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訳あり客だらけ「21エモン」 つづれ屋・宿泊宇宙人名簿#1~12

21世紀の老舗オンボロホテル「つづれ屋」を舞台にした、近未来SFギャグマンガ「21エモン」。

この世界では、21世紀の初頭に地球が星間連盟に加入したことで、その後、科学が発展した星からの技術が取り入れられて、地球の生活は一変した。

宇宙人たちが、大勢地球に観光に来るようになり、つづれ屋も宇宙人対応のホテルへと改造を遂げる。しかし、隣につづれ屋の1000倍規模の巨大なギャラクシーホテルが建てられるなど、時代に取り残され、もはやホテル経営は風前の灯火となっていた。

なので、つづれ屋はいつも暇を持て余しているのだが、逆を言えば、そんなホテルを選んで泊まりに来る客は、何かしら事情を抱えているケースが多いご様子。

そこで本稿では、なぜかつづれ屋に泊まることになった訳あり宇宙人たち(一部地球人)を紹介していくことにする。どんな事情を抱えて、それはどんな宿泊をすることになったのかを見ていく。なお、名前のない宇宙人も多数いるが、それらは適当にネーミングした。

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#1.ササヤマ星人

記念すべき第一話でつづれ屋に宿泊する宇宙人。地球の空気では生活できないようで、宇宙服を着たままで地球に降り立つ。サービスを約束し、何とかつづれ屋に泊まってもらうことに。

惑星大百科にも載っていない星から来た「田舎者」らしく、エレベーターを部屋と勘違いしたりしている。食事は水銀のスープやニッケルの重油いため、銅板のステーキなど。材料費がかかりそうなものを好む。硫黄風呂に入り、背中のサビをヤスリで削ってもらったりして、くつろぐ。金属型の宇宙人のようだ。

自転周期が96時間の星なので、四日泊めてようやく一泊分の宿代しかもらえない非効率さ。しかも、何とお金を使わない種族であった。

結局、お代の代わりにペットにしていた「絶対生物」モンガーを譲り受けることになるのだが、これが功を奏することになる。

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#2.モンガーが呼んだ「大物」宇宙人

モンガーは3キロ以内であればテレポートをすることのできる生物であることが判明。ホテルをたたむ寸前だったところを、モンガーの能力を使って、反転攻勢をしかけていく。その一人目のテレポートしてきた宇宙人は、体が巨大な「大物」宇宙人であった。

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#3.モンガーが連れてきた宇宙人多数

確認できるだけで6人いる。客が増えたのはいいが、人手が足りなくなり、これを機に激安価格で、おせっかいなロボットのオナベを買ってくることに。

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#4.ワントナック公爵

ワンダラー星から来た犬型宇宙人。つづれ屋の古ぼけた感じに惹かれて泊まることになる。ワンダラー星は銀河系でも一番科学が進んだ星であったので、最新技術を駆使した都会の東京ではなくて、昭和村のようなノスタルジックな風景を大変気に入ることに。

このワントナックは、実はワンダラー星の大使で、お忍びでの行動であった。携帯用の電信柱でおしっこをするという特徴も。

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#5.ミリオネヤ星人

黒いボールがいくつも連なっているような外見で、相当なお金持ちの星から来たらしい。高額チップ狙いで21エモンは何かと気にして近づく。実は黒いボールだと思っていた部分が、それぞれミリオネヤ星人で、12人で一人のふりをして地球にやってきたのである。

無賃宿泊となったが、21エモンたちは許してやることに。しかし、置いていったミリオネヤ星の石ころが、なんと何億円相当のダイヤモンド。返そうと思っても、ミリオネヤ星人は、一度上げたものを返してもらうことが、一番恥ずかしく悪いこととされていて、受け取ってもらえない。

ちなみに次に悪いのが人殺しとのこと。宇宙人によって倫理観は異なるのだ。

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#6.オットセイ型宇宙人と、毛むくじゃら宇宙人

21エモンがパイロットになりたいと言い出し、それを止めようとするパパ、20エモン。家族会議が紛糾し、その間蔑ろにされてしまう二人の宇宙人。やがて喧嘩を始めた二人は、最終的に他のお客も巻き込んだ大騒動に発展してしまう。


