見出し画像

ざつだんから生まれる「この人と仲良くなったら、明日の予定が変わるかもしれない」ワクワク感 シェア街文化祭「ざつだんの生まれる場のつくり方」イベントレポート

リアルとオンラインの双方を融合させたコミュニティである「シェア街」では、随時、コミュニティビルディング、コミュニティマネジメント、コミュニティマーケティングを研究する取り組み「コミュニティラボ」を開催しています。
2021年5月5日に実施した一大イベント、シェア街文化祭でも、「ざつだんの生まれる場のつくり方」をテーマに「コミュニティラボ公開ゼミ」を開催。
コミュニケーションの育てかたを学べる「ざつだんの学園」や、店舗を無料で借りられるコミュニティストア「暮らしのものさし」を運営をしている松本典之さんに、雑談のコツを学びました。

松本典之
株式会社ものさしどり代表取締役。
1982年生まれ。東京都新宿区出身。千葉育ち。
東京都品川区西大井にある事務所をDIYで店舗へ。
店舗を無料で借りられるコミュニティストア「暮らしのものさし」やコミュニケーションの育てかたを学べる「ざつだんの学園」を運営。


ざつだんの学園とは?

まず、イベントの詳細の前に「ざつだんの学園」について説明すると、「誰もが話したい人と話せる場所」をテーマに松本さんが運営しているオンラインコミュニティです。

コミュニティビルディングカンパニー「はじまり商店街」と、フリーランス研究家の黒田悠介さんが主宰する問いでつながるコミュニティ「議論メシ」をアドバイザリーに、4人の仲間と運営を始めました。

2021年1~4月には、黒田さんをはじめ各業界で活躍されている講師を招き、コミュニケーションの育て方を学ぶ教室「コミュニケーションの教室」の第1期をオンラインで開催。
シェア街関連で言うと、「おうちにいながら旅ができる」がコンセプトの仮想旅体験イベント「リモートトラベル」を主宰する関係住民の日置法男さんと大塚誠也さんも、講師を務めました。

スクリーンショット 2021-08-03 12.17.37

「コミュニケーションの教室」は、人生の分岐点になった体験談を共有し、コミュニケーションの育て方を学ぶ場。

様々な経験をしてきた各講師のキャラクターがどのように作られたか、単にプロフィールを読んだだけでは分からない、それぞれが歩んできたコミュニケーションの歴史について語られました。
参加者たちはそうした各講師の皆さんにコミュニケーションで悩んでいることを相談し、話を聞いてもらう、という趣旨の企画でした。

相手に対する興味がざつだんを生む

さて、5月5日当日のイベントの内容に入ります。

そもそも、「ざつだん」とは何なのか。
ざつだんは会話の入口をスムーズにし、相互に本音を打ち明けやすい雰囲気を作るために大きな役割を担っている、と言えるでしょう。
生まれも経歴も異なる人々が集まるコミュニティで、人と人とをつなぐための手段。
概して、テーマがない「ざつだん」では、気楽に会話できるかもしれません。
でも、テーマがないからこそ難しい部分も……。

そんなざつだんは「相手に対する興味」から始まります。
ざつだんをする目的は、相手と仲良くなること。
松本さんは「この人と仲良くなったら、明日の予定が変わるかもしれない」という期待から相手への問いが始まり、その人が「何が好きそうなのか」という情報を収集し始めてしまうそうです。

自分に興味を持ってくれていると分かれば、相手も心を開いてくれる。そこからどんどん話が広がっていく。
ざつだんで「心理的安全性」を作っていくことが、場づくりをするうえでも重要なようです。


場の定義は「本音を話せること」

コミュニティを運営するうえで必要なのが、場の定義。

松本さんの活動では、「本音を話せること」が重要となっています。
「本音を話せる」とは、自分の等身大の悩みや好きなこと、やりたいことを言語化できること。つまり、自己開示が出来ること。

「そうやって本音を話して悩みを相談してくれた人に対しては、解決のために時間を割いて、一緒に頭を使ってあげたいと思う。次に、自分に時間を使ってくれた相手には、その分何かをしたいという想いが生まれる。やりたいことの起源が他者に向くようになる。そうやって人を応援する輪が循環していくのが、コミュニティだと思う」と松本さんは語ります。

場はあくまでも、何かを実現するためのコミュニケーションツール

場はあくまでも、コミュニケーションのツールでしかありません。
松本さんにとって、場はあくまでもその人と仲良くなるための手段。
場を提供しているだけで、素敵な人たちから連絡が来るってワクワクしますよね。
松本さんが運営する、無料で店舗を提供するコミュニティストア「暮らしのものさし」は、そうした実践の場となっています。

「暮らしのものさし」は元々、東京都品川区にある建築会社だった事務所を、DIYで店舗へと改装。「せっかく場を持っているのに、使わないのはもったいない」と、無料で場の提供をはじめました。

お金を稼ぐためではなく、その人の人生が輝くかどうかを基準にして店舗を貸すかどうかを決めているそうです。

スクリーンショット 2021-08-03 12.17.48

1Fは店舗として、雑貨屋さんがキャンドルを売ったり、農家さんが野菜の販売をしたり。
原宿の「NOSY COFFEE」さんが、新作のコーヒーを無料で振舞うこともあります。

スクリーンショット 2021-08-03 12.17.58

2Fは自由に人が集まり本音を話し合う場。

スクリーンショット 2021-08-03 12.18.05

シェアハウスに近い形ですが、親戚のおじさんの家に集まる感覚で「ざつだん」が繰り広げられるそう。
みんなで集まってお酒を飲んだり、ごはん会をしたり、使い方はさまざまですが、見ているだけで幸せになる、そんな空間が広がっています。
松本さんの思いが結実したスペースとして、ご興味ある方、コミュニティの実践例に関心のある方にはぜひ、ご覧いただきたい場所となっています。

--------------------------------------------------------------------------
コミュニティラボとは...毎週月曜日21:00-22:00に、コミュニティの理論と実践を考える会です。「コミュニティ」に関心がある方は、どなたでもご自由にご参加いただけます。ぜひお待ちしています!

今回のイベント動画リンク

【クレジット】
編集:Atsushi Nagata Twitter / Note / Youtube
執筆:かねこりな

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?