PMのkyokuronn_ヘッダー__10_

「占い」を信じる愚かさを論理的に解き明かすため『占いビジネス』の正体を明らかにしてみた

このnoteを読めば「占い」を一切信用する必要が無くなります
「占い」は人生における巨額の負債です。

あんな非論理的なものを信用するから。
一喜一憂しているから。
無駄にしている「時間」と「お金」がたくさんあるのです。

星座占いを観る朝の3分間。
手相占いにかけていた3000円。
タロットカードをする友人にドヤ顔で運命を突きつけられた時に消費した5分間と2kcal。

全てが無駄なコストだと、お分りいただけるでしょう。

私が言いたいことは至ってシンプル。
『占い』は立派なビジネスだ、ということです。

多くの人はここでつまずきます。
「占い」やそれにまつわる「霊感」なんかを、実生活に深く関わる摩訶不思議な現象として捉えているのです。

実際は違います。
あれはファンタジー、おとぎ話、エンターテイメント。
そして何より、ビジネスなのです。

「ビジネス」の観点から「占い」や「霊感」を捉えることで、彼らがいかに無根拠で、いいかげんな商売をしているかが理解出来ます。

順を追ってご説明いたします。
時間がない人は「1.概要」だけお読みいただければ結構です。


1.概要

占い師はどういったビジネス構造になっているのか。
まずは占い師を二分するところから始めましょう。

占い師は街で細々とやっている無名型、とメディアで大きく露出する有名型に分かれます。
「地獄に落ちるわよ」で一世を風靡した細木数子さんや、1999年に世界が滅亡すると謳ったノストラダムスは有名型の典型ですね。

ほとんどは無名型で占い師を続けることになります。
そしてその中から一定数だけ『よく当たると噂』になる者が台頭し、彼らはその「逸話」を持ってメディアに登場します。(「世界的な事件を予言していた」「有名芸能人の結婚を言い当てた」「有名政治家の顧問を務める」などなど)

メディアに露出した有名型の占い師は約3〜4年間のうちに稼ぎ切ります。
その時に重要なのは「大口をたたく」「1〜3年先で占う」ということです。

そして計ったかのように、大抵の有名型は4年程度で隠居します。
そう、大口を叩いて言ったあの占い結果が出る前に姿を消します。
正誤を問われず、忘れ去られるためですね。

これが占い師の出世ルートです。
ここが分かれば、今日伝えたいことの7割はお伝えしたも同然です。

図解すると以下の通りです。

つまり、無名型は細々と稼ぎ続け、有名型は短期間に荒稼ぎする、というシンプルな構図なのです。

しかし、このままだと推測の域を出ません。
ここから論理的に立証していきます。


2.「逸話」が生まれるのは単なる確率論

有名型と無名型を分ける境界線が「逸話」です。
有名な人には必ず「逸話」が付いています。

例えば記憶に新しい「2012年人類滅亡説」はマヤ暦から生まれました。
マヤ暦には、中世ヨーロッパでのペスト流行、ナポレオン・ボナパルトの登場、第二次世界大戦などを予言していたという「逸話」があり、それゆえに信憑性が高まったのです。

また、1999.7に人類が滅亡すると予言したノストラダムスは、パスツール、フランコ、ヒトラーやカギ十字といった歴史上の有名人や団体、あるいはクレジット、カーマニアなどといった社会現象に関する用語が、固有名詞入りで的確に予言したそうです。
この逸話があったからこそ社会現象にまで発展したんですね。

しかし、本当に彼らは「未来を占えた」のでしょうか?
もっとマクロな視点で見てみると、偶然や言いがかりとも取れませんか?

日本には協会に登録しているだけで500人の占い師がいるそうです。
個人的にやっている人を含めるともっと多いでしょう。
おそらくは数千人単位です。

それだけの人が日々、不特定多数の人を占っているのです。
どこかで、誰かが、奇跡的に何人もの幸運/不運を占えても不思議ではありません。

それに、「暗示」による効果も大きいのです。
例えばノストラダムスの信ぴょう性を高めたものの1つに「1999年に恐怖の大王が来る」という予言があります。これを当時の人は「大気汚染」「核実験」などを引き合いに出して関連づけました。

しかし、歴史をもっと引いた視点で見るとどうでしょう。
毎年のように「世界的な危機」ってありませんか?

2014.3 北朝鮮が日本海に「ノドン」を発車
2014.6 イスラム国(ISL)が建国声明
2015.5 MERSがアジアで流行
2016.6 フランスでISLのテロ(84人が死亡し、202人の負傷者)
2017.1  フィリピン南方の沖合でマグニチュード7.3の地震が発生
2018.6 西日本豪雨(死者・行方不明者は200人以上)

ご覧の通り、ここ4年間でも毎年のように「世界的な危機」や「恐怖の大王」と捉えられそうな事件が起きています。
私だって言えますよ「2019年に恐怖の大王がやってくる」って。

つまり、最初に抽象的な予言をしてしまえば、当事者は何か『それらしき』ことが起きた途端に「当たった!」と思うわけです。
上手に予言していれば、いくつも当たって「逸話」になるでしょう。

また、リスクはありますが超具体的に予言するという方法もあります。
「アカシックレコード」という宇宙の図書館に置いてある本を読めば未来が見えるという中津川昴さんという芸人さんがいます。彼は千原ジュニアさんと共演した際に撮影の終了時刻をピタリと言い当てたそうです。

