えーと、とりあえず「東北なまり」は「かわいい」ってことで良いんですかね?
「んだ」
これは東北で、もっともポピュラーな方言のひとつ。
むかし20代前半のころ、上京した友達の友達が根っからの東京人で、その人たちと遊んだとき、つい相槌で「んだ」と言ってしまって恥ずかしかった。
しかし、周りの東京人の反応は「んだって癒やされる〜」と、すでに「東北なまり」は東京でもある程度の市民権を得ていて、安定した立ち位置を見出していた時代だった。それにびっくりしたもんだ。いまでは当たり前となった「癒やし」ということばが普及しはじめた2000年代初頭のはなし。
もっとむかしの時代は、東北なまりは「なまり」のなかでも「ださい」「はずかしい」がダントツだったように思う。
「キングオブ・なまり」といえばやっぱり大阪だろう。それに京都、広島、なども人気だよね。だってかっこいいと思うもの。
1980年〜90年代くらいのマンガを読んでいると、やっぱり東北なまりのキャラは自信がなく、みすぼらしいキャラも多かったと思う。
いまのコンテンツにそんな描写は減ったけど、それでも東北なまりのキャラはやっぱり「やさしい」「おっとりしている」「人が良さそう」という設定が多い。ステレオタイプってやつ。
でもそれは東北の県民性が裏づけてしまっているので仕方ない。
聞いたはなしだけど、東北の人たちがおとなしい理由として、納得できる通説がある。
むかし、牛若丸やキリシタンなど、乱世で名を馳せた方々が没落して逃げる果ては、雪国である東北が多かったとか。
雪国でひそかに、こっそり人知れず、おとなしく目立たないように生きぬいたご先祖様たちの生きかたや気性が、いまも脈々と東北の人々の血をめぐっており、人見知りで、よそ者に警戒心が高いのも、その系譜によるからだとかなんだとか。
とりあえず、はなしは戻るけど、まだまだ世間一般的に「田舎=東北」「イモっぽい=東北」というイメージはぬぐえない。
吉幾三さんが「俺ら東京さ行ぐだ」を歌ったから?おもしろいからいいけど。
でもさ、東北弁をしゃべるキャラクターだけど、ドラゴンボールの孫悟空の奥さん(チチ)や、HUNTER×HUNTERのコムギなんかはどっちも東北弁なのに、ものすごい猛者と心を通じあわせているよね。むしろ物語のキーパーソンだよね。
ここ、忘れちゃいけないよね。
わたしは4月からしごとで1ヶ月の間、山口県にいくのだけど、このときに標準語で話そうとしている自分がいる。ていうか、ふだんから関東の人とオンライン会議するときは標準語だ。
ここはチチやコムギを見習って、「んだ丸出し」でいってみようかなあ。やっぱり引かれるかなあ。
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