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春から大学生になる皆さんへ

明日で国立大学の前期試験合格発表は終わってしまう。
新傾向になってしまった共通試験に、初めての緊張と不安で堪らなかった現役生も、去年悔しい思いをしてこの1年必死の思いで机に向き合ってきた浪人生も、たくさんの受験生がいて。
大学受験は非常に倍率が高い。全国で50万人前後が一斉に受験し、たった1日で自分の人生が変わってしまう。特に国公立は卒業後に合格発表があり、その日に近づけば近づくほど、鼓動が速くなり胸が苦しくなる。
私も受験生時代その50万人のうちの1人として同じように過ごした。
そしてその年の春、憧れていた京都大学の門を叩いた。
そんな大学受験と向き合った中で、自分の受験時のエピソードを1つ届けたい。
この受験体験記をコロナ禍で苦しい思いをした全ての受験生に捧げます。

私はなにより地元を離れて早く一人暮らしをしたかった。
18年間過ごした街は決して住みにくい街ではなかったし、むしろどちらかといえば都市でありながら海も山も抱えた自然溢れる素敵な街だった。
しかし当時18歳の自分は、大学の進路とそこでの出逢いを後の50年間の将来を左右する非常に重要な選択だと感じていたし、実際大学生活や就職活動を通して、地元に居座ったままでは得られない人や情報との出逢いがあったと思う。
大学受験に高校生活3年間の全てを懸けた私にとって、この街は戻る場所であっても居座り続ける場所ではなかった。
受験がいよいよ1年後にまで差し迫り、進路について本格的に考えるようになった高校2年生の秋、私は自分の実力を鑑みていくつかの大学を進学先の候補として考えるようになった。
その1つが京都大学だった。京都大学には最も多くのノーベル賞受賞学者を輩出しているという学術的功績があるだけでなく、カレー部をはじめとして数多の珍妙滑稽なサークルが在学生によって乱立しているという。
私はそんな偉人変人多き京都大学に憧れ、由緒ある街京都での4年間の大学生活を夢見るようになった。

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