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メッシの中国人気は凄まじいと思う件。


6月15日にメッシがオーストラリア代表と親善試合をしに北京に来る。


サッカー少年を持つお母さんたちからそんな話をチラッと耳にしていたが、自分には関係のないことだと思っていた。

しかし、先週末。
涼しい時間帯に散歩でもしようかと歩いていたら、とあるホテルの周辺が相当な人だかりに。
土曜日も、日曜日もずっと変わらない。
そうか、メッシが来たのだ。そこで合点が行った。

ホテルの入り口や、ホテルの部屋の中まで写真を撮ろうと、ずっとカメラを向けて写真やビデオを撮るファンたち。そして、彼らを囲む警官たち。
とはいえ、都合よくメッシが映るはずもない。
一体何を撮っているんだろう、という人々が大勢いる。

そして今週は、いつの時間帯に外を歩いても、アルゼンチンやバルサなど、メッシのユニフォームを着ている人を山ほど見かけている。

なぜこんなにも彼は、中国で大人気なのか。
サッカー観戦歴は人生で一度だけ、一番サッカーを語ってはいけないであろうこの私が、頑張って考えてみた。


メッシの中国での知名度

現在の中国TOP3 と呼ばれる人気サッカープレイヤーは、
Weibo (中国版Twitter)のフォロワー数でみると下記の通り。
(2023/6/16現在)

クリスティアーノ・ロナウド 8.5百万人
メッシ  8.1百万人
ネイマール 7.4百万人

因みに、ロナウドとメッシは、
Instagramでは2023年時点でフォロワー数が世界TOP3。

https://seisu.co.jp/instagram-follower-ranking/

フォロワー数だけで語ってはいけないとも思うが…
中国ではマンチェスター・ユナイテッドが人気な影響もあり、ロナウドはずっと知名度が高く、一方でスペインでのキャリアが主なメッシは、当初はそこまで知られていなかったそう。

中国でメッシの知名度が上がったのは、2013年に少数民族であるリー族ミャオ族が住む自治区への寄付の影響が一つにあるそう。
琼中(けいちゅう)と呼ばれるこの自治区は、中国南の海南省に位置する。

地図で見ると、こんな場所(Wikipedia)

2006年に女子サッカーチームが立ち上がるも、当時は経済的に困窮しており、コーチ自ら野菜を育てて、選手たちに食べさせていたというエピソードも。十分な資金がないなか、2009年には全国U16女子サッカー大会で3位に躍進、2010年には海南から初の快挙となる、全国U18女子サッカー大会に出場する。

彼女たちの活躍に心打たれたメッシは、2013年、チームメイトのイニエスタと共に、サイン入りジャージを寄付。サイン入りジャージはオークションで3万元(約50万円)以上の値がつき、そのお金で少女たちにサッカーボールやシューズを買う事ができたと、当時のコーチが感謝を伝えている。
このニュースは、中国国内でかなり注目されたそう。


中国企業とのタイアップも、彼の知名度を押し上げている要因だ。

▶IT大手企業のHUAWEI。

https://huaweiarmenia.am/gb/blog-post/8

▶乳製品大手企業のMengniu。

https://www.sportspromedia.com/news/messi-signs-chinese-deal-mengniu/?zephr_sso_ott=xznglL

それから、Adidas, Pepsi, Mastercard, Budweiser…
これら企業のアンバサダーだけあって、中国国内でも彼をふと街で見かける機会は多い。

試算の仕方がよく分からないため鵜呑みにしてよいのか分からないが、中国2大Eコマースである淘宝(タオバオ)上のマーケットプレイスについてはこんな報告もある。
アルゼンチンの2022年W杯活躍により、メッシはネット販売価値指数がトップランクに、更にメッシの中国での保有価値はロナウドの2倍、ネイマールの4倍になったとのこと。
(つまりサッカー選手としてはNo.1)

