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感染研の「超過死亡の迅速把握」について

X(旧ツイッター)上では、
久しぶりに「超過死亡」がトレンド入りしていたんですが、

どうしてなのかというと、
感染研("国立"感染症研究所)が始めたという
超過死亡の迅速把握」というのが、
きのう9日に、初めて公開されたらしいんですね。↓

NHKのニュース映像↓
https://twitter.com/MNHR_Labo/status/1667306174612656128

コロナ死者数、超過死亡で初公表 3~5月は「0人」(産経新聞)
https://www.sankei.com/article/20230609-ELDTUSTPTNLERFWP76HASI4PUQ/

超過死亡の迅速把握  2023年5月14日までの報告 (国立感染症研究所)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/from-idsc/493-guidelines/12075-excess-mortality-r-230514.html

このNHKのニュースによると、
3月20日から5月14日までの間の超過死亡はゼロ」
だったらしいんですが、

3月中というのは、
感染者数は減り続けていたんですが、
うちで集計している月ごとの超過死亡でみると、
2月中のものよりも増えていたんですね。

で、この月ごとの超過死亡というのは、
人口動態速報」という、概数(ほぼ確定値)との差が
ほとんど出ない数字から計算したものですから、
逆に減っていただとか、大きく違うはずがないんですね。

(2023年10月26日に追記:概数でみても
 3月中の超過死亡はかなり増加しています。)

森田医師らが指摘しているのは、
感染者数が減っていた時期を選んで
こういうニュースを流している
ことなんですが、

そもそも減っていなかったというか、
かなり出ていたところがあったんですね。

まあNHKは、
感染研の主張をそのまま報道しているだけなんですが、
"国立"感染症研究所は、なぜこんな言い方をしているのか、
そこがなんだか怪しいわけなんですね。

繰り返しますが、人口動態速報は、
今年の3月のものまで公表されているんですが、
3月中は、コロナの統計は減っていたのに、
超過死亡は明らかに増えていたんですね。

各コロナ年の超過死亡の比較(速報値)

この食い違いによって、
コロナの統計との相関係数が下がって、
ワクチン接種回数との相関係数の方が
高くなってしまった
んですね。

これは接種を進めている政府・与党にとっては、
非常に都合の悪いことだと思うんですよね。

この統計の問題点

全国17の自治体について、
過去5年の死者数高齢化など社会情勢を加味し、
予測死者数や上下限値を設定、実際の死者数と比較した。
https://www.sankei.com/article/20230609-ELDTUSTPTNLERFWP76HASI4PUQ/

コロナ死者数、超過死亡で初公表 3~5月は「0人」 2023/6/9 産経新聞


まあこれは、
うちで出している「自治体ごとの超過死亡」にも言えることですが、
死亡届の提出の遅れだとかがありますから、
やや控えめな値になる傾向があるんですね。

まあ、これは仕方がないことだと思うんですが、
過去5年」というのは、この書き方だと、
パンデミック直前の過去5年ではないんですよね。

2020年以降というのは、
年々死亡超過が増えてきていましたから、
グラフだとかにしてこれをみると、
自然な死亡数の増加が続いているように
見えてしまう
と思うんですね。

で、2019年も、実はインフルの当たり年であって、
その影響もあってかして、超過死亡が出ていたんですね。

高齢化に関しては、
総務省の統計局が出している「推計人口」が有名なんですが、↓

高齢化人口の推移でわかるNHKニュース「多死社会」の誤解
https://note.com/sheltem/n/n2989722f90a9

このあたりをご覧になるとわかると思うんですが、
あまり影響はないというか、

75歳~80歳あたりは増加率が暴れていたんですが、
他の年齢を見ると、大きな変化は見られません。

一方で、年齢別の死亡数を見ると、
コロナのリスク年齢全般に急増しているんですね。

免疫の低下による死亡増にしても、
この高齢化による死亡増にしても、
急に起きるものではないと思うんですね。

しかも、これだけ高い相関係数が出ているということ、

これは、年齢別の死亡数の推移を
ご覧になってもわかると思うんですが、
超過が出ているのは、
ほぼ感染が拡大している時期です。

あとは、地域分布だとかを含めて考えると、
こういったことが大きく影響して超過しているというのは
考えにくいと思うんですね。

インフルエンザの死亡数についてはこちら↓
https://honkawa2.sakura.ne.jp/1955.html


あとは、これですね。↓

自治体により報告できる頻度が異なるため、
毎回参加自治体数が変わる可能性があります。
https://www.niid.go.jp/niid/ja/from-idsc/493-guidelines/12075-excess-mortality-r-230514.html

「超過死亡の迅速把握」 留意点 2023/6/9 (国立感染症研究所)

迅速に報告できる自治体ですから、
地方の過疎地をイメージされるかと思うんですが、
いつも翌月の2日頃に出ているのは、
旭川市、北見市、日立市、川口市、茅ヶ崎市、
姫路市、明石市、伊丹市、高松市、久留米市
といった、そこそこの自治体になります。

問題なのは、死亡数が増えている自治体というのは、
発表がいつも遅くなる傾向がある
ということです。

そして、これまで感染者数が減っていたのに
超過死亡が出ていた時期というのが、
政治的に考えて、とても怪しいタイミングだった
というのもあるんですね。

たとえば昨年中は、
無料のPCRだとかをしていた関係で、
非常に高い相関係数が出ていたんですが、
それが9月に終わった直後の10月に、
この食い違いが生じていたんですね。

そしてこの10月に、何があったかというと、
全国旅行支援」が始まり、
GoToイート東京」が再開し、
海外からの入国者数が激増するという
これだけのことがあったわけなんですね。

そして、公明党にとって
最も重要とされる統一地方選挙が、
目前に控えていたわけなんですね。

2023年10月26日の追記事項



いま、速報概数とを グラフで比較してみたんですが、
今年の3月だけ何故か大きな差が出ていて、
増えていたのが帳消しになっています。

死亡数の推移グラフ(速報と概数の比較)


感染研の「超過死亡の迅速把握」について
私が書いて指摘したからなんでしょうかねぇ。

グラフを見るとわかると思うんですが、
これは少なくともコロナ以降では初めてのことです。

それと、マスメディアが
この迅速把握について、
どの程度報道してきたのかを調べてみたんですが、
5月ごろまでの増えていないという記事を最後に
報じられてこなかったみたいなんですね。↓

Googleで「超過死亡の迅速把握」を検索した結果↓

https://archive.is/gUThc

Googleで「超過死亡」を検索した結果↓

https://archive.is/q2MjM

ご存知のように、8月は「第9波」ということで、
感染者数、死亡数、共に増えていたと考えられるんですが、
あまり把握できていなかったようなんですね。↓

https://twitter.com/triangle24/status/1717143740345933935


超過死亡の迅速把握 2023年9月24日までの報告

超過死亡の迅速把握
2023年9月24日までの報告↓

掲載日:2023年10月20日


参加自治体数と直近8週間の超過死亡の発生状況(単位:人)

では、3月は本当に少なかったのかというと、
人口動態・概数(ほぼ確定値)の死亡数の推移がこちら。↓

こうした超過死亡の主要な原因が
高齢化であるだとか、免疫の低下によるものだとすると、
月によって大きく振れるということはまず無いと思うんですね。

ということから、
この感染研の「迅速把握」を見ているだけでは、
こういう数字が、国民には全く伝わって行かない
ということはいえると思いますね。

2024年6月8日の追記事項



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