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「言った」vs「聞いてない」の水掛け論を回避するコツ〜コミュニケーションの真のゴールとは〜

山本です。
ぼくはプロフィールにもある通り、プロコーチであり、研修講師です。
もう少し言うと、コーチングもコミュニケーションをかなり使いますし、研修だってコミュニケーションを介して、ビジネススキルを教えています。ズバリ、コミュニケーションがテーマの研修も年間40〜50本くらいは登壇させていただきます。

そんなぼくが感じていること。
それがタイトルにあるように『コミュニケーションのゴール』を勘違いしている人が多いことです。

コミュニケーションの正しいゴールとは?

そもそも、コミュニケーションは何のために行うのでしょうか?
特に、ビジネスにおけるコミュニケーションを考えて欲しいのです。

ビジネスにおけるコミュニケーションの目的は「仲良くなるため」ではないはずです。
仮にそうであっても、さらにその先に上位目的があるはずです。

例えば、ぼくも経験した営業という仕事。
もちろん、毎回が商談になることなどはなく、ほとんどが「仲良くなるため」であり、お客様との関係性を良い状態で保つためのコミュニケーションがほとんどでした。
しかし、それにも『契約を取り付けるため』という上位目的が存在します。
ただ単に「仲良くなること」が目的ではないのです。

さて…、では何のためでしょうか?

仕事を円滑に進めるため?
お客様を喜ばせるため?
ミスをなくすため?
仕事を覚えるため?
時間短縮のため?
連携強化のため?
作業確認のため?

考えれば考えるほど、たくさん出てくるかもしれませんね。

先ほど、『上位目的』という言葉を使いましたが、目的にはすぐ目の前の『下位目的』と、その先にある『上位目的』があり、最も根源的な目的を『最上位目的』と言ったりします。
(この考え方は、『学校の「当たり前」をやめた。(工藤勇一著)』から学ばせていただきました)

さて、ビジネスコミュニケーションの最上位目的は、いったい何でしょうか?

それは、
『合意を取り付けること』
です。
別の表現をすると『納得』とも言えます。

例えば…、
仕事で出された指示や依頼を受ける時にも詳細情報を聞き、その指示や依頼の内容に合意して引き受けますよね?
また、商談も同じくです。商品や価格、納期などを説明して、その内容に合意してもらって契約となりますよね?
あるいは、引き継ぎだってそうです。これまでの情報を伝え、その情報に合意してもらった上で、次のタスクを引き継いで行きますよね?

コミュニケーションの最上位目的は『合意を取り付けること』なのです。
単に仲良くなることは、この最上位目的を達成するための一手段でしかありません。

合意・納得させるためには具体的にどうすれば良いの?

さて、では、『合意を取り付ける』あるいは『納得する』ためには、何が必要でしょうか?
このポイントがわかれば、コミュニケーションの精度、つまり『伝わる度合い』はグンと高まりますよね。

ここで、アメリカの文化人類学者であるエドワード・T・ホール博士の『納得の構造』を用いてご説明します。

ホール博士は、人が納得するには2つの要素が必要であることを教えてくれています。1つは「論理」、もう1つは「感情」です。論理とは、言葉で言い表せる情報やそれらが筋道立てて整理されている状態、あるいは見て明らかな態度などを意味します。そして感情とは、気持ちや言葉では言い表せないニュアンスや雰囲気なども含むと考えてください。この2つが揃うことで、人は納得するというのがホール博士の意見です。

確かにそうですね。
例えば、仕事の指示を出された時、「いつまでに〇〇をやって欲しい」と論理的な部分を理解できても「いや、私だって忙しいし」と気持ちの面で納得できないこともあります。
また、新規プロジェクトのイメージを聞かされ「おっ!なんだかおもしろそう!」と感情が動き、興味関心が湧いたとしても「具体的なプランはまだ全く決まっていない」と論理面が満たされないと、「まぁ、動き出したらでいいか」って感じで納得度も下がりませんか?

また、論理は左脳、感情は右脳が扱っているとも言われていますよね。で、ぼくたちは両方を使って考えたり、判断したりすることを考えても、両方必要なことはイメージつきますね。

ということで、論理と感情を両方満たすような話し方をしてあげると、相手は合意、納得してくれやすいということです。

ただし!
ホール博士はこうも教えてくれています。

「論理」と「感情」のバランスは、人それぞれ違うし、国民性や男女、職種によっても異なる。

ということなので、論理と感情の両方を満たせるように話しつつも、相手の傾向をみて伝え方を工夫してみてくださいね!

傾向の違いを攻略!納得を引き出す話し方

さて、ここから先は、さらに詳細な情報になってきますので、必要な人だけご購入して読んでいただけると幸いです。

国民性・性別・職種のそれぞれの具体的な違いや、論理的に伝えるコツ、感情に訴える話し方のコツをご紹介していきます。


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