「負けないこと」「投げ出さないこと」「逃げ出さないこと」「信じ抜くこと」どれが一番大事なのか漫画10作品から定量分析してみた
90年代ソングが大好きです。
ZARD、WANDS、奥田民生、相川七瀬…などなど。
その中でも大事MANブラザーズの「それが大事」は特に好きで、カラオケでもよく歌います。
負けないこと
投げ出さないこと
逃げ出さないこと
信じ抜くこと
ダメになりそうな時
それが一番大事
良い歌ですよね。
18年も前の歌ですが、聴いたことない人はいないのではないでしょうか。
しかし、一点だけずっと気になっていることがあるのです。
それは「結局どれが一番大事なのか?」という問題です。
サビの終わりで「それが一番大事」というフレーズがあります。
「それ」とか「一番」とか言ってるのに、歌詞で大事だとうたっているのは「負けないこと」「投げ出さないこと」「逃げ出さないこと」「信じ抜くこと」の4つなんです。1つじゃないんです。
もし仮に4つ全てが大事なのであれば、
「それらが同率で一番大事」
「どれも一番大事」
「ぜんぶ一番大事」
とかになるべきですよね。
でも違う。
「それが一番大事」と言っているんです。
困りましたね。
何が一番大事なのかハッキリしないと、モヤモヤします。
じゃあ、どれが一番大事なのか調べてみましょう。
1.何のための「大事」なのか
「それが大事」の中では、何のために大事なことが歌われているのでしょうか?
例えば「金持ちになるために大事なこと」と「美人と結婚するために大事なこと」では内容が異なりますよね。「死ぬほど働け」なのか「定時で帰って合コンに行け」なのか、そんな違いが出てくるはずです。
つまり「何のために」をまず定義しなければなりません。
そこで歌詞をもう少し紐解いていきましょう。
サビ以外ではこんなことが書かれています。
・高価な墓石を立てるより、安くても生きてる方が素晴らしい
・散々わがまま言ったあと あなたへの想いは変わらない
・高価なニットをあげるより 下手でも手で編んだ方が美しい
・今は遠くに離れてる それでも生きていればいつかは会える
かなり多岐に渡りますね。
ただテーマとして1つ浮かぶのは「本当の幸せとは何か」でしょうか。
お金やモノみたいな、目に見える価値が重要ではない。
大切な人と通じ合う「心」が大事なんだ。
そんなメッセージを感じます。
テーマは「幸せ」で進めましょう。
2.どう分析するか
前述の通りこの記事では、「それが大事」は「幸せ」について歌ったものであり、4つの大事なこともそこに紐づいている、と解釈しました。
ではここで問いを立てます。
4つのうち、どれが最も「幸せ」になるために大事なのか?
そこで、実際に「幸せ」をいくつか分析することにしましょう。
お金持ちになる秘訣を、たくさんのお金持ちを調べて共通点を探すように、たくさんの「幸せ」を調べて「負けないこと」「投げ出さないこと」「逃げ出さないこと」「信じ抜くこと」のどれが一番大事なのか調べるのです。
そのため「幸せ」の事例が必要になります。
もちろん人それぞれ「幸せ」の定義は異なると思いますが、今回は最大公約数を狙いましょう。
誰もが認める「幸せ」とは何か。
それは『ハッピーエンド』のことではないでしょうか。
ハッピーエンドは、文字通り「幸せに終わる」ことであり、大衆が楽しむ「物語」の中で描かれています。
つまり、誰もが認める「幸せ」な終わり方をしているはずなのです。
ということで、いくつかの物語を分析しましょう。
分かり易く「漫画10作品」を対象にしてみます。
※読んでない作品、(漫画は続いていても)1つの話が完結していない作品は対象から外しました。
(一番好きな漫画「ギャグマンガ日和」は泣く泣く除外です)
それらの作品を各「大事項目」に照らし合わせ、満たしている場合は「◯」、満たしていない場合は「×」をつけていきます。
最終的に満たしている作品(◯の数)が多い項目が、映えある「一番大事なこと」に認定されるわけです。
とりあえず、やってみましょう。
3.分析してみた
実際に10作品を分析してみました。
全部はご紹介できないので、まずは大まかに説明し、その後いくつか抜粋して分析例を紹介します。
⑴各項目の定義
まずは項目に当てはめる以前に、各項目を詳細に定義します。
例えば「投げ出さないこと」と「逃げ出さないこと」の違いって何?みたいな問題がありますよね。それを解消するために、項目の定義が必要になる訳です。
今回はこんな風に定義しました。
「負けないこと」
・勝負、試合などで一度でも対戦相手に敗北を喫していないこと
・勝てないと判断した上での棄権、救助、逃亡も「負け」とする
「投げ出さないこと」
・物事を途中でやめてしまわないこと
・最終話では続けていた場合も、途中で一度でも放棄した場合は×とする
「逃げ出さないこと」
・何らかの挑戦や事柄から「逃亡」をしていない
・物理的な場所、組織からの逃亡も含める
「信じ抜くこと」
・自分の考えや主義主張、また自分以外の人や事柄を信じ続けること
⑵ハッピーエンドの定義
漫画にも色々な種類があり、「一話完結」「全話完結」「複数話完結」などエンドをどこに定義するかが重要になります。例えば「ドラえもん」は一話完結ですが、「のび太がしずかちゃんと結婚する」という文脈で読めば「全話完結」と見ることも出来ます。
