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【人生を変えた旅~完結編~】

All journey's have secret destinations of which the traveler is unaware.
"どんな旅にも、旅人自身も気づいていない秘密の終着地がある。"

哲学者 マルティン・ブーバー

いつもお世話になっております、志庵の店主です。
冒頭の言葉は個人的にとても好きな言葉で、
ひとつの旅の経験がどんな未来を連れてくるのか…
人生を変えることになった屋久島旅。
思いがけず3部作という大作になってしまいましたが
いよいよ完結編スタート。
前編.中編はこちらから↓↓↓

▪️背負ってきた荷物を降ろす

さて、のらりくらりと旅を満喫しながら無事に屋久島に辿り着いた私。
屋久島の威風堂々とした佇まいと空気に圧倒されて
暫くその場から動けず、ようやく宿泊先へ向う為の1歩を踏み出し歩き始めた時には、背中に背負っていた重たいものが少しずつ剥がれ落ちていくような不思議な感覚を味わっていました。
重たいリュックを背負っているわけですから、正確には重たいままなのですが…
「あ~、こんなにいろいろ背負ってたんだな…」と不必要なものを剥ぎ落とされる不思議な体験。
因みに以前も申し上げたとおり、特別な力は持ち合わせておりません。

なんだか不思議だな~とぽわぽわした気持ちで、宿泊先に到着。 
2泊3日と言っても、移動1日→縄文杉1日→移動1日というかなりタイトな日程なので、次の日の念願の縄文杉トレッキングに備えてこの日はゆっくりと休むことにしました。

普段登山はしないので、この日の為に揃えた精鋭達。
枕元に並べて就寝。


▪️いよいよトレッキング出発



縄文杉トレッキングの朝は早い。
4時過ぎにはガイドさんが迎えに来るので、
寝坊できない早く寝なくては…というプレッシャーと念願の縄文杉に逢えるドキドキとワクワクで遠足の前の子供状態、ほとんど眠れず。
アドレナリン大放出状態で約22km、往復約10時間の縄文杉トレッキングスタート。

この時期、週4でジムに通っていた私。
ガイドさんのお話しを聞きながら、花崗岩でできた島の形状や苔に覆われた森、どこを見ても壮大な屋久島の大自然を大満喫しつつ、8.5kmのトロッコ道はなんなくクリア。

トロッコ道をひたすらてくてく歩く。
トロッコ道の橋。下を見るとゾワゾワします…


トロッコ道が終わるといよいよ山道へ。
ゴツゴツした岩場や木の根っこ、急勾配の階段を登っていくさまは、まさにアドベンチャー。
登山経験がほとんど無い為、山の500mの長さに悶絶しながらズンズン進んで行きます。

ダイナミックな木の根っこ。
時々引っかかってこけたりします。
有名なハート型の切り株"ウィルソン株"
見事なハート型で驚きました。


ウィルソン株を過ぎ、また山道を進んで行く。
心臓破りの階段が続き、心が折れかける。
それでも進む。修行のようです。人生そのもの。
さらに進んで行くと森が深くなり、突然ぴりっと空気感が変わります。
太古からほぼ人の手が入っていない世界自然遺産地域に入っていきます。
樹齢1,000年以上の屋久杉やさまざまな植物がありのままに共存する素晴らしい世界。

1000年以上を生き抜いてきた屋久杉。
思わず一体化しようとしてしまいました…

▪️縄文杉との対面

森の素晴らしさに感動しながら、世界自然遺産地域を歩き続け、最後の階段を登った先にその姿はありました。樹齢7,200年とも言われる『縄文杉』
近くで見ることはできなくてもその佇まいは神々しく生命力に溢れ、怖いくらいの貫禄がありました。

生命力が漲る縄文杉


途方もない歳月、この場所に立ち続け、沢山の出来事を見守ってきたであろうその姿を目の当たりにし、涙が止まらなくなりました。
「あ~、自分は、なんてちっぽけなんだろう…」と
沢山の悩みや憤り、悲しみ、辛いことも受け止めて、全てを背負いすぎず、胸を張って、笑って生きていってやろうとそんな風に思ったのです。

そのパワーに圧倒され立ち尽くしていました。
生きる力をもらった瞬間。


▪️歩き続ければ辿り着く

いつまでもそこに留まりたい気持ちを振り払い、縄文杉にまた必ず逢いにきますと一旦別れを告げ、登って来た道を降りて行きます。
同じ道なのに全く違う景色に見えるから不思議。
山道が終わりトロッコ道へ。

果てしなく続きそうな道を歩き続ける。


行きと違いとても長く感じるトロッコ道。
今までの人生を振り返りながら黙々と歩き続けていると、最後のトンネルが見え、その向こうに出口が見えました。
果てしなく思えるような道程でも、
一歩一歩、歩き続ければ必ず目的地へ辿り着く。
悩んで立ち止まっている暇なんてない、人生なんて一瞬で終わる。
ちっぽけな何者でもない私だから、まだこの先なんだってできる。
これが私の人生が大きく変わった瞬間でした。

▪️最後に

たった2泊3日の屋久島の旅。
屋久島に降り立った時に感じた気持ちと、約10時間、自分と向き合い歩き続けた、縄文杉トレッキングで感じた気持ちに素直に行動した結果が、2年後の屋久島移住に繋がるわけです。

旅の最初の目的は、行ってみたかった場所へ行き、
誰も自分の知らない場所で自分をリセットして、
その経験がまた日々を乗り越える糧になるような旅になればというもの。
そんな気持ちで家を出発し、屋久島へ向かった私が、
たった3日後、母親に屋久島に移住しますと伝えることになるとは…
自分が1番驚きました。

冒頭の
"どんな旅にも、旅人自身も気づいていない秘密の終着地がある。"
まさしくその通り。
これからも一歩踏み出した先に
私の旅は続いていきますが、
ひとまず"人生を変えた旅"のお話しは、完結。

今回屋久島旅を振り返ってみて、思い出すことや
改めて気が付くことも沢山あり、とても良い時間でした。
そして、あの頃のようにまたトレーニングに励もうと心に強く誓いました…

最後までお読みくださり有難うございました。
完結しなくては…と長くなってしまいました。
来週は何を書こうかなぁ。。。
また、来週月曜日にお逢いしましょう。

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