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あなたは未来の難問を答えられるか?『クイズは地球をめぐる』/クイズのはなし①

子どもの好きなもの、それは「クイズ」と「ダジャレ」である・・・というのは僕の偏見だが、実際そんなに的外れな話でもない。

子ども向けの雑誌やWEBでは、必ずクイズが付いてくるし、ダジャレと言えば子供たち大人気の児童書「かいけつゾロリ」シリーズがある。実際に子供たちと遊ぶ時に、クイズとダジャレを用意しておけば、かなり間が持つ。


そして、子供向け雑誌と言えば、小学館から発行されている「小学8年生」がある。かつては、ドラえもんが連載のメインとしていた学年誌は、「小学一年生」から「小学六年生」までのラインナップがあっただが、次々と休刊してしまい、残ったのは「小学一年生」のみ

「小学8年生」は「8」という字をデジタル表記した場合に、2、3、4、5、6とどの数字にも変化できるという意味合いで、ネーミングされたと聞く。

うちの子供もご多分に漏れず、「幼稚園」から定期購読が始まり「小学一年生」に進学したものの、その後はいきなり「小学8年生」を購入している。


「小学8年生」では「ドラえもん」の過去作が毎号一作収録されるが、その漫画のページの両脇の欄外に「クイズコーナー」がある。

「スネ夫のいじわるクイズ」と題されて、案外大人でもすぐに正解できない難問が載っていて、うちの家族は毎号これを楽しみにしているのである。

例えば、買ったばかりの号ではこんな感じ。

問:
「のび太が『きれた、きれた!』と騒いでいる。でも、見たところ血が出ていないし傷もない。一体どういうことだろう?」

すぐに正解できただろうか? 答えはページの最後に載せておくので宜しければ・・。



「ドラえもん」『クイズは地球をめぐる』(初出:クイズゲームマシン)
「小学六年生」1979年2月号/大全集6巻

冒頭、バットを持ったジャイアンからクイズが出され、のび太とスネ夫が答えを出しあぐねている。そのクイズとは・・

「東京タワーより高く飛ぶ方法は?」

というもの。結局時間切れで、のび太とスネ夫はバットで殴られる。「ポカポカクイズ」という何とも乱暴なクイズなのであった。・・・ちなみに答えは・・内緒。


帰宅したのび太はジャイアンのクイズ対策ということで、「クイズ解答機」を出してくれと無理なお願いをする。ドラえもんはクイズを解くにはコツがあるんだと言いながら、「アクションクイズ」という機械を出す。

これは未来のクイズゲーム機で、出題された問題を、未来の道具を使って実際に行動して答えるというもの。「行動」がポイントである。

何だか難しそうだが、のび太は「面白そう」と乗り気。そしてこの機械、クイズに正解すると金メダルが出るが、答えられないとカミナリが落ちるという罰ゲームが付いているという。


それでは早速、マシンを使って第一問

問:
「その場所でいますぐ海水浴をせよ」

制限時間は30秒。この陸地にいて海水浴などできるわけがないと、慌てるのび太。ドラえもんは早々に答えがわかってしまい、「タイムマシン」を使うというヒントを出す。

結局タイムオーバーで、のび太はカミナリが直撃して真っ黒こげに。なかなか体を張らせる遊び道具である。

そして解答コーナー。答えは「タイムマシンで場所はそのままで時代だけ大昔に遡る」というもの。遥か昔は東京は海の底なので、海水浴もバッチリできるのである。


続けて第二問。

問:
「時速1500キロ以上のスピードで走れ」

これまた難問である。のび太はタケコプターを使おうとするが、「走る」ことが必要となる。全く手がかりも浮かばぬままタイムアップ。カミナリが直撃する。

正解は・・・「どこでもドア」で赤道上に向かう。そしてここで東に向かって走ればいい、というもの。

この理由というのが、案外難しく、子供の頃読んだ時はイマイチ理解できていなかった。地球は自転しており、赤道付近では時速1500キロを超える。なので自転方向(東)へ走れば、それが1500キロオーバーとなるという理屈である。


のび太は二度のカミナリを浴びて、クイズが嫌になるが、このマシンでは4問ワンセットとなっており、残り二問を答えなくてはならない。嫌がるのび太に、お仕置きのカミナリが落ちる。とても厳しいマシンなのだ。

仕方なく第三問目。

問:
「一分以内に西から東へ地球を一周せよ」

これまた壮大なアクションクイズである。のび太では全く太刀打ちできず、機械に当たり散らすものの、非情にもカミナリを落とされてしまう。

さてその解答。これも子供の時にはわかったふりをした記憶がある。「どこでもドア」で北極点に行く。クイズの文言には「地球のどこ」という指定はなかったので、北極点をグルりと回れば、それが問題の答えというわけである。


さて4問目、最終問題である。マシンのボタンを押すと「日光カメラ」と書かれた道具が飛び出す。そして問題は以下。

問:
「この日光写真を焼き付けよ。ただし、これは30時間連続で太陽に当てねばならない。途中で夜になると元に戻る」

最後の最後まで難問続きである。昼ばかり30時間も続くわけがない・・・と、のび太はほとほと困り果てる。時間切れが迫る中、のび太は「世界の果てまで逃げる」と言って、どこでもドアで部屋から飛び出して行く。

そこは世界の果て=南極。「アクションクイズ」は空を飛んでのび太を追う。徹底的にズルを許さない厳しい道具なのだ。残り時間が削られ、ついにタイムアップ。

するとパンパカパーンとファンファーレが鳴り響き、金メダルがマシンから飛び出す。なんと正解したのである。その解答内容とは・・・

「今(2月)南極は夏だから、ずっと陽が沈まないんだ」

というもの。未来のクイズは、とにかくスケールがデカいのであった。


さてさて、冒頭の「小学8年生」のクイズの答えをここで大発表。

<問題>
「のび太が『きれた、きれた!』と騒いでいる。でも、見たところ血が出ていないし傷もない。一体どういうことだろう?」

<答え>
ずっと正座をしていたので、しびれがきれた でした。

なお、ジャイアンが出したクイズについては、是非ともてんとう虫コミックス19巻をお手に取ってご確認下さい。



「ドラえもん」の考察をしています。


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