Nothing's Carved In Stone配信ライブ "Navigator"感想
2020年6月27日に行われたNothing's Carved In Stoneの有料配信、Studio Live "Navigator"の感想をつづっていきます。
ライブレポの類は通常の対面ライブが再開してからにするつもりでしたが、自分にとってハッとするような、大変インパクトに残る配信だったので投稿することにしました。
はじめに
少し自分の話をします。
配信ライブまでのここ数週間の私はというと、先の見えないコ〇ナ禍や、それとはさほど関係のない日常生活や今後の心配事やらで、音楽や他のやりたいことに対してなんとなく熱が入らない、ぼんやりした日々を送っていました。
何も自分だけが落ち着かない状況というわけではないですが。
特にライブ映像を見てもどこか没入できない、満足感が足りず虚しいといった調子。
心の内を語りだすとキリがないですね。
結局何が言いたいかというと、今回の配信ライブ決定の知らせを聞いても「配信ライブ?やった!!めちゃくちゃ嬉しい!!」と素直には思えない心境だったんですよ。
大好きなバンドだけに、実際のライブ活動が再開してからいつも通りのパフォーマンスを味わいたい!でも現実的には…なんて考えてましたね。
それでも見ない方が何倍もモヤモヤすると思い、結局チケットを購入。
配信日には今までの葛藤?は何だったんだというくらい、普通に楽しみでソワソワしちゃうわけですが。
注目点
ということでライブレポート始めましょう。
配信アーカイブ、バンドのレギュラー番組Silver Sun Radioのトーク内容、メンバーのSNSなどをもとに書いていきます。
まずこの配信ライブの注目点をあげると
・バンド初の有料配信ライブ(過去にニコニコ生放送やライブ映像配信などはあるものの、リアルタイムかつ全編有料は初)
・レコーディングスタジオに陣取り、普段のライブで使われない機材や楽器をふんだんに使った、『音』に拘った配信であること
・カメラマンやサウンドエンジニアなど長年バンドを支えてきた強固なスタッフが配信をサポート
このように初挑戦にもかかわらず非常に気合を入れた、ナッシングスオタクの心をくすぐる配信というわけです。
セットリスト1~9
ではセットリストとともに気になった部分を、オタク視点全開で振り返りましょう!
ギターの生形真一さん(ウブさん)成分多めです。
1.NEW HORIZON
2.Isolation
3.Spirit Inspiration
配信時刻からしばらくしてライブ開始。
スタジオでメンバーが向かい合った状態で演奏するスタイル。
Shimmer SongのMVを思い出します。
今年3月リリースの配信シングル「NEW HORIZON」からスタート。演奏は初披露です。
ずしんと響く重低音が効いたベースシンセが特徴的な曲ですが、1曲目で調整途中だったためか、ドラム含め低音がほんの少し控え目だった気がします。(ノートPC&ヘッドホンで聴いた限り)
そしておやっと思ったのはボーカル村松拓さん。
かなり緊張されていたようで、序盤は本調子ではなかったと思います。
新曲で歌いこみが足りないことや一発勝負のライブから遠ざかっていたことも関係していたかもしれません。
いきなり不満のようなものを書いて心苦しいですが、ライブ全体で気がかりだったのは最初の方だけで、そこからは気にならず集中できました。
メンバーも序盤の数曲をやり直したいと話されてますしね。
2曲目はバンドのアンセムともいえる「Isolation」。
去年あたりから曲入りがライブアレンジさせてますね。
そしてライブ定番曲の「Spirit Inspiration」。この辺りで堅さも取れてエンジンがかかってきたと思います。
4.Mythology
5.(as if it's) A Warning
6.Cold Reason
短い調整とMCを挟み、久々の曲「Mythology」へ。拓さんはハンドマイクで歌唱。
そしてウブさんは昨年末入手したという自身初のビンテージギター、赤のES-335を使用。
音にハリがあるメインのシグネイチャーギターとはたしかに違う、別ベクトルで存在感のある音に感じます。
どことなく武骨なボディシルエットもかっこいいです。
個人的に「Mythology」を音源以外で聴くのは初めてで、それだけでも配信購入した甲斐がありました。
続いてテクニカルな一曲「(as if it's) A Warning」。
ウブさんはレスポールカスタムに持ち替え。P-90搭載のカスタムはファンにもおなじみですが、ハムバッカー搭載の本機は初めて見ました。
ゴールドパーツが綺麗なこれぞカスタム!というルックスはずるいくらいウブさんに似合いますね…。
そして2ndアルバム収録の「Cold Reason」。
これも久々では?前半戦からかなり攻めたセトリです。
(公式Twitterで本曲の一部が視聴できます)
7.Red Light
8.Alive
9.Milestone
ここでミディアムナンバーを続けます。
「Red Light」ではドラムス大喜多崇規さん(オニィ)がスネアをチェンジ。
ウブさんはフェンダーのエスクワイヤを使用。
拓さんは最近入手した、90万(!)したというP-90搭載のレスポールカスタムをお披露目。
この前後でMCがありましたが、普段ナッシングスではマイクを持たないベース日向秀和さん(ひなっち)がこの日はよく喋るんです。
いじられて笑顔になるオニィの姿もばっちりと映ります。
ライブでは見られない配信ならではの光景ですね。
「Alive」ではウブさんのビンテージ335が再び登場。クリーン~クランチサウンドに非常にマッチしますね。
拓さんはテレキャスターでした。
ここまでは気に留めていませんでしたが、この辺りでスタジオを照らす暖色系の照明が、曲と相まってとても心地よい雰囲気を出していました。
♪Nothing’s Carved In Stone『Alive』
https://youtu.be/7XcEX38CRgY
その出来上がった雰囲気のまま、バンド屈指の緊張感ある一曲「Milestone」へ。
ひなっちはPJタイプのベースを使用。
ウブさんはアコギに近い音が鳴るピエゾピックアップ搭載のES-355に持ち替え。
特徴的なアルペジオと、さらに緊張感の高まる中盤のソロ。何度聴いてもほれぼれします。
セットリスト10~last
10.Beginning
11.Like a Shooting Star
12.Out of Control
しばし談笑のようなMCがあり、配信ライブも後半戦に入ります。
「Beginning」の前にオニィは再びスネアを交換。ドラムセットを頻繁に入れ替えってまるでレコーディングの時みたいです。
拓さんはレスポール、ウブさんはメインの355に持ち替え。
ウブさん4曲目からギターを替え続けています。もう凄いとしか。
この曲ではコントロールルームやブース各所にいるスタッフを映す粋なカメラワークも。
「Like a Shooting Star」では大胆なライブアレンジを加えたギターソロに思わずうなりましたね。
ここでライブど定番曲で、体を動かさずにはいられない「Out of Control」を投入。
拓さんの「今夜だけは、最高の夜にしようぜ!」というお決まりのセリフ、早くライブ会場で聴きたいです。
13.Music
14.November 15th
15.シナプスの砂浜
16.Dream in the Dark
En1.Rendaman
ライブも終盤にさしかかります。
「Music」ではひなっちの主にセッションライブで使うESPのベースが登場。ナッシングスでは初めて見ます。
続いて1stアルバム収録のライブ定番曲「November 15th」。
そして大きな会場で映える「シナプスの砂浜」。
私のお気に入り曲の一つですがスタジオライブでチョイスしたのは予想外でした。
ブースの照明を利用したカメラワークが幻想的です。
本編ラストは最新曲の「Dream in the Dark」。
ひなっちはESPベース、ウブさんは鮮やかな青緑のGibson SGを使用。
ナッシングス鉄板の骨太なサウンドとは一線を画す、軽快で内側にすっとしみ込んでくるような曲。
ライブで早く聴いてみたいです。
♪Nothing’s Carved In Stone『Dream in the Dark』
https://youtu.be/lFL2299Biew
コメントのアンコールを受け、しばらく談笑したのち、リクエストの多かった「Rendaman」を演奏し、配信終了。
拓さんは再びレスポールカスタムを弾いていました。これからライブでも登場するんでしょうか。
最後に拓さんが何気なく発した「次できればライブで、できなければまた配信で」という言葉が耳に残りました。
すぐには難しいという現実を飲み込みつつ、やはり実際のライブがメインのパフォーマンスの場だという風に受け取りました。
ライブバンドはみんなそうでしょうね。
それでも歩みを止めずできることをやっていくんだという意思を感じます。
以上セットリストと感想でした。
おわりに
というわけで初めての試みにもかかわらず、定番曲といつもの使用機材だけで終わらせない、個人的には文句なしの攻めた配信ライブでした!
ライブに飢えたファンに満足してもらおうと、いつも以上に考え抜いてセットリストを作られたのがうかがい知れます。
「次はどの曲だろう?」という期待だけではなく、「お~次はこの楽器を使うのか!」というワクワクもあって最高でした。
拘っていた『音』に関しても満足です。
通常ライブで一つのパート(例えばリードギター、ドラム)に集中して耳を傾けるというのは、会場の反響音や位置取りの関係で中々難しいです。(音源や編集された映像作品ではともかく)
ですが音に拘ったスタジオライブではリアルタイムでそれが可能になります。
これは通常のライブにはないメリットではないでしょうか。
ライブ活動再開を望むのはもちろんですが、また配信でも聴いてみたい、次やるならどんなクオリティになるんだろうと思わせてくれる内容でした。
余談ですが私自身のライブ参加に対する気持ちのもっていき方について。
「もっと体力をつけて、観衆に呑まれても大丈夫なように、1曲目から最後までアグレッシブに楽しめるようにしないと…。」
「ライブやフェスに合わせて服装にもっと拘らないと…。」
どこかこんな風に考え過ぎていた節がありました。
たしかにライブはエネルギーを発散するレジャー的側面もあります。
ですがこの配信で「ライブはプロの演奏を聴きに行くものだ」という一番大事な目的を再確認できたと思います。
別にそんなメッセージが込められていたわけではないですが、私にそれを思い出させるには十分なインパクトだったという話です。
以上スタジオライブ "Navigator"の感想記事でした。
使用楽器など間違いがあれば訂正します。
配信終了時にはセルフカバーアルバム『Futures』のリリース決定という驚きの知らせも。
アルバムの豪華版には今回のスタジオライブの音源が収録されるようです。
来年2021年には延期となったワンマンや対バンツアーが控えています。
たくさんライブが延期・休止となりましたが、これからもNothing's Carved In Stoneを追いかけていきたいです。
♪Studio Live “Navigator”プレイリスト
https://open.spotify.com/playlist/2XzfOGVnhiHeweS0fFoIvE?si=qnIyr5-9QvGn1IodTH_uPQ