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中国の病院の妊婦健診、お子のワクチン接種&健診ってどんな感じ?

中国での家族3人生活も1ヶ月以上が経ち、だいぶ新鮮味がなくなってきたと言いますか、それだけ当たり前にこなせるようになってきたのだなと感じている日々です。

今日は、日本の病院との違いが見えて面白いかな?とも思うので、中国の病院での経験をまとめてみたいと思います。


〈前提情報〉
・海外での妊婦健診・出産・子どものワクチン・健診は、一般的な海外保険の保証対象外。勤務先の福利厚生に含まれていれば企業負担、なければ自己負担(国民健康保険の被保険者であれば、国内同様、出産育児一時金はあるかと)
・参考としたのは、外国人の駐在ファミリーがよく使う私立病院(外国語対応あり)。中国の現地の方が行く病院よりはるかに高いが、このくらいの水準に行かないと、日本の病院に近しいサービスは受けられない
・私は妊娠30週から日本の実家に里帰りしていたので、中国での出産は未経験
・妊婦健診は2023年当時のもの@北京



①妊婦健診

日本では、「妊娠検査薬で陽性が出たらすぐに病院へ」と言われますが、こちらでは、妊娠6-10週は妊婦健診とは別パッケージとなっており、それはそれでお金がかかります(病院にもよるが1回の診察に2〜10万円のイメージ)。そのため早期の健診には行かない方もいます。一般的には妊娠12週(妊娠4ヶ月)から健診が始まります。

下記がおおまかなスケジュールです。

妊娠12週(4ヶ月):通常診察(体重・血圧・医師診察、尿検査)、血液検査、エコー検査、出生前診断(NIPT)検査
妊娠16週(5ヶ月、安定期突入):通常診察、ドップラー胎児心拍
妊娠20週(6ヶ月):通常診察、血液検査、エコー検査
妊娠24週(7ヶ月):通常診察(+ここからは子宮底長)、ドップラー胎児心拍
妊娠28週(8ヶ月、妊娠後期、ここから2週間に1度健診):通常診察、血液検査、エコー検査
妊娠30週(8ヶ月):通常診察、ドップラー胎児心拍
妊娠32週(9ヶ月):通常診察、エコー検査
妊娠34週(9ヶ月):助産師診察、通常診察、ドップラー胎児心拍
妊娠36週(10ヶ月)からは毎週診察、エコー検査はどこかで1回


日本との違いとしては、
①出生前診断(NIPT)は基本的に全員受ける(パッケージに含まれている)
②胎児の性別を事前に伝えることは法律で禁じられている(もっとも外国人に対しては緩いが、教えてくれない病院もある)
③エコー検査は2ヶ月に一度、検査技師さんが対応(毎月見てもらえないのは不安だが、検査の日は毎回30分程度、超絶丁寧にやってくれる)
④担当医がつくので、毎回同じ先生に診てもらえるという安心感あり

妊婦健診費用は、私立病院の間ではそこまで差は開かず(※私調べ)、20,000元前後(約40万円)。これはパッケージ価格で、都度健診費用を払う場合にはもっとします。
出産費用(2泊3日の入院費込)の方が病院によって差が開きます。英語対応のみの病院は約47,000元(約100万円)、日本語対応もある病院は、自然分娩66,000元(約130万円)、無痛分娩は+10,000元、帝王切開になれば更に+10,000元…となり、車が買えそうな価格帯です。

入院期間は2泊3日と短いので、こちらで出産する駐在員ファミリーは、予定日に合わせて、家族呼び寄せビザで日本から家族に来てもらうか、現地でアイさん(nannyさん)を雇っている方が多いです。月子中心(産後ホテルのような場所)に行くこともできますが、これまた安くはないんですよね(28日間最低5万元(約100万円)程度。下記のnoteでも紹介しています)。


ちなみに、中国の公立病院は、私立病院より遥かに安い価格で出産できるそうなのですが、無痛分娩は選べない、どうしても痛み止めがないとまずいと判断された場合に初めて入れてもらえる、なども聞きました(中国の友人談)。最も病院にもよるのかもしれませんが…。そもそも外国人も同じ価格帯で出産できるのかわかりませんが、言葉の壁があるだけでなく、慣習も色々違ってくるので、駐在員ファミリーにとってはここでの出産はなかなかしんどいなと思いました💦

日本の産院では、健診〜出産はもちろん、入院中の育児指導、母乳指導…それらがきちんとあって、かつ出産育児一時金、自治体補助(健診費用だけでなく、今は妊娠届を出すと5万円、生後1ヶ月の助産師指導を受けると応援金5万円もらえるんですね ※金額は自治体による)があり、質が良い&比較的安価なサービスが実現していると感じました。


②お子の健診とワクチン接種はセット

生後1ヶ月を迎えたところから、小児科での健診に移ります。
基本的には、生後Xヶ月のタイミングで医者の診察を受け、問題ないことが確認されたらそこでその月に接種するワクチンの接種許可が下りる、というのが流れです。
そのため、健診とワクチン接種は同じ病院でセットと考えます。ワクチン接種は、医者の診察がなければできません。

健診の内容は、日本と基本的には変わりません。下記は、生後3ヶ月の健診の例です。

・身長、体重、頭位測定
・心音確認
・目の動き、聴力
・手足や関節の動きの確認
・体が綺麗に洗えているか…etc


予防接種の種類は日本とそれほど変わりませんが、下記が異なる点です。
①出生時にBCG、B型肝炎接種(結核患者数が多い国であるため)
②同時接種不可、一日一本のワクチンしか接種できない
③次のワクチンは15日以降に接種

こちらで出産したママさんたちは、ここからしばらくは2週間おきに病院に通います。(月1で医者の診察&予防接種、2週間後は予防接種のみ、という感じで繰り返します)
私の知る限り、同時接種をしてくれるのはこちらの北京VISTA MEDICAL CENTER のみです。こちらを選ばれるママさんたちもいます。


そして、気になるお値段ですが、結構かかります。

①医者の診察料が高く、一回で500-1500元(約数万円)程度と病院や担当医によってばらつきあり
②ワクチン代は種類によって価格が変わり、だいたい1本700元(約1万5千円)前後

医者の診察費も、パッケージでまとめて買うと安くなるので、我が家はそれを活用しています。現地の私立病院で健診&予防接種を全て自費で、となると、20万円は悠に超えそうです。

日本ではワクチンも、乳幼児健診も、自治体の補助がありますが、これはとても恵まれていることなんだな、と最近ようやく実感しました。


以上、中国の病院における妊婦健診、子どもの健診&ワクチン事情でした。

ふと、他国の駐在ファミリーの方々も、いろいろな苦労があるんだろうな、他国の事情も覗いてみたいな、と思いました。



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