見出し画像

男性育休のアレコレ③(立ち会い出産編)

①はこちら

②はこちら

今回は出産時のことについて書いていきます。なかなか育休まで辿りつかないんですが…(^^;
でも、妊娠期、出産時のことは育休生活にも当然ながら関係していることなので、お付き合いいただけたら幸いです。立ち会い出産がどのような感じなのか、あくまで私の経験した範囲ですが、お伝えできればと思います。


陣痛が来るまで

幸運にも仕事がどうにか片付き、出産予定日1週間前から有給を取得して休みに入ることができました。

妻も当然産休に入っていたので、陣痛が来るのを待ちながら、夫婦でのんびりと過ごしました。

この時期のことは結構よく覚えています。「生まれたらこんなにのんびりできないんだろうね」と話しながら、妻の体の負担にならない程度に2人で出かけたりしていました。

うまく表現できないんですが、この時期は独特の特別な雰囲気があり、印象に残っています。おそらく、夫婦2人だけで過ごす最後の時間という意味で印象深かったのではないかと思います。

ただ、出産予定日になっても陣痛が来ず、病院に診てもらうと、何日か様子を見て来なければ、排卵促進剤を投与しましょうとの診断でした。

「まだママのお腹の中に居たいのかねー?」なんて話しながら待っていたのですが、結果的に促進剤を投与する予定だった前日の未明(早朝3時くらい)に陣痛が来て、すぐに車で病院に向かいました。

出産

病院には朝4時過ぎに到着。すぐに分娩室(②で書いたように分娩台のない畳の部屋)に入りました。立ち会い出産なので、私も一緒に入室しました。室内はトイレや風呂もあり、家族が宿泊しても大丈夫なよう配慮されていて、なかなかすごいなぁと感心しました。

入室して落ち着いたところで、自分の両親に病院に入った旨メール連絡しました。

しかし、ここからが長かった…。

陣痛は周期的に来ているものの、子宮口が開かず、なかなか赤ちゃんが出てこなかったのです。

もちろん大変なのは妻なので、腰をさすったり妻がしてほしいことはできるだけするようにして、寄り添いました。

ここで大活躍だったのはテニスボール!

ご存知の方も多いかもしれませんが、いわゆる「いきみ逃し」をする時に、テニスボールを使うと良いんですね。出産前からそのことは聞いていたので、予め妻が準備していたのですが、ホントにしておいて良かったです。

ただ、妊婦さんによって腰やお尻等当てて欲しい所が違うらしいので、その点は注意かもしれないです。私の場合、走るのが趣味なのでセルフマッサージをよくしており、妻にもよく肩や腕などマッサージしていたこともあり、感覚的にこうかな?と何となく分かったのですが、当て方や場所が違って怒られた…という話も聞きます(出産時は必死ですので無理もないんですけどね)。なかなか練習もできないのですが、ちょっと覚えておかれると良いかもしれません。

さて、何となくですがその日のうちに生まれるのな?と思っていたら、お昼を過ぎて夕方になり、夕方を過ぎて夜になり、日付が変わってもまだ生まれませんでした。

この間、お義母さんにも来てもらい、私は一度外に食事を買いに行ったりしていました。

周期的な陣痛は続いていたので、その度に苦しそうではありましたが、食欲はあり出された食事は食べられていましたので、大きな心配はありませんでした。ただ、先が見えないのが不安ではありました。

上記の通り部屋にお風呂が付いていたので、気分転換に妻に入浴してもらったりしているうちに、夜が明けました。

できるだけ動いた方が生まれやすいとの助産師さんのアドバイスもあり、院内のコンビニまで2人で散歩に出かけました。

その日は晴れだったので、窓ガラスから朝日が差し込んできて眩しかったことをよく覚えています。

部屋に戻るために階段を上がっている時、妻が泣きながら「私だけ産めない」と言いました。
私は「そんなことないよ。2人でがんばろう」と伝えました。

と言うのも、分娩室はいくつかあり、隣室の声が結構聞こえる状況でした。そのため、後から入ってきた妊婦さんが先に産んでいるということが私たちにも分かり、妻としては自分だけ産めていないという気持ちになったそうです。まぁ無理もないですよね…初産ですし、妻もどうすれば良いかわからなかったのだと思います。私もわかりませんでしたが、とにかく生まれることを信じて励まし続けました。

余談ですが、新生児の泣き声って上記のように壁越しで聞くと、「オギャーオギャー」というより「ニャーニャー」っていう猫の鳴き声みたいに聞こえるんですよね。もちろん個人差もあるんでしょうが、私も妻もホントに猫がいるのかな?とちょっと思ったくらい、猫っぽい泣き声でした。

