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世界一ムダな会議「女子会」をPM視点で分析すると『アジェンダ』の重要性が分かった話

地球上で最もムダなものとは何か。
考えたことはありますか?

様々な意見があると思います。
「戦争」「紛争」「麻薬」「汚職」などなど。

この世はムダだらけですね。

私の意見は少し違います。
地球上で最もムダなもの、それは。

「女子会」です。


女子会ほどムダなものはありません。
何の成長にも、課題解決にもならない。
各々が話したいことを話し、聞き手は無味乾燥な返事に徹する。

「わかるー」「ひどーい」「ウケるー」

何がだ、何が分かる!
何がひどい、何が課題だ、解決策は何だ!
何にウケた!ウケているなら笑え、口角下がってる!


とまあ。

このように、女子会には一切の生産性がありません
そんな女子会が今日も全国あちこちで繰り広げられているのです。
国民の貴重な時間が、体力が、カフェスペースが、ムダになり続けている。

これは危機的な状況です。
何とかせねばなりません。

というわけで、これまで「ドラえもん」「ハウルの動く城」「暴走族」など、数々の効率化を行ってきたPMシャニカマが「女子会」の生産性を上げるために立ち上がります。

そして、今回は初の実地調査を行いました。
今までとは一味違いますよ。

それでは順に見ていきましょう。


1.会議の生産性を決める「目的」と「コスト」

「女子会」はその名の通り女性だけでとり行われる集会のこと。
れっきとした「会議」です。

では、会議における「生産性」とは何なのでしょうか?
どうすれば「良い会議」となるのでしょうか?

実はこの問題、ビジネスの現場でも散々議論されることです。
「会議が多い」「長い」「関係ない人も呼ばれている」
そんな不満の声はどの会社でも出ています。


つまるところ、何が問題なのか。
それは「目的を果たすためにかけるコストが高い」という問題です。

例えば新企画の商品を決める会議の場合。
目的は「新企画の商品を決定すること」です。
そしてコストは「参加人数」「拘束時間」となる。

そのため生産性を高める方法
・参加者を最小限にとどめる
・ムダな議論を減らして時間を短縮する
の2パターンで対策を考えることになります。

そして、ここで重要になるのが「目的」です。

参加者を減らすにしろ、議論を絞るにしろ、目的が曖昧では何を削れば良いのか判断できません。
要らないと思っていた参加者だけが知っている情報があったり、必要な情報を決めきれていなかったら逆に手間がかかりますからね。

あれ?
そもそも「女子会」の目的って何なのでしょうか?
まあ、それは実地調査で調べることにします。

とりあえず
・会議では「目的」を明確化すべき
・「参加者」「拘束時間」を最小化すべき
の2点を抑えてください。


2.女子会の実地調査・結果

今回は知り合いの女子4名にご協力いただき、実際に「女子会」を開催していただきました。
まさか「世界一ムダだ」なんて言われているとはつゆ知れず。

メンバーは同じ社会人サークルに所属する4名の女性。
詳細な会話内容、顔は非公表を条件にご協力いただきました。
(ここだけの話全員「超美人」です)

写真:女性たちと「小顔効果要員」としてアサインされる筆者


さて、早速調査結果を見ていきましょう。

今回は以下の項目で調査を行いました。

①会話内容の流れ
②テーマごとで話された「話の数」および「割合」
③会議の目的達成度合い

1つずつ見ていきましょう。


①会話内容の流れ
会話内容の流れは以下の通りでした。

ご覧の通り同じトークテーマがあちこちに入っていますね。
「自己紹介」って最初じゃね?てな具合に。


②テーマごとで話された「話の数」および「割合」
各テーマごと、話が切り替わるたびにメモをしていきました。
メモの個数から、テーマごとにいくつの話がなされたのかを計測します。

例)テーマ「女子会って何話すの?」
・恋愛系かなあ〜
・美容系の話多いよ
・誰かの趣味で盛り上がるよね
・感度とかセンスが近くないと盛り上がらないよね
 →1つのテーマで4つの話が出てきた

結果はこちら。

これは面白い結果が出ましたね。
なんと85.7%が「恋バナ」という結果に。(単位:話の個数)
好きですねえ、恋バナが。


③会議の目的達成度合い
今回最も驚いたのはこの項目でした。
なんと、最後まで「女子会の目的」が定義されなかったのです。

「今日集まった目的からおさらいします」
「その話ってこの女子会でしなきゃダメなんだっけ?」
みたいな議論が一切ありませんでした。なぜ…?

