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中国で書をはじめる。
「何か中国でこれぞ!という特技を身に着けるぞ」
そんなやる気満々で中国に来て、まず始めてみたのが書道。実は、これが想像以上に楽しくて、気付けばもう1年。週1で通い続けている。
因みに、日本での書道歴はゼロ(学校の書き初めで少し触った程度)。
今日は、そんなザ・初心者な私が思う、中国で書道を習うことの魅力について書いていきたい。(トップ画はこの夏、扇子に書いた私の作品(隷書)。「何かをすることを楽しみ、それに喜びを感じる」というような意味☺️)
①漢字のルーツを知るのが楽しい
初回レッスンで、どう文字が生まれ、どのように変遷して今の形になったのか…そんなことを教えてくれた先生。中国語で翻訳機を使いながらだったので、当初はなかなか意思疎通が図れなくてお互いに大変ではあったが。(先生、感謝しています🌷)
いかに綺麗な字を書くか、ではなく、昔の人はどんな形に美しさを覚え、それを文字に落として行ったのか。背景を理解しながら作品を作っていく。そういった探究の仕方は自分に合っていたのだろう。いわゆる古代文字も、やればやるほど読めるものが増えてきて、とにかく楽しいのだ。
たとえば、「美」という字。
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これは、元々は男性が頭の上に大きな飾りを載せている象形文字から発展してきた字。「昔の人はこのような姿に美しさを感じていた」、そこからスタートしている。
また、たとえば「秋」という字。
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「秋」の元となる象形文字は、コオロギに似ているそう。これはコオロギが秋に鳴くことから「秋」の象徴となったそうで、秋に穀物を収穫後、火でわらを燃やし、ついでに害虫駆除する意味も表しているそう。
こういう背景を知ると、なんだか無性にワクワクしてしまう。(私だけかな?笑)
そして、授業で学ぶだけでは物足らず、本も色々購入してみた。
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イラストが多くて読みやすい
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これ一式あれば大体のことは分かる
熟読はしていないが、ふとしたときにパラパラと辞書のようにめくったりして使っている。遊び心のある学びは本当に楽しいし、続けられるコツだと思う。
②それぞれの書体の美しさに興味津々
「どの字体を練習したい?」
そう問われ、「え、むしろ幾つあるんですか?」
全くの無知だった私。
結局は時系列順にやろう、ということで、篆書から始めた。
篆書(てんしょ)…中でも小篆。秦の始皇帝が定めた公式の書体。紀元前3世紀ごろ。
隷書(れいしょ)…後漢の時代。紀元後1-3世紀ごろ。
楷書(かいしょ)…唐の時代。7-10世紀ごろ。現在、中国でも日本でも主に使われるのがこちら。
ほか、行書、草書があるが、詳しい違いを理解できてないので割愛。
各書体の中にもまたそれぞれ流派なるものがある。例えば、下記のアプリで「水」という字を調べてみると…。
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こんなにたくさん!(これもまだ一部)
流派によって筆の使い方も違ってくる。
篆書の美しさは、太さが一定で、左右対称なところにあり、隷書は当時の建築物のように横に長く伸びる美しさがある。隷書からは太さも一定ではなくなり、筆がダンスするような動きをし始める。そして楷書は、兵隊の行進のように規律があるところに美しさがある。
書道といえば「トメ、ハネ、ハライ」と思っていた私。いやいや、もっともっと多様性に溢れた芸術の世界なのだと、中国に来てから知ることができた。
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③詩書画への造詣が深まる
中国文人の理想といえば、詩書画。
詩を詠めて、書に長けていて、画も書ける。
作品は、唐代や宋代などの、過去の有名な詩が練習の題材になったりもしているので、そういった詩の内容、詠んだ人、時代背景などに思いを馳せられるのも楽しい。書道を通じて知った言葉も多い。中国語の勉強にもなっている。
また通っている教室の面白いところでもあるのだが、水墨画にも挑戦させてくれるので、とっても楽しい。
一度習ったのは、古代の石窟や建築物に絵を描くときの手法。まずはペンで下絵を描き、その上から墨で描き、その後に色を施す。そんな一連の流れを経験した前と後では、遺跡を実際に見たときの感動もだいぶ変わってくるなと感じる。
こういった点も、書道をたしなむ一つの楽しみと思っている。
こんな字を書いてみたい!
北京にある中国美術館では定期的に特別展をやっている。この夏行ったときには、書道作品がたくさん飾られていたので興味津々。美しいと思った作品を少しだけ紹介したい。(いつかこんな風に書けたらな…✨)
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各字体の特徴を何となく掴んで頂けただろうか。
個人的には、その物珍しさから、甲骨文字、篆書、隷書に興味津々だ。なんて書いてあるか読めない!みたいな作品って少し謎解きをしているみたいで面白い。
「甲骨文字オタク」を名乗れるくらいには、もう少し覚えて帰りたい、とすら思っているほどなので、こちらはまた何か進捗があれば書きたいと思う。笑
以上、中国で書道を習うことの魅力について、でした🌷
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