ビジネスカジュアルに「和装」も入れてもらっていいですか。
なんでニッポンという国のビジネスシーンからは「和装」が無くなってしまったんだろう。
いやいや、結婚式場には紋付羽織袴の男性や、留袖の女性を見るじゃあないか。
いや、そうではなくて、それは礼装だよね。
たとえば、ビジネスシーンでの正装といえば、言わずもがな「スーツ」一択だ。
さあ、きょうは取引先との大口契約だ、という日に羽織袴で出勤したら「着替えてこい」と帰されるか、「おお、これからなにをやらかしてくれるんだろう」とハードルが上がりすぎてやりにくいだろう。
それは女性の振袖・留袖だって同じだ。
もちろん、もうすこしカジュアルダウンした「着物+羽織」でも同じだ。
さらに、羽織を着ない「着流し」は、和装の普段着だ。
ただ出勤するだけでも、「着流し」は一般的には認められていない。
おおくの企業のオフィスカジュアル、ビジネスカジュアルに「和装」は入っていない。
古くは戦時中、物資の不足から布の節約をするために、国が法律で「国民服」と名付けた「洋装」を正装・礼装として定めたらしいのよね。
まっさきにお国が正装として「洋装」を認めちゃったのよね。
戦争が終わりに近づくにつれ、それは流行りがすたれるように着る人も少なくなったらしんだけど。
でも結局、戦争に敗けたあとは「洋装」がモダンでオシャレの最先端になっていったから、次第にみんな自分の意志でどんどん「洋装」を求めていった。
たしかに「和装」は「洋装」よりもむずかしい。
帯とか。襦袢(着物の下に着る肌着のようなもの)とか。
夏は、Tシャツと短パンよりも生地の量がおおいので、暑そう。
冬は、裏起毛のスウェットよりも寒そうだし。
わたしみたいな着物のドシロウト目線だと、見た目以外で洋装より良さそうな点ってあまり知らないのも事実…。
でもさ、でもさ、ここは和の国ニッポンだよ。
特別なシーンでしか伝統の「和装」を着られないなんて、ちょっとさびしいじゃない。
じゃあプライベートで着たら?誰も止めないよ?って言われたら、まあそれはそのとおりなんだけど…。
ただ、そうなってしまった世の中を憂いたい。
なんか「和装」ってカッコイイのに、もったいないなって。
ただそれだけでした。
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