MCでは大阪にバンドでようやく来れたこと、マスク越しでも楽しんでいることは届いている、この状況でできないことがあってもバンドは新曲作ったり歩みを止めないことなどを話していた。
「天才。大阪は天才だよ!」と?となるMCもあったりした。
ひなっちの姿は前方のお客の頭部と被っていてあまり見れなかった。
でも時々目に留まるのはだいたいがニコニコしながら踊るように演奏する姿。
オニイは”In Future”イントロのアレンジや、”白昼”のソロパートを筆頭にバンドを鼓舞するようにパワフルな演奏を繰り広げていた。
♪Nothing's Carved In Stone「TRANS.A.M (live ver.)」
https://youtu.be/4eHjD201e1M
ライブも後半戦に差し掛かったところで、ずっとライブで聴きたかった曲”TRANS.A.M”を披露してくれた。
ひなっちの暴力的ともいえるピック弾きにリードされるようにバンドのテンションはピークに。ウブさんのソロも絶好調だったように思う。
そこからキラーチューンが続き、ついに本編ラストの”Dream in the Dark”を迎える。
配信ライブの度に耳にした、去年を象徴する一曲を終え、メンバーが退場していく。
着席してしばし休息。これができるのは今のライブ形式だと地味に助かる。
しばらくしてアンコールに迎えられて4人が戻ってくる。
少しMCがあり、拓さんはアコギ、ウブさんはエルレ時代からの愛機ES-355を持ち、”シナプスの砂浜”がゆっくりと始まる。
武道館公演以来だったが、こういう近い距離で聴けるのもまた違った味わいがある。
シナプスが終わりあと1,2曲はやってくれるかと踏んでいたが、そのままメンバーははけていった。
まさかダブルアンコールのフリか!?と思ったが、そこでライブは終了。
あれーちょっと物足りないなと正直思いつつ、規制退場を経て帰路についた。
後になってTwitterで知ったが、オニイに本編ラストで手をぶつけるアクシデントがあり、大事をとって切り上げたという経緯があったらしい。
それなら無理しなくて正解だし、その状態でも1曲アンコールに答えてくれただけでも感謝しなきゃいけない。
来月までお預けということで。
全体の印象としては、感情を揺さぶられたり楽しさが前に出たライブというより、音に圧倒され、楽曲の魅力に正面から向き合う時間を過ごせるライブだった。
以前配信ライブ "Navigator"で再確認した、ライブに行く目的の本質みたいなもの(そんなのは一つじゃなくて自由だけど)に近いパフォーマンスだったと、振り返って感想を書いている今思う。
来月のなんばハッチに向けて、さらに楽しめるよう体調を整えて過ごしたい。
♪Nothing’s Carved In Stone『Wonderer』
https://youtu.be/a6rGq-EBta8