善意のタダ乗り~定額働かせ放題~
こんにちは。
このブログでは「自分の人生を自分らしく生きるために」をテーマに教育、子育て、転職、投資などの話題や情報をお届けします。
ある記事が気になりました。
教員不足を受けて教員の働き方改革の一環で、文科相の諮問機関、中央教育審議会の特別部会が今月に出した審議まとめで給特法の抜本改正が見送られ教職調整額が4%→10%になったということに対しての批判に対して文科省が否定したという記事です。
教員給与特措法(給特法)とは
教育という仕事に終わりはない
授業研究、明日の準備、課題のある子どもの対応検討などなど、教員という仕事はやろうと思えば無制限にやることがあります。だから、その部分を「教職調整額」という形で手当しようという考え方です。
10%ポッキリ!定額働かせ放題!!
まず、はっきりいって調整額が少なすぎます。
教員の平均残業時間は80時間と言われています。まずこの時点で労働基準法オーバーなのであえて45時間としてみます。
新卒でもいきなり担任を任されるなど、基本やることは変わらないので新卒給与の22万円で考えると45時間残業して10%だと2万2000円の残業代になります。
ちなみにやってられるかとあえて残業を一切せずに残業時間0でも2万2000円です。
これが定額働かせ放題でなくて何なんでしょう。
教員が欲しているのはお金ではなく時間
ただ、そもそも問題はお金ではなく時間です。
良くしようと思えば、無限に出来る仕事に対して一人の人間が持ち得る一日の時間は24時間です。
その為、するべき改革は人を増やすか仕事を減らすかです。
もう何十年も教育現場の労働環境が問題になっています。さらに教師になろうという人も減っていて、教師に限らず多くの仕事で人材難になっています。
それにも関わらず、国はこの制度を維持しようとしています。
一企業が同じことをしたらどうなる?
これが私が勤めるような一般的な企業でこんな制度になっていたら残業なんて出来るだけしません。なぜなら、残業してもしなくても一緒だからです。
通常、この制度は残業をしないインセンティブが働く制度です。
実際、電通の働き方改革では残業代は今までどおり出すから残業はするなということで成果を挙げられたそうです。
善意にタダ乗り
時間内だけ仕事して帰れば基本的にはお得な制度です。
しかし、教育という仕事を、しかもマスコミにこれだけその働き方が取り上げらる中、あえて就こうとしている人は志の高い、子どものために何かしたいという人の集まりです。
そうした人はお金の為ではなく、子どもの為にと無理をしてでも働こうとしてしまいます。
それを止めるには、最善は人を増やすことですが、せめて普通に残業代を払う制度にし、持ち帰りも禁止することで、働かせる側に過剰な仕事を止めさせる様にすることです。
この国は善意のある人に甘えタダ乗りしようとする人が多すぎるように思います。
特に、国、行政、大企業、経営者といった権力や財力など力を持った人たちに特にその傾向が強い様に思います。
経営者や利益受領者(客、保護者など)が最も重視すべきは目先のコストではなく、持続可能性です。
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