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#274 地中海性気候で稲作はできる?

地中海性気候は夏の降水量が少ないのが特徴だ。
夏に乾燥することから、乾燥に強いかんきつ類やぶどう、オリーブなどの栽培がさかんである。

逆に、夏に大量の水を必要とする稲作には不向きの気候である。
しかし、スペインには伝統的な米料理がある。
そう、誰もが知っている「パエリア」だ。

現在はスペインの代表的な料理となっているパエリアは、バレンシア地方のアルブフェラ湖周辺の村が発祥と言われている。

この地域ではアルブフェラ湖の水を利用して、稲作が行われていた。
また、アルブフェラ湖を干拓して水田がつくられたため、現在の湖はもともとの5分の1の面積になっているという。

航空写真で見るとその様子がよくわかる。↓↓

このように、地中海性気候でも水源さえあれば稲作は可能である。
同じ地中海性気候のアメリカのカリフォルニア州でも稲作がさかんである。
シエラネバダ山脈を水源とする豊富な水があり、地中海性気候の昼と夜の寒暖差はむしろ米にとって適しているという。

つまり、夏の降水量よりも、農地の近くに水源となる山や湖があるかどうかが重要で、条件さえ揃えば地中海性気候の地域でも稲作は行われているということだ。

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