そのため、描く物語に「ハッピーエンド」という項目を用意し、何を「エンド」と捉えた時の読み方なのかも明確にしています。
それでは、実際に分析した例をいくつか見ていきましょう。
事例その① 「ドラえもん」
1つ目は「ドラえもん」です。
以前やった超くだらない企画以来の登場ですね。
ドラえもんは前述の通り、一話完結と見るか全話完結と見るかがまず重要になります。
しかし、一話で見るとハッピーエンドでない場合も多く、「幸せ」とは言えないので、全話を対象として見ることにしました。
「ドラえもん」のハッピーエンドは「のび太がしずかちゃんと結婚した(未来では)」です。最終話ではありませんが、この話はとても有名ですね。
ここに至るまで、のび太が守ってきた「大事なこと」は何でしょうか。
分類してみました。
「負けないこと」
×:ジャイアン、出木杉には連戦連敗
のび太はしずかちゃんと結婚するために「立派になる」ことを目標に頑張っています。しかし、そこまでの間に勉強では出木杉に惨敗し、スポーツや喧嘩ではジャイアンにぼろ負けです。
「投げ出さないこと」
×:勉強、運動をたびたび放棄
のび太は何度も勉強や運動を放棄します。その都度ドラえもんに諭されていましたね。
「逃げ出さないこと」
×:恋では一度ロボ子に逃げた
のび太は一度「ロボ子」というドラえもんのひみつ道具に浮気します。それもしずかちゃんから邪険に扱われたことが原因で。
「信じ抜くこと」
◯:ドラえもんを信じ続けた
ここまで×続きののび太ですが、唯一裏切らなかったことがあります。
それは「ドラえもんへの信頼」です。
一度も「ドラえもんが言ってることはおかしい、そんなことで僕は幸せにならない。もう未来へ帰ってくれ。」とは言いませんでした。
毎度毎度、彼のひみつ道具をあてにしていたし、信じて共同生活を行なっていたのです。
事例その② 「SLAM DUNK」
2つ目は「SLAM DUNK」です。
この話は完全に全話完結の物語ですね。
あらすじはこんな感じです。
高校で晴子に恋した桜木は、晴子の「バスケットマンが好き」という言葉に感化されてバスケを始める。しかし、次第に桜木はバスケ自体が好きになり、驚くほど早く成長する。そして最後には絶対王者「山王高校」を倒すに至るのだった。
では、「山王を倒す」をハッピーエンドとして定義し、各項目を見ていきましょう。
「負けないこと」
×:海南に負けた
県大会の決勝で桜木のいる翔北は強豪「海南大付属高校」に敗北を喫します。最後は桜木のパスミスでしたね。
「投げ出さないこと」
×:一度バスケットマンを辞める
桜木は一度バスケを辞めていますね。かなり初期ですが、つまらない練習に嫌気がさして辞めます。まあ、すぐ戻るんですがね。
「逃げ出さないこと」
◯:バスケ、喧嘩でも逃げない
桜木はバスケの試合を逃亡するなんてことはありませんでした。一度も。
そして「喧嘩」のシーンでも一切引き下がりませんでしたね。
「信じ抜くこと」
◯:チーム、監督、自分を信じ続けた
桜木は最後の山王戦でも、他の試合でも、一切「諦めない男」でした。弱音も一切吐きません。それはチーム、監督、そして自分を信じていたからですね。
事例その③ 「刃牙」
刃牙シリーズは「グラップラー刃牙」「バキ」「範馬刃牙」と3部作続きました。今も「刃牙道」が続いていますが、一度「範馬刃牙」で完結しているのでそこの話をしましょう。
主人公の刃牙は、父親が「地上最強の生物」と謳われる男「範馬勇次郎」でした。その父に勝つためだけに、刃牙は戦っているのです。
勇次郎は一個人としてアメリカと友好条約を結ぶような武力の持ち主で、作中でも負けるシーンは一切出てきません。その父に勝つんです、最終話で。
では「父に勝つ」をハッピーエンドとして分析をしましょう。
「負けないこと」
×:父に大敗
刃牙は「グラップラー刃牙」で父と対戦し、大敗を喫しています。それ以外にもピクルという原始人にも負けていました。
「投げ出さないこと」
◯:一度も父への闘争を投げ出していない
刃牙は一度だって「闘争」「修行」「鍛錬」「試合」などを辞めたことはありません。父を倒すためだけ、に生きているのです。
「信じ抜くこと」
◯:自分を信じ抜いた
刃牙が最後まで信じて疑わなかったこと。それは「父を倒せる」ということですね。つまり「自分」を最後まで信じていたと言えます。
(↑意味不明かもしれませんが「父に勝ったシーン」です)
4.結果発表
さて、それでは10作品を分析した結果を発表いたします。
こちらです。
1位:信じ抜くこと(10点)
2位:投げ出さないこと(8点)
3位:逃げ出さないこと(6点)
4位:負けないこと(1点)
なんと、「信じ抜くこと」が全票獲得で1位になりました。
M-1で言えばチュートリアルぐらいの圧勝です。おめでとうございます。
というわけで、皆さんも今後は「信じ抜くこと」だけは大事にして頑張ってください。
ちなみに、自分の好きな作品がどうなのか?とかも気になると思います。
そういう人はスプレッドシートコピーして差し上げますので、3時間ぐらいかけて記事にしてください。
私はこれで満足なのでやりません。
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