サッカーだけでなく、インフルエンサーとしての活躍も目覚ましいメッシは、中国では特に90年代以降生まれの若いファンが多いそう。

メッシのWeiboは、必ずスペイン語&中国語併記で投稿されているのも、中国人ファンへの配慮が伺える。


中国のネット上では、メッシファンを「梅吹 (Mei Chui)」と呼ぶスラングもある。
元々"Mei Chui"とは、「梅の花の形をした角」の意味で、古代中国で兵士を鼓舞する為に使われていた軍楽器。
中国人のアルゼンチンファンが、中国の特色を生かした応援をするべく、これを模して「ブブゼラ」のような笛を作ったそう。
2022年のW杯開催中、多くのアルゼンチンファンが、スタジアムの外でこの笛を吹き鳴らし、大きな音でアルゼンチン代表への応援を表現したとか。
転じて、筋金入りのメッシファンのことを、「梅吹」と呼ぶようになったそう。

それにメッシは中国語で「梅西(Mei Xi)」。
梅の漢字が上手にかかっている。


結論、サッカーを知らない人も、メッシだけは知っている。
これが中国国内での実情だろう。


北京での親善試合

そんなメッシの今回の訪中はどんな感じだったかというと…

到着時からものすごい人に囲まれている😱

一応、今、コロナ第二波の真っただ中なんだけどね…すごい人…


当日は中国各地から7万人のファンが訪れたというスタジアム。
チケット代は、400ドルから680ドル(約5万6千円~9万6千円)という高額で販売も、あっという間に売り切れ。
チケットを持たないファンも数千人、メッシのユニフォームを着てスタジアム外で試合の行方を見守っていたとか。

これだけのプレッシャーがかかるなか、開始81秒で1点先取するメッシ!
そして、2-0でアルゼンチンの勝利!
やはり一流はメンタルも一流なのだと実感…。

試合途中、ファンが乱入して騒ぎにもなっていたが。

乱入を止めようと追いかける保安も笑顔なのなんで笑(weibo)


そんな私の唯一のサッカー観戦歴

実はこれまでに一度だけサッカーの試合観戦に行った事がある。

それは、2011年夏のスーペルコパ・デ・エスパーニャ。
FCバルセロナ VS レアル・マドリードの決勝戦だ。

…自慢話ですね、はい。

ちょうど夏休みの1ヶ月間、大学の短期留学プログラムの一貫でスペインのマドリード近郊に訪れていた時の話。
「この名試合は観に行かなきゃ!」と、女友達と二人で急遽1泊2日でバルセロナのカンプノウスタジアムへ。
お金を浮かせるため、夜はホテルに泊まらずバーホッピングしながらオールするという、まあ、怖いもの知らずの二人だった訳だが。

メッシ率いるFCバルセロナと、ロナウド率いるレアル・マドリード。

結果は3-2でFCバルセロナの勝利。超接戦のなか、蛍光色の靴を履いたメッシがゴールを決めたときの、あのスタジアム中に湧き上がる歓喜は、今でもまざまざと思い出す。

その時に思った。
私のサッカー観戦歴はメッシに始まりメッシで終わる事で悔いはない、と。

この先、男の子が生まれてその子がサッカー少年にでもならない限り、私は試合を観に行かなくていい。

割と本気でそう思っている(笑)

大勢の中国人ファンを抱えるメッシだが、たった一人の特別なサッカー選手として私の心の中にしかと根付いているのも、これまたメッシなのであった。



<参考にした記事>
https://thefootballlovers.com/football-questions/how-popular-is-messi-in-china
https://daoinsights.com/opinions/who-are-chinese-football-fans-favourite-players-and-why/
http://en.people.cn/n3/2022/1216/c90000-10185008.html
https://www.businesswire.com/news/home/20221206005550/en/
https://news.yahoo.co.jp/articles/ab1603b5bffa5cd2c724a27b17a324d1e2cc2068


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