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IDEA:評価制度の土俵に乗らないというオプションをもっておこう

最近は、まだまだ駆け出しの社員数が少ないベンチャー企業でも評価制度をしっかりと導入している。会社の業績をあげるには社員に頑張ってもらわねばならない。そのときのモチベーターのひとつの要素として「評価制度」というツールがある。もちろん、モチベーションをあげるための施策として働き方の柔軟性や働く環境の整備などもある。

そのなかでもやはり会社員のモチベーションの上位にくるのが評価だろう。

人間は、属しているコミュニティ(会社/組織)において、自分もそのなかの大切な一員だと認められたい生き物だからだ。コミュニティに自分の居場所があるのかどうか気になるのだ。

評価制度による個人評価で、会社の業績をあげることに繋がるような貢献(奉公)をした社員に昇給やストックオプション付与、昇格という御恩がある。

これは目に見えるカタチでの御恩だ。

ただ、毎月の収入がアップするという事実に対して人間が満足感や嬉しさを感じるのは、上がったという結果を知ったその瞬間だけだ。給料が振り込まれるたびにモチベーションがぐんぐんあがるなんてことがあったら奇跡だ。

だからといって、昇給や昇格が悪いことには思わない。むしろ自分がしっかりと貢献できたという証なのだから喜ぶべきことだ。

どベンチャー企業だったり、予算のなかで分配しきれない社員もいたり、昇給や昇格が叶わないこともある。

それでも、というか、そういう時こそ、目には見えない御恩を与える。

  1. 被評価者を業務を通してしっかりとみていたことを伝える(評価している姿勢を表す)

  2. 会社が求めていること(評価に繋がること)に対し被評価者のEQ的強みとIQ的強みが活かされる目標(ネクストミッション)を設定する

評価と目標設定

これは昇給や昇格よりもより大きく、長続きするモチベーションを生み出す。

人間は、コミュニティのなかで認められた感覚があると、次はそこで自分のポジションを確立しようとする。その過程で組織にさらに尽くすのだ。はっきり言ってこれには終わりがない。

ただ評価制度が整っていて、かつ、メンバーのさらなる貢献を引き出せる評価と目標設定アドバイスをできるマネージャーはそこまで多くない。(自分の体感)

日々の業務におけるマネージャーとの関わり方や評価の仕方への不満が積もり積もって、「いても無駄、言っても無駄」という心理が生まれてくる。組織に尽くすモチベーションが消失していく。

会社やマネージャーが求めていることだけを押し付けられるような評価や目標設定ならば、もはや評価制度の土俵に乗ることすらやめてしまおう。

社員のEQとIQを活かそうとしない会社やマネージャーには、寝ずに一言も発せずに働き続けるロボットをプレゼント(提案)してあげるといい。

KEY BENEFIT:興味関心を追求できる

評価制度の土俵に乗らないことで、自身に向いているスタイルで自身が得意としていることを突き詰めることができる。一応、企業に属しているので、ガン無視というわけにはいかないだろうが少なくとも顧客のためになること(マネージャーに提示された目標と多少ズレてはいても会社のためになること)の視点を持っていれば大丈夫。

会社だけでなく学校などある程度の順位付けされる組織においてよく感じる「努力は報われない。目立った者勝ちだ」という沸々と沸き上がってくる怒り。評価が眼中になければ、そもそもそんな感情にもならない。

ナシーム・ニコラス・タレブは『反脆弱性』のなかで、こんなことを言っている。

他人の評価に依存するのは健康に悪いのだ。人間が他人を評価するやり方というのは、残酷で不公平だ。

『反脆弱性 上』

評価を気にせず働いていれば精神を病むこともないし、上司に忖度することもなくなる。

なにより、人間らしい感情のある働き方ができるはずだ。

HOW TO MAKE IT WORK:イエスマンにならず自分で自分の道をつくる

会社のなかでの評価は単なる評価でしかない。社員のモチベーションを上げるためだったり、昇給や昇格の判断材料にしたりするためのものというだけだ。どう評価されていようが、外ですれ違う人はそんなの知り得っこない。

働いている自分がいちばん、やっていることにモチベーションがあるのかどうか、興味関心が高いのかどうか、強みを活かせているのかどうか分かっているはずだ。

金儲けのために設定された目標を達成しようとロボットのように仕事をこなすより、自らの好きと得意を存分に発揮できる仕事をこなすほうが充実した人生を送っていると感じられる。

自分に適した環境を見つけ、そこで強みを発揮しまくること。ただひたすらこれに尽きる。

今いる環境(会社/組織)が、自身の強みを理解しようとせず、それを評価しようとしないなら、どう評価されようが構わない立場でいよう。

何より「専門性」は重要です。小さな事でもいいから、「自分にしかできないこと」は、その人材を欲するに十分な理由だからです。専門性を高めていけば、「魔法を使う側」になることができるはずです。

『これからの世界をつくる仲間たちへ』

だれにでも適材適所はある。他人にはできなくて自分にはいとも簡単にできることを極めながら、それを発揮できる場所を探し続けよう。

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