とりあえず、目的がないので、成果も無い。
達成度合いが「0」と言うことになりますね。
興味深い。

では、以上の結果を踏まえて「女子会の課題」を探りましょう。


3.調査結果から分かる「女子会の課題」

今回の調査から女子会における2つの課題が明らかになりました。

①会議の目的が無い
②合理的な流れが組まれていない
の2つです。


①会議の目的が無い
女子会の最も大きな課題は「目的の欠如」です。
何のための会議なのか、何を決めるべきなのか、無いということ。

そりゃあ、有意義な答えも、次のアクションも出ませんよね。

ただ、実際女子会で話を聞いていると有意義な情報はそこかしこにありました。
「嫌いなタイプの方が人間性出るよね」みたいな話から、「自称サイコパスはサイコパスじゃないんだって」みたいなアドバイスに至るまで、様々な情報交換がなされているのです。

これは勿体無い。
目的さえあれば「女子会」は必ず有意義なものになるはずです。


②合理的な流れが組まれていない
女子会は①の通り目的が無いので、それを果たすための手段としても洗練されていません。
目的が無いのに、手段もクソも無いですよね。

それ故に最初の自己紹介で話しておくべき内容が、後半で次々と出てくるのです。今回は「名字なんだっけ?」という話題が開始から90分以上経過した段階で議題にのぼりました。

遅く無いですか!?
ここは流れを整理して理解しやすい体系にすべきでしょう。


4.女子会の生産性を上げる「アジェンダ」

女子会の課題が明確になりました。
①会議の目的が無い
②合理的な流れが組まれていない

の2つです。

これを解決する手段が1つあります。
それは「アジェンダ」を作ることです。

「アジェンダ」とは、これからとり行われる「会議の内容」を記載した資料のことを指します。
具体的には「この会議の目的」「話すべき議題」「議題ごとの所要時間」などが記載されています。

逆に、アジェンダを作る過程で「この会議の目的なんだっけ?」ということが多々あります。改めて書き出してみると、意外とそれだけで無駄が分かったりするんですね。

つまり、アジェンダが過不足なく完成した会議は生産性が高くなっているのです。
故に女子会も「アジェンダ」がきちんと完成すれば、生産性の高い「良い会議」になっていることでしょう。

では、続けて今回の女子会にアジェンダを作ってみましょう。


5.実際に「アジェンダ」を作ってみる

本来であれば会議前に作成されるべきなのですが、今回は一例として実際に開かれた女子会に後付けでアジェンダを作成します。
要は「こうすればもっと効率的」という改善案ですね。

フォーマットはこんな感じで良いでしょう。
目的、参加者、議題、所要時間が明確になっていますね。


では、順番に埋めていきます。
まずは「目的」から。

女子会の目的は定まっていないので、新たに定義する必要があります。
実際に調査した女子会では85.7%が「恋バナ」だったので、そこで間違い無いでしょう。

そこで主に語られていたことは何か。
彼女たちがそこで議論していたことは何か。
何のために議論していたのか。

私は1つの結論に達しました。
それは『「良い男」を定義して恋愛の成功確率を高める』という目的です。

詳しくは言えませんが主に語られていたのは
・もらって嬉しかったプレゼント
・彼氏の影響はどの程度受けるか
・今カレのキュンキュン話聞かせて
・こんな男は嫌だ
などなど、男性の私が聞いていてハッとする内容も多々ありました。

彼女たちは「良い男ってどんなやつ?」を議論しているのです。
それは今後の恋愛においてダメ男につまづきたく無い成功確率を上げたいからこそのリサーチでしょう。

そのため目的はこれで埋まりました。
参加者も決まっていますから、上二段は完成ですね。


ではここから、合理的に議題を考えていきます。

何があれば「良い男」は定義できるのでしょうか。
教科書なんてない、経験する中で培うまで。
ですよね。

経験する中で…。
経験…。

そうです、彼女たちは各々の経験を共有することで、恋愛に関する有益な情報を獲得し、次の恋愛に活かしているのです。無意識のうちに。

では、彼女たちの経験を整理して共有してやればいい。
大きく「良い男の特徴」「悪い男の特徴」に分けるといいでしょう。
次にその中で「デート」「プレゼント」など場面に分類してやる。

その結果出来た議題がこちらです。

話し手は4人なので1人2分ずつで共有してもらう(8分)。
そしてテーマの最後にお互いの話を聞いた上で「自分が今後大事にしたい条件は何か?」をまとめて互いに発表する(8分)。

最終的には以下のような基準を獲得します。

・他人の不幸を一緒に悲しんでくれる人
・他人の幸せを一緒に喜んでくれる人
・年収とかは結局どうでもいい
 →理想は「野比のび太」じゃね?


素晴らしい。
なんとも有意義ではありませんか。

くだらないペットの話や、篠田麻里子の結婚なんて話す必要もない。
目的に沿った議論に集中すれば得られるものも大きく、余計な時間もかからないんです。

それに話す内容が事前に決まっているので、参加者にはあらかじめ以下のようなシートを記入してきてもらうこともできます。
すると会議の進行も格段にスムーズですよね。



いかがでしょうか。
アジェンダを作るだけで、女子会は一気に有意義な会議になります

同じように「おばちゃんの井戸端会議」も潜入すると面白いかもしれませんね。
ちょっと考えておきます。


以上です。

サポートされたお金は恵まれない無職の肥やしとなり、胃に吸収され、腸に吸収され、贅肉となり、いつか天命を受けたかのようにダイエットされて無くなります。