すごいって思いました?
信じようって思いました?
私は思いません、すごい偶然だなどんなトリックを使ったのかな、と思います。

よく考えてください。
もしそれが「外れていたら?」と。

外れていたらジュニアさんがにけつで語ることはありません。
若手芸人の失敗として、誰にも気づかれることなく忘れ去られるだけでしょう。

「失敗」はスポットライトが当たらないだけなのです。
細木数子も数々の失敗をしていますし、ゲッターズもしているでしょう。
私なんて手相に「覇王線」という織田信長にあった天下取りの相がありますが、一向に天下をとる気配がありません。

そんな失敗に寛容な占いの世界に、占い師が数千人もいるとしたら?
誰かが何度か偶然にも、またはインチキで当たった場合にも、それは立派な「逸話」になりますね。

山のようにいる「食えない芸人」の存在が見えないから、テレビに出ている華やかな芸人だけをみて養成所に入る人が多いのと同じです。

つまり、
・曖昧に当たりそうな予言を何度か的中
・超具体的な予言を1度的中
このどちらかをたった1人誰かが為せば、十分に「逸話」は作り出すことが出来るのです。

全ては「確率」の問題です。


3.『サピエンス全史』から分かる人類が占いを信じる理由

「占い」がはびこる原因は占い師だけではありません。
それを「信じる側」にも原因があります。

いえ、信じてしまう生き物なのです、人間は。

2016年にベストセラーとなった「サピエンス全史」をご存知でしょうか?
この本には人類が進化し、地球上に生存し続けて来られた1つの大きな理由が書かれています。

それは「想像力」です。

人類は「そこに無いもの」を想像することに長けた唯一の動物です。
そのため『神』を信じ、宗教が生まれ、国家が生まれ、学問が生まれました。

人類は「宗教」という実態のない概念で共同体を作りました。
そして架空の未来を想像して「科学」を発展させました。
これが人類が生存するために得た力なのです。

つまり「無いものを信じる」ことは人類の特性とも言えるでしょう。
手の届かないアイドルとの生活を妄想したり、二次元の彼女を慈しんだりして楽しくなるのは人間にしか出来ない芸当なんですね。

だから、「占い」も「霊感」も信じられる。
そして楽しむことが出来るのです。

それに、オーラが見えるとか、霊感がある人もその類です。
人間の脳は「想像」するために発達しているので、本来ないオーラや幽霊を脳が作り出してしまうのは必然的です。

そういう想像力が豊かな人が「霊感がある」とされるのです。
「想像力が豊か」より「霊感がある」の方が楽しいですからね。

しかし、それでいいのでしょうか?
楽しむだけならいいですが、ひどく落ち込んだり、過剰にお金を払ったり、時間をかけたりする必要があるでしょうか?

『楽しむ』ことと『信じる』ことは分けて考えるべきです。
人間の脳なんていい加減なんですから。


4.占いの「価値」に問題がある

占いは「楽しみ方」に問題があります。
占いは遠い未来のことを予言することがほとんどですが、「楽しい」のはどの部分でしょうか?

それは「その場の驚き」です。

本来であれば正確に未来を予測し、占われた未来に対して対策し、理想的な未来にたどり着くことが「価値」であるべきです。
しかし、実際に占いを受けた人は大抵の場合その日、その週には占いのことなんて考えずに生活しています。つまり占われたその瞬間の「驚き」が一番の価値となっているのです。

このズレがいちばんの問題です。

もし『理想的な未来にたどり着くこと』が目的であれば、より具体的な予言を求めるはずです。
「いつ?」「どこで?」「どんなヤツ?」と、事細かに聞いて、予言した未来と異なった場合の保証や違約金まで考えるでしょう。成果報酬にする手もあります。

しかし、その場の驚きが価値になっている以上、そこまで具体的に聞いたりする人はいません。
だから、適当なことを言って金儲けをする反社会勢力が生まれるのです。

占い師という反社会勢力にお金を払うことは、コカインを買って暴力団の資金源に協力することと大差ないでしょう。


5.占い師に言われそうな質問に答えたFAQ

最後に、インチキ野郎たちに難癖つけられた時のFAQを書いておきます。

①なぜ全てを科学や論理で説明しようとするのですか?
実生活に必要なお金、時間がかかっているからです。もし論理や科学で解明できないものとして「占い」を位置付けるのであれば、報酬も「気持ち」とか「チャクラ」とかで支払わせてください。
②手相は統計学ですよ
では具体的に統計データを見せてください。また、そのデータはいつ、誰が、どこで取ったのでしょう?そしてどうやってまとめたのでしょう?
ネットに「手相というのはそれをさらに突き詰めて、こういう場合にはどう手相に現れるのか、ということを膨大な経験則から因果関係を見極めていったものなんです。そういう意味で、統計学と言えるでしょう。」と書いてありましたが、具体的な名前や機関の名称は一切出ません。
果たしてそれが統計学と言えますか?
③楽しんでるんならいいじゃない
だったら「エンターテイメントだ」と銘打ってください。その占いを本気で信用して結婚相手を決めてしまったり、要らないものを買ってしまう人がいるんです。
あなたも証券マンに『絶対にこれ儲かりますよ』と言われて買って、大損してから「でも楽しかったでしょ?」と言われたら腹たちませんか?
信憑性がないなら、ないと言い切るべきです。

サポートされたお金は恵まれない無職の肥やしとなり、胃に吸収され、腸に吸収され、贅肉となり、いつか天命を受けたかのようにダイエットされて無くなります。