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【シェア街住民紹介】NPO法人を続ける肝は「気味が悪いまでの自己犠牲」!? スガワラカズスギさんに2回目のインタビュー

街づくり系NPO法人「ルネッサンスファクトリー」を立ち上げて8期目になるスガワラカズスギさんに、約1年半ぶり・2度目のインタビューをさせていただきました。
今回は主に、スガワラさんの学生時代や、シェア街での現在の活動について伺います。

ーLittle  Japanと出会う前のことについて教えてください。どんな学生時代を過ごされたのでしょうか?

耽美派(※)が好きでしたね。特に永井荷風や谷崎潤一郎。
高校生の時に『痴人の愛』を読み、衝撃を受けたんです。芸術ってこういうことか!と思ったんですね。
(※)美しさを重要視する作風。日本では明治末期〜大正に勢力を持った。

耽美派について学びたい、自分でも書いてみたい、なんなら実際に体験してみたい(!?)と思い、大学は国文学が学べる学部へ進学しました。
卒業論文も「『痴人の愛』のナオミについて」で書きましたよ。

将来はミュージシャンになりたかったんですが、なかなかバンドを組めずにいました。大学の軽音サークルやフォークソングサークルに入ったものの、あまり馴染めなかったんです。
結局、バンド活動ができるようになったのは3年生になってから。同じゼミの友人と意気投合して始めました。当時でいうアジカンやエルレガーデンみたいな“エモい“音楽を作ってましたね。
私はギターと作詞・作曲の担当でした。

大学を卒業してから、29歳の時に地元である宮城県色麻町(しかまちょう)に戻りました。学校の教員として働いていたこともあります。
その後、2017年にNPO法人を立ち上げて、今年で8期目になりますね。

★スガワラさんとLittle Japanとの出会い、NPO法人立ち上げの詳細は、前回記事をご覧ください!
【シェア街インタビュー】シェア街で掴んだ、オンラインでの地域創生の可能性 宮城県でまちづくりのNPOを主宰するスガワラカズスギさん|シェア街メディア (note.com)

多忙な活動を続けられるのは「人の役に立つことが幸せ」だから。

ーNPO法人として活動されてみて、いかがですか?

法人として活動するための事務手続き等は大変ですが、その分いいこともたくさんあります。
まず助成金が出ますし、個人で活動している時よりも仲間を見つけやすくなりました。参加してもらう方も、より活動のしがいがあるんじゃないでしょうか。

それから、個人よりもNPOとして活動した方が、色々とスムーズだったりします。
実際に、地元の新聞に取材された後、町長から電話がかかってきて、社会福祉協議会の職員になったりもしました。
2018年のことでしたが、あの頃は特に忙しかったですね。

ちなみに、仲間は増えましたが、事務的な仕事は未だに私1人で担当しています(笑)皆さんには、イベント等、楽しいと感じるところに参加してもらえたらそれで良いと思っていますね。

ー現在も宮城と東京の2拠点生活をしながらのNPO活動をされていますが、なかなかハードな毎日ですよね。何が原動力になっているのでしょうか。

もう8年目か、こんなに続くなんて…というのが正直な気持ちで、薄気味悪ささえ感じます(笑)

そもそも私は、自分1人のためにお金や時間を使うことがあまり楽しいと思えないんですよ。それだと虚しくなってしまうというか。
誰か、何かの役に立てることに幸福を感じるんです。自分にするように他人にもしたい。自分と他人の境界線をなくしたいのかもしれません。
自覚したのは最近ですが、振り返ってみると、昔からそういう場面はたくさんありましたね。

今も、NPOとしてひとり親家庭や生活困窮家庭に食糧支援をしていますが、大変だし、お金にはなりません。でも、やらずにはいられないんですよ。

ー何だか、耽美派との共通点がありそうですね?

外から見れば自己犠牲が過ぎるかもしれないけど、自分にとってはこれが自然なんですよね。
競争心とか、損得勘定みたいなものが全然なくて。

耽美派の作品の中には、自分の欲を押し殺して、愛する人の幸せを願う姿なんかがよく描かれています。
自己矛盾を抱えつつ、苦しささえも喜びに変えて生きる姿。そこに自分自身を重ねている部分は、確かにあるかもしれませんね。

これからシェア街でやりたいこと。地元である色麻町と、20代を過ごした杉並区の良さを発信したい。

ー現在のシェア街での活動はいかがでしょうか。前回のインタビューから何か変化はありましたか?

「東京にいながら地元の町を一緒につくる楽しみ方ができたら」と考えていて、それを一つ実現したのが「色麻町ファン人会」です。
5月16日に第1回を開催しました。

「色麻町ファン人会」とは、簡単に言うと、色麻町のものを食べて飲んで、色麻町の人と話そう!というイベントです。
シェア街に小さい色麻町を作っちゃう、みたいなイメージですね。
たくさんの方が参加してくださって、楽しい交流ができました。

この後、春夏秋冬・年4回のシリーズものにすべく企画中です!

★色麻町ファン人会 詳細(Peatix)

ー今後、シェア街でやってみたいことはありますか?

「中央線4駅巡り」をやりたいですね。
杉並区の中央線4駅(高円寺・阿佐ヶ谷・荻窪・西荻窪)それぞれのおすすめスポットを巡って、お酒を呑む企画を考えています。

私は20代を杉並区で過ごしたのですが、良いところがたくさんあるんですよ。
良いものは何でもオープンにして、みんなに知ってほしいと思っているので、この企画で杉並区を好きになってくれる方が増えたら嬉しいです。

ディープな杉並研究会 キックオフMTG


スガワラさんには、ここには書ききれない面白いお話をたくさん聞かせていただきました!
気になった方はぜひLittle  Japanへ。もしかしたら、スガワラさんと会えるかも!?

写真:提供写真
執筆:清水柚香


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