見出し画像

言葉にできない、そんな夜。#28[6/6放送分]

前回放送分はこちら↓

当記事ではEテレの番組「言葉にできない、そんな夜。」について書いていきたい。
この番組では、上手く言語化できない瞬間をどう言い表すか模索していくが、それに倣って私も各テーマの言語化を試みるものである。

なお、番組の詳細については公式ホームページをご覧いただきたい。


1. 酒に酔ってはしゃぎすぎたとき

嫌な倦怠感と頭痛に起こされる朝。
なんで私はここにいるんだっけ。
だんだん冷えてくる頭に、昨夜のへんに浮かれた自分が次々と現れる。
嗚呼、なんてことを!
後悔の叫びをする気力すら残らない身体で、そのままソファーに沈み込んだ。

たちばな朱音

何度か記憶が飛んだときがあるので、そのときのことを思い出して書いてみた。

紹介された中では、萩原朔太郎の文が興味深かった。
萩原朔太郎は、酒に酔った人の精神状態などを綴った随筆を書いているらしい。以下、そこからの抜粋である。

平常素面の意識では出来ないことが、
所謂酒の力を借りて出来るところに、
飲んだくれ共のロマンチックな飛翔がある。
(中略)
酒を飲んで失敗するのは、
始めからその冒険の中に意味をもってる。
夢とロマンスの人生を知らないものは、
酒盃に手を触れない方が好いのである。

萩原朔太郎「酒に就いて」

飲んだくれ達を肯定してくれる名文だと思う。
特に最後の二行が好きだ。


2. 髪をセットしたのに風で崩れたとき

朝の20分を返しやがれ!

たちばな朱音

時間は適当だが、髪が崩れて真っ先に思うのは「セットしてた時間を返せ!」なので、このように書いてみた。

町田そのこさんの「セーブ機能が人生にあれば」という回答には共感しかなかった。
セーブしておきたかった地点は無限にある。


3. 大丈夫じゃないのに大丈夫って言っちゃったとき

「大丈夫?」って聞かれると、
反射的に「大丈夫」と答えてしまう自分がいる。
あれだけ求めていた救いの手は、無慈悲に引っ込められてしまった。
待って!行かないで!
本当はこんなにも助けてほしいのに!

たちばな朱音

大丈夫?と聞かれると脊髄反射で「大丈夫」と答えてしまうところがあるので、それを文章で描写してみた。

番組で紹介された中では、脚本家 坂本裕二氏の「根拠のない大丈夫は優しさで出来てます」という言葉がすっと腑に落ちる感じがして好きだ。
相手に迷惑をかけたくない気持ちが、反射的な「大丈夫」を生み出しているのだ。


今回は今までとは趣向の違う面白いテーマが多かった。
明日の放送も楽しみにしたい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?