#7.宇宙探検家スカンレー

伝説的な宇宙探検パイロットで、21エモンは宇宙の魅力をたっぷりと聞いて、パイロットになる夢を確固としたものにする。ところが、裸になると、片腕がロケットエンジンの爆発で吹っ飛び、片足は冥王星の凍傷でやられ、脇腹は火星の大ダコに食われたという痕だらけ。これを見て、21エモンはパイロットの夢を一時凍結することに・・。

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#8.コイケラス星人とその仲間

ホテルギャラクシーに予約してあったにも関わらず、ゴンスケが殴って気絶させて無理やり泊めることに。目が覚めたところで、50年前の映画「怪獣キャプテン」のフィルムを上映して見せることにする。

すると、キャプテンに退治される怪獣スズキラスが、コイケラス星人そっくりの風貌だったので、これを見て激怒。「地球人はコイケラス星の侵略の意思あり」と判断し、コイケラス星の統合参謀本部にテレビ電話して、地球との全面戦争を決断させる。

途中、仲間の宇宙人も加わり、一触即発となるが、「キャプテン危機一髪」という一度キャプテンが負けそうになるエピソードの途中までを見せて、何とかことを収めることに成功する。

なお、コイケラス星人は、小池さんから取られた宇宙人である。小池さんのモデルとなったのはトキワ荘仲間の鈴木伸一氏だが、スズキラスという名前はここから取られている。

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#9.人喰い怪獣

モンガーに対抗して、ゴンスケが無理やり引っ張ってきた宇宙人。寡黙で宇宙人図鑑にも記載がない。やたらと口を大きく開ける宇宙人だと思っていると、実は宇宙怪獣タイロッグという恐ろしい人喰いで、動物園に向かう途中で逃げ出していたのである。

危うく家族全員食べられそうになるが、モンガーのテレポートで動物園へと送られる。

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#10.ハッピー星人

見た目は、大黒様。ハッピー星のハッピー商事社員が、会社の団体旅行の幹事を任されて、つづれ屋を視察がてら泊まりに来る。経営ピンチのつづれ屋の福の神になるかと思いきや、団体旅行の決定権をチラつかせて、色々と無理難題を押し付けてくる。最後はキックバックを要求してくるのだが、それを20エモンは断固拒否

そのやりとりを何でも入るズダバックの中で聞いていた、ハッピー商事の社長が、つづれ屋を気に入り、幹事をクビにする。そしてここへ泊まろうと言うと、ズダバックの中から団体さんが姿を現すのだった。

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#11.あやしい客二人組

得体の知れない二人の客。会話から地球人であること、宇宙人に対して強い嫌悪感を抱いていることがわかってくる。21エモンたちは気になって動向を追うと、宇宙大使館の地下で爆弾テロを計画していることが判明。

つづれ屋も爆破対象となってしまい、爆弾探しに奔走することに・・・。前後編の中編であったが、最終的には花火遊びレベルの爆弾魔で、大した連中では無かった、というオチ。

さりげなく、グローバル社会になると、その反動も出てくるというメッセージが含まれている点に注目しておきたい。

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#12.モス星人(幼虫)

ある日突然客室に現れる宇宙人。名前はボク、住所はアッチという子供のような応対で、客室ではオムツを洗ったりしている。23才と名乗るが、どうも怪しい・・。

チョウチョのラジコンで遊んでいると、それがモンガーの脳みその詰まったしっぽに当たって、その衝撃でモンガーはおしゃべりができるようになる。まさに怪我の功名

名前と外見は人気特撮キャラクターの「モスラ」から取られている。

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12組のお客様を紹介してきたが、ひとまず本稿はここまで。

綱渡りの経営が続くつづれ屋だが、レトロ趣味のワントナック公爵などを見るにつけ、何かブランド化できるものを持っているように思う。そのあたり、次回で検証してみたい。


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