部屋に戻り、しばらくして助産師さんに診てもらうと、子宮口が開いてきていると…
その時点でようやく先が見えました。

バタバタと医師や看護師の方が入室して来て、準備を始めました。

私は助産師さんから、「お父さん、何かお母さんの好きな音楽でもかけてください」と言われたので、2人とも好きなDef Techの音楽をスマホで流しました。


そして…12時25分に長女が誕生しました。


誕生の瞬間に合わせて、「My Way」を流しました。これは2人とも大好きな曲であると共に、生まれてきた子に対してのメッセージでした。

“地に足付け 頭雲抜け 進む前に前に前に
手をつなげば怖くないから
そこまでお前は弱くないから
でもいつまでもそばにいないから
Believe In My Way, My Way, My Way…”

       Def Tech 『My Way』より


また、出産の数ヶ月前に2人でDef Techのライブに出かけた際、帰りの車中で子どもの名前が決まったという思い出もあり、出産の時に流すのはこの曲と決めていました。


…喜びと安堵感に浸っていると、「お父さん、へその緒を切ってください」と言われハサミを渡されました。

そのハサミが結構いかついんですよね(^^;ホントにこれで切っていいのかと思っていると、「痛くないですから」と言われたので、思い切ってバチン!と切りました。

まだ2人共に繋がっている状態なのに切っても痛くないのは不思議だなぁ…と思ったことを覚えています。

このようにして、無事長女は誕生したのでした。


病院に入ってから32時間程が経過していました。
「正常範囲と考えられる分娩時間」の目安は初産婦で30時間とのことなので、正常範囲から少し超過しており難産だったと言えるのではないかと思います。とにかく、妻には「お疲れ様」と言う気持ちしかありませんでした。

事務的な手続きや今後の説明を受けた後、家に帰ると、犬が何事が起こったのかという表情で出迎えてくれました。

無理もないことです。お義母さんが病院に来る前に少し面倒を見ておいてもらえるよう頼んではいましたが、その後誰もいない家でひたすらお留守番…トイレを見るとオシッコの跡もなかったので、オシッコもウンチもせずにひたすら待っていたようです。

また、うちの犬は朝晩2回欠かさず散歩に行っているので、私達の旅行の時を除いて散歩に行かなかったのはこの時だけです(旅行の時はペットホテル)。犬にもお疲れ様…と言いながら少しスペシャルなごはんをあげました。

その後、友人にも連絡したりしながら、子どもが生まれたら飲もうと買っておいたワインを開けて、1人祝杯をあげました。

皆様にとってはどうでもいい話ですが、その時のワインは「アルタ・エゴ・ド・パルメ」というもので、「シャトーパルメ」という比較的有名なワインのセカンドワインです。

なぜそれを飲んだのかというと、「アルタ・エゴ」というのは「もう1人の自分」という意味(だからセカンドワインなんですね)なので、もう1人の自分=(自分と血がつながっている)子どもということで、それを飲みました。具体的な味は忘れてしまいましたが(^^;とても美味しかったことを覚えています。

デニム好きな人は、子どもが生まれた日を裏地に記載して、その日に履き下ろしたりする方もいると聞いたことがありますが、自分の中でも何かしら記念になるようなことをしたかったというのはありました。

子どもが成人したら、上記のワインか、子どものバースイヤーワインを買ってきて2人で飲んでみたいなぁと思っています(あっさり拒否されるかもしれませんけどね(笑))。

出産に立ち会って

私の立ち会い出産はこんな形でした。

私個人としては、忘れ難い経験となりましたし、人生でそう何度も経験できることでもないので、もし立ち会い出産が可能な状況であれば、個人的には経験されることをオススメします(もちろん奥さんの意向次第ですが)。

妊娠期で書いたことにも共通するんですが、立ち会い出産で一番良かったことは、出産という一大イベントに協力して臨めるということかなと思います。もちろん実際産んだのは妻ですし、私はひたすら寄り添って応援するだけでしたが、多少は精神的な支えになったのかなと思いますし、出産を最後まで2人でやり切った、という感覚は夫婦共々持っていると思います(もちろん病院の方々にも大変感謝しています)。

その反面、実は私個人としては生まれた時の感動は予想を超える程のものではありませんでした。もちろん感動したし嬉しかったけど、想像以上という程ではなかったのです。

なぜなんだろう…としばらく考えていたのですが、おそらく②でも書いたように、子どもは既にお腹の中にいた訳で、出産は大変なことではあるけども、そこで子どもがいきなり出現したわけではない。だから感動というよりも、無事に出てきたという安堵感が強かった…という理由だったのではないかと思います(あくまで私の場合です)。

何はともあれ、その日からいよいよ育児の日々(育休生活)が始まったのです…。


次回はいよいよ(ようやく(^^;)育休生活のことを書いていきます。

お読みいただき、ありがとうございました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?