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【クジラが繋いでくれた素敵なご縁】

突然ですが…
皆さんは人生の最後に叶えたい夢はありますか?
ずっと昔から私の最後の夢は『クジラに逢いに行く。』でした。

精一杯生き抜いて、我が人生に悔いなし!!って言えるようになったら大好きなクジラに逢いに行こうと決めていました。
それほどまでにクジラは私にとって偉大な存在で、そんなに簡単に逢いに行ってはならぬ存在だったのです。

そもそもいつどんなきっかけでこんなにクジラを好きになったのか、これがまるで思い出せない。
こんなに好きなのに思い出せないって…と自分でも驚いてしまいますが。
記憶にもない幼い頃からずっと、クジラという生き物に魅了されてきたのです。
前世はクジラになりきれなかった何かだったのかもしれない…きっと、いや絶対にそうに違いない。
それに本当に心から好きなものに限って、明確な理由が言えなかったりしませんか?
私だけなのでしょうか…。


今でも1日に1回は写真や映像そして音声でクジラと触れ合います。
クジラの姿そして歌声は、不安や恐れ、心の中のざわざわするものを優しく包み込み、全てを許してくれているようなそんな気持ちになるのです。
私の心に平穏をもたらしてくれる存在です。

こうして普段からクジラ好きを公言していますから、思いもよらない素敵なご縁にめぐり逢うことがあるわけです。

今回は、そんな素敵なご縁がきっかけで、思っていたよりもずっと早く最大の夢を叶えることになった出逢いのお話し。


それはまだ私が屋久島のホテルで働いていた時のこと。
当時の会社の社長にもクジラ愛についてよく熱弁しておりました。

とある日、ホテルの事務所内。
社長と向かい合わせのデスクでいつものように猛然と事務仕事をしていましたら、社長のスマホが”ピリリリリ”と鳴りました。
「もしもし。おー、久しぶり!!元気?」
「部屋?ちょっと待ってねー。」
などとお電話の向こうの方とお話しされている。
常連さんかな?どうやら宿泊のお問い合わせらしい。
部屋の予約管理は私の仕事でしたから、社長に聞かれた日程を確認し、空いていますよと伝えました。社長はお部屋が空いている旨を多分常連さんであろうその方に伝え、電話を切りました。


ここからは社長と私の会話をお楽しみください。

社長「タカハシレイコさんでご予約お取りしておいてね。」

私「はーい。(ん?タカハシレイコさん…まさかね…)」

社長「みー(私の呼び名です)の大好きなクジラの、写真を撮る人だよ。」

私「ふぇ?(まさかじゃないかもしれない…)」

社長「クジラの写真で凄い賞を獲った人だよ。」

私「ぬぉ!!(もうこれは間違いない。)それって"マーメイド"の写真のタカハシレイコさんですか?」

社長「お-!!そうそう!!知ってるの?」

私「知ってるもなにも、クジラ好きなら一度は目にしたことのある素晴らしい写真ですよ!!!!!!一度はお逢いしてみたい方ですよ!!!!!!(なぜか少し切れ気味。)」

社長「良かったねえ、今度逢えるよ。」

私「(心の中で)まじか…屋久島ってそんな夢も叶うん?」


なんということでしょう…

水中写真家の高橋怜子さん。
昨日『情熱大陸』に出演していらっしゃいましたね。
2018年にナショナルジオグラフィックで日本人初のグランプリを受賞された方。私はそのグランプリを受賞された写真、『マーメイド』が大好きで、こんなに素敵な写真を撮る方といつかお逢いしてお話ししてみたいなぁなんて思っていたのです。

ナショナルジオグラフィック グランプリ
『マーメイド』
※ご本人に掲載許可頂いております
「こっちだよ。ついておいで。」という声が
今にも聴こえてきそうなこの写真。
初めてみた時に涙が止まらなくなったのを
今でもよく覚えています。
いつみてもじーんとする1枚。


そんな、社長とのやりとりから少しの時間が経ちまして、いよいよ怜子さんとのご対面の日。
超が付くほどの人見知りでありますから大緊張して、どうしよう、どうしようと母にも親友にも連絡して。(とにかく落ち着け。)
いざお逢いした怜子さんは、とっても気さくでいい意味で拍子抜け。
クジラのようにおおらかで、暖かくて、あのような素敵な写真を撮る方はやっぱり素敵な方で、写真にはお人柄が表れるのだなと。

2人で一緒にお酒を呑みながら、『マーメイド』を撮った時のお話しや、怜子さんが出逢ってきたたくさんのクジラ達のお話しをたっぷり聞かせてもらうという、夢のような時間を過ごさせてもらいました。無料でいいんでしょうかという気持ち。
なによりも、クジラ愛についてこんなに誰かとお話しをできたのは初めてで本当に嬉しかったのです。

なんとも贅沢な時間の中で、私の最大の夢のお話しをさせていただいたら、
怜子さんは「そんなに先じゃなくても来年一緒に奄美に逢いに行こうよー。」と言ってくださいました。それが2020年8月のこと。
それから2か月後の10月、怜子さんから一通のLINE。
「来年の2月に奄美のクジラボートをチャーターしたので一緒に行きましょう。」と書かれていました。有言実行、さらに好きになりました。

私は少しだけ(おじけづいて)悩んだ末、クジラに逢いにいくことに決めました。だってこんなに素晴らしい方と一緒に行ける機会などもう2度とないかもしれない。チャンスの神様は前髪しかないそうで、その前髪を鷲掴みした気持ち。
というわけで、人生最大の夢を思っていたよりもずっと早く叶えに行くことになったのです。
屋久島に行かなければ、rakusaホテルで働いていなければ、社長にクジラ好きだと伝えていなければ(感謝です。)交わることもなかったかもしれないご縁。


自分の”好き”とか”叶えたいこと”はたとえ笑われようが馬鹿にされようが、絶対に声に出して伝えたほうがいい。無意味なことなんてなにひとつない。どこで夢が繋がるかなんて誰にもわからないのだから。
そんなことを改めて感じた出来事でもありました。


次回はいよいよクジラに逢いに行ったお話しです。
昨日のことのように鮮明に思い出せるあの日のことを、ドキドキワクワクしながら書きたいと思います。是非お楽しみに。


その後、夢を叶えた日のお話を書きました。
前後編に分かれていますが、ぜひこちらも読んでいただけたら嬉